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本当にある不思議な桜の品種名

 ネットで桜を見ていたら、いろんな品種があると知ったんです。しかし、中にはものすごく独特と申しますか、不思議な名前の品種もちょこちょこありましたので、軽くまとめてみることにしました。

 参考にしたのは、ウィキペディアと「日本花の会」の「桜図鑑」です。

 上記のサイトから不思議な品種名をピックアップしてみました。では、早速参ります。


1.アメリカ

 国名をそのまま桜の品種名にしています。アメリカで栽培されていた桜から作った品種ではありますが、アメリカのどこの桜かは諸説あるようです。最初は「曙」と呼ばれていたようですが、同名の品種が既に存在していたため、アメリカに振り切ったとのこと。

2.早晩山

 四股名のようなこの品種名は「いつかやま」と読みます。東京都における桜の名所として知られる荒川堤で栽培されていた品種ですが、名前の理由は定かではないとのこと。花びらの中央に紅紫色の線が1本入る特徴があります。

3.鬱金

 うんこと読み間違えられる危機を常に持っている鬱金うこんが桜の品種にも採用されています。名前の由来はウコンで染め上げた色に似ていることからで、その黄色がかった花びらに特徴が見られます。都内の桜の名所、荒川堤で栽培されていた品種とのこと。

4.ウミネコ

 ウミネコは日本、ロシア、朝鮮半島、台湾、中国などで生息が確認されている鳥でございまして、鳴き声が猫に似ているのが由来とされています。それをそのまま桜の品種名に取り入れたようなんですが、どうしてウミネコにしたのかは不明です。ヨーロッパの桜であるマメザクラとオオシマザクラを掛け合わせた品種とのこと。

5.エレガンスみゆき

 何となくモノマネ芸人を思い起こさせる名前です。なぜかは自分でも分かりません。名前の由来も軽く調べた限りでは出てきませんでした。品種を登録した方のお名前は判明しましたが、みゆきさんではございませんでしたし、エレガンスかどうかは不明です。

6.オカメ

 由来はあのお面でお馴染みのオカメで問題ないようですが、なぜオカメを名前に採用したのかは不明です。イギリスの研究者が作った品種でございまして、花がたくさん咲く割に木が大きくならないので鉢植えや庭木に用いられるそうです。

7.クルサル

 猿をおびき寄せる品種かと一瞬だけ思ってみましたが、やっぱりそんなことはありませんでした。こちらの品種はイギリスの研究家がオオヤマザクラと千島桜を交配させて作ったもので、ふたつの学名を合わせたようです。調べたら千島桜が「Cerasus nipponica var. kurilensis」、オオヤマザクラが「Cerasus sargentii var. sargentii」でございまして、kurとsarを合わせてkursarとなったようです。猿っぽくなったのはたまたまなんですね。ただし、現在はオオヤマザクラではなくカンヒザクラを用いたのではないかと考えられており、それに基づいて名前をつけるとサル(sar)の部分が別の言葉に置き換わることとなります。

8.血脈桜

 ものすごい名前ですが、血脈は極楽への手形とされているものなんだそうです。北海道は松前町にある光善寺の境内に原木がございまして、桜の木を切ろうとした時に桜の精が女性に姿を変えて現れ、「私は近々死ぬ身の上です。どうか血脈をお授けください」と言った血脈桜伝説に由来しています。

9.シュミッティイ

 桜には学名をそのまま品種名にしているパターンがございまして、中でもこれが一番訳が分かりませんでした。由来も調べたんですが、今のところは不明です。西洋実桜とプルヌスカネッセンスを掛け合わせた品種だそうです。つまり、「西洋実桜×プルヌスカネッセンス=シュミッティイ」ということで、ますますよく分かりません。ちなみに、次に訳が分からなかったのは「ヒュペヘンシス」で、こちらはベルギー産の桜とのこと。

10.親鸞上人数珠掛桜

 偉大なお坊さんの名前が入っている上、漢字がたくさん並んでいるため、ありがたいお経の一部のようにも見えます。北海道の松前町にある法源寺で発見された品種であり、最初は「法源寺紅菊桜」という仮称がつけられていましたが、なぜか現在はこのような名前で呼ばれています。理由は不明です。ちなみに、「梅護寺数珠掛桜」という品種もございまして、こちらは梅護寺にて親鸞上人が数珠を桜の枝に掛けて仏法を説いたところ、以降は毎年数珠のように花が繋がって咲くようになったという言い伝えからきています。こっちのほうが「親鸞上人数珠掛桜」な気がするんですが、どうして法源寺の桜がこう呼ばれるようになったのかは分からないようです。

11.太白

 読みは「タイハク」で、これ自体は割と普通の名前なんですが、「車駐くるまどめ」という駐車場みたいな品種と同じだという説がございます。つまり、同じとされる種が不思議な名前という形なわけです。一時は日本からなくなってしまった品種のようですが、イギリスに残っていた木を再び日本に根付かせたようです。

12.ポンドC

 桜の品種でアルファベットがドンと入っているのはこれくらいでした。ベルギーから導入された品種とのことですが、名前の由来は不明です。ポンドはもちろんですが、Cが本当に謎です。

13.御車返し

 相撲の決まり手か柔道の技みたいな品種名です。こちらも荒川堤で栽培された品種とのこと。名前の由来は、後水尾天皇が花の美しさに御車を返してご覧になった説など、諸説存在しています。ちなみに、「御所御車返し」という、御車返しの上位互換技みたいな品種名もありました。

14.蘭蘭

 読みは「ランラン」です。パンダみたいな品種名だと思ったら本当にそうでございまして、上野動物園のパンダ「蘭蘭」の死を悼んで名づけられました。ただ、一応は品種的にも蘭の字が絡んでおりまして、交雑に「白蘭」を用いられているとのこと。

15.おわりに

 いかがでしたでしょうか。桜の品種は非常にたくさんあり、その中には当たり前のように不思議な名前が紛れておりました。

 今年のお花見でも、そんな不思議な品種名の桜をご覧になる方がいらっしゃるかと思うと、いつもとは少しだけ違う桜の楽しみ方ができるかもしれません。

 今回は以上となります。ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

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