THE W 2022 決勝全ネタ感想
2022年12月10日放送のTHE W 2022を見たので、他の大会と同じようにその感想を書いて参ります。出場者の名前は敬称略となっています。
1.Aブロック
1-1.TEAM BANANA
漫才。SNSで結婚報告する人をいじる内容となっています。
基本的にはM-1グランプリ2022の3回戦で披露したものと同じであり、細部が違う形となっています。
SNSでありがちな事象を扱ったのち、途中から芸能人へのいじりにスライドさせる構成で、上記の記事でも書きましたが、人選がよくできているネタとなっています。
1-2.ヨネダ2000
コント。ウンコが出した主(?)に悪口を言われて家をし、主がウンコを追いかけるネタです。
特に何の説明もせずに奇妙な世界を展開してゆくんですが、トイレとかウンコとか非常に分かりやすいものを持ってきてバランスを取っているように見受けられました。分かりやすくもいい話を持ってくるなどして下品になりすぎないよう気を遣っているところもポイントかと思われます。
1-3.さとなかほがらか
コント。コールセンターでクレーム対応をしながら保留音で憂さを晴らすネタです。
クレームへの丁寧な対応と保留音での身もふたもない歌詞とのギャップを楽しんでもらいながら少しずつ話を進めてゆく形式となっています。あとは多少の小道具がアクセントになっている。これが全てとも言えます。
1-4.Aマッソ
コント。首から下を箱で隠した人が採用面接に挑むネタです。
スタートは出オチになるわけですが、箱に入って挑む理由を割と序盤でキッチリ説明し、その説明を活かして話を展開してゆきます。箱のまま移動してコントに動きをつけたり、履歴書を出して展開を変えたり、ラストのオチも短くバシッと決めたりと、出オチに終わらせないよう綺麗に仕上げています。
2.Bブロック
2-1.天才ピアニスト
コント。恋人と痴話喧嘩する女性とそれを遠くから見て楽しむ女性のネタです。
日常生活で起きそうでありながら、しかし確実に特殊な状況でもあるという場面を用意できているところがこのネタの強いところだと思われます。痴話喧嘩していた女性が他の喧嘩に興味を持つなど話も着実に発展させてゆき、そしてそれはウケを狙う方法として間違っていない。個人的には今大会で最もよくできたネタだと思います。
2-2.爛々
漫才。バイト先のおじさんを好きになったと言い、相方にいろいろ詰められるネタです。
細かいところで言動が異なりますが、内容はM-1グランプリ2022の予選3回戦のネタとほぼ同じです。
バイト先のおじさんの情報を出してゆき、顔がオダギリジョーという情報で評価をひっくり返すところが肝となっています。
2-3.スパイク
コント。居酒屋の新人店員が常にミュージカル調というネタです。
基本的には居酒屋という場面とミュージカル調の言動というミスマッチに終始しており、そのまま話を進めてゆく形となっています。新人が急に退職を宣言するなど多少の場面変化があって終わる印象です。
2-4.フタリシズカかりこる
コント。気になる人から電話が来たため、ボイスチェンジャーで声を変えて対応するネタです。
ボイスチェンジャーでどんな声にするかがネタの核となっています。声を変化させる、会話中に声を変える、マシントラブルで声が意図しない変化をする、など声の変化で起こり得る現象を一通り見せてゆきます。終盤で相手が怪しい勧誘を始めたところは、声がコロコロ変わってもどうにか食らいついて話をしてきた理由のひとつになっていると思われます。
3.Cブロック
3-1.河邑ミク
コント。学校のテストでカンニングをしまくるネタです。
どのような格好でカンニングしてゆくかという一点で攻めていく形となっています。終盤には告白をいわゆるフリにして堂々とカンニングすつという変化をつけています。
3-2.エルフ
コント。ギャルが携帯ショップに行き、失礼な店員を見て自分の態度を改めるネタです。
「ギャルが正面を向いて自分が理解したことを叫ぶ」という行為で区切りをつけてゆくコントとなっており、また叫ぶ行為はオチとしての役割も果たしている場合があります。そのスタイルを繰り返しつつ、後半でちょっといい話を挟んで流れを変えてからオチに至るという構成はかなり王道寄りとなっています。
3-3.紅しょうが
コント。ゴミ捨て場で酔いつぶれた人と、酔いつぶれたフリをして男性を引っかけようとしている人のネタです。
まず酔いつぶれた人を出し、続いて酔いつぶれたフリをした人を出し、そのふたりが喧嘩をしつつも人物の背景を少し出して互いに打ち解ける流れとなっています。割と普通の場面から始め、序盤でちょっとひねり、後半でいい話を持ってきて終盤で落とすという王道的な構成がエルフと若干似ています。
3-4.にぼしいわし
漫才。攻めた水族館を紹介するネタです。
こちらも内容はM-1グランプリ2022の予選3回戦のネタとほぼ同じです。
考え方や切り口を牽引力にして観客をネタに引き込んでいく形となっています。
4.最終決戦
4-1.紅しょうが
漫才。怒っている人よりも怒ることで相手をスッキリさせるネタです。
こちらも内容はM-1グランプリ2022の予選3回戦のネタとほぼ同じです。
「怒って人よりも怒ってみせる」というシステムが特徴的ではありますが、怒ってる内容はいわゆる「あるあるネタ」の範疇でございまして、変形型あるあるネタと言えます。ハードが特殊だけどソフトは王道と言った感じです。
4-2.天才ピアニスト
コント。母親がつらい団欒からの逃避にVRを持ち出してくるネタです。
「どんなVRを見ているか」で勝負するネタではあるんですが、VRの内容を全く見せなかったり、1本目と同様、登場人物のひとりを誰も演じず観客の想像に任せる形にしているところがやや特殊です。
4-3.ヨネダ2000
コント。動物と会話できる人がやって来るんですが、その人が巨大なモヒカンだったというネタです。
モヒカンメインの話にはなっているんですが、何気に吹き替えの感じがとてもうまくできています。最後はダンスになってまして、今回唯一、1本目をフリにしています。
今回の感想は以上です。ではまた。
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