本当にある、不思議な学科・コース名①　カタカナ編

　何の気なしに全国の高校一覧を眺めていたのですが、学科やコースの名前が思ったよりも多彩で、普通科しかない高校出身の私は度肝を抜かれました。気づけば北から南まで高校のコースを調べ回ってしまい、せっかく調べたのなら紹介してみようと思い立ちました。ブログにも載せているものではありますが、ご挨拶代わりにこちらにも載せてみます。

　学科およびコースの名前は以下のサイトに載っていたものを参考にしました。
https://jyuke-labo.com/koukoujyukentaisaku/hensachi/

　学科・コースの説明を書くにあたり参考にしたサイトも各学科・各コースに載せてあります。中高一貫校もありますが、今回はあくまで高校の学科・コース名をまとめたので、学校の名称は「高等学校」としてあります。

　厳選したものの数が多くなってしまいましたので、ジャンルごとに記事を分けて紹介しています。ここではカタカナ表記の学科・コース名のうち、独自性を放っているものを選んでみました。

1.ステラ・マリス（海星高等学校）

　海星という名前の高校は三重県と長崎県に存在しまして、こちらは長崎県にある高校であります。ステラ・マリス（Stella Maris）はウィキペディアによると、キリストの母マリアの、昔の呼び名とのこと。カトリック系の高校であることが関係していると思われます。ちなみに、札幌光星高校はステラとマリスを分離させ、それぞれ別のコースにしています。

出典
https://www.kaisei-ngs.ed.jp/kaisei-koko/education-system/
https://www.sapporokosei.ac.jp/high_school/page.php?id=22
https://www.sapporokosei.ac.jp/high_school/page.php?id=27

2.バタビア（大谷高等学校）

　「バタビア　マスタークラス」「バタビア　グローバルクラス」「バタビア　コアクラス」という3コースが存在しますが、いずれにも燦然と輝くバダビアの文字であります。併設している中学校にて、バタビア市の教育方法「バタビアシステム」を日本で初めて導入しているため、それに因んだ名前にしていると考えられます。

出典
http://www.otani.ed.jp/shidou/shidou.html
http://www.otani.ed.jp/syoukai/rinen.html

3.トレイト（堀越高等学校）

　「特性」を意味する英単語「trait」から来ているものと思われます。堀越高校はプロとして活動している芸能人やスポーツ選手のように全日制の高校に通うことが困難な生徒を積極的に受け入れており、当コースが主な所属先となっているようです。最近は大学進学も増えている模様。

出典
https://www.horikoshigakuen.ed.jp/?page_id=4353

4.カルティベーション（仁川学院高等学校）

　「カルティベーション（cultivation）」は「栽培」や「養殖」の他、「育成」や「修練」を意味する英単語であり、当コースも育てる方面の意味で用いているものと考えられます。より難易度の高い大学を目指すコースは「カルティベーションS」となっています。

出典
https://www.nigawa.ac.jp/high/education/high_cultivation_course.html
https://www.nigawa.ac.jp/high/education/junior_cultivation_course.html

5.アストラインターナショナル（暁星国際高等学校）

「インターナショナル」はともかく、難解なのは「アストラ」です。ウィキペディアによると「アストラ（astra）」はラテン語で「星」「星座」「天」を意味する名詞「astrum」の複数形とのこと。語学教育とサッカーに特化したコースで、同校はサッカーの強豪校としても知られています。他にも同校は「ヨハネ研究の森」という名前とシステム、共に特殊なコースがございます。

出典
http://www.gis.ac.jp/secondary/astra-international/
http://www.gis.ed.jp/

6.ラトナディア（大成高等学校）

　大成高校は東京都と愛知県に存在していまして、こちらは愛知県の高校です。「ラトナディア」は「ラトナ（ratna）」と「アイデア（idea）」を組み合わせた造語で、ウィキペディアによるとラトナはサンスクリット語で「宝石」を意味するようです。

出典
https://www.aichi-shinwa-taisei.ed.jp/high/education/#panel1
https://manavinet.com/sansaku/cyubu/cyubu_7.html

7.サミッティア（愛知啓成高等学校）

　こちらも単語組合せ系の造語でして、「頂上」を意味する英単語「サミット（summit）」に「アイデア（idea）」をくっつけたようです。

出典
https://www.keisei.ed.jp/education/course01.html

8.アカデメイア（立命館守山高等学校）

　こちらも後ろに「idea」をくっつけたようなコースに見えますが、どうも様子が違うようです。ウィキペディアによりますと「アカデメイア（Ἀκαδημεια）」は古代ギリシアに存在していたとされる、英雄アカデモスの聖林に因む神域だそうです。なぜそれをコース名にしたのかは、軽く検索した程度では分かりませんでした。

出典
http://www.ritsumei.ac.jp/mrc/education/high/

9.ウィステリア（京都女子高等学校）

　こちらも後ろに「idea」をくっつけたようなコースに見えますが、やっぱり違うようです。「ウィステリア（wisteria）」は「藤」を意味する英単語となっています。京都女子高校は京都女子大学の付属校であり、藤は京都女子大学のシンボルとなっているようです。つまり、同コースは京都女子大学への進学、即ち内部進学を前提としたコースとなっているため、このような名前になっていると考えられます。ちなみに、京都女子大学内にある書店の名前もウィステリアのようです。

出典
https://kgs.ed.jp/high_school/wisteria
https://twitter.com/kyotowisteria_c

10.ダブルディプロマ（大阪学芸高等学校）

　ウィキペディアによると「ディプロマ（diploma）」は高等教育機関より発行される卒業証明書や業績証明書とあります。同コースは大阪学芸高校とカナダのブリティッシュコロンビア州、ふたつの高校卒業資格が取得できるようになっています。

出典
https://www.osakagakugei.ac.jp/senior/course/international-course/double_diploma

11.ジェネラルスタディ（聖和学園高等学校）

　「ジェネラル」のせいか将軍を養成するコースにも見えます。「ジェネラル（general）」は「将軍」の他にも「総合的」「全体的」「一般的」のような意味合いもあるため、そちらから来ているものと予想されます。

出典
http://highschool.seiwa.ac.jp/curriculum/general/

12.スーパープレミアム（目黒学院高等学校）

　常識に凝り固まった私としてはビールしか思い浮かばないコース名ですが、当然そんなことはないでしょう。「プレミアム（premium）」は本来、正規料金に追加される割増金、いわゆる「プレミアがつく」のような意味の他、「高級な」「上等な」の意味もあり、こちらから来ている名前だと思われます。目黒学院高校には「スーパー」がついていないノーマルの「プレミアム」コースもあるようですが、敢えてインパクトのあるほうを選びました。

出典
https://www.meguro.ac.jp/high/school/course/

13.プロアクティブラーニング（玉川学園高等部）

　先入観でしか物が見れない私としては化粧品しか思い浮かばないコース名ですが、それは考えづらいでしょう。「プロアクティブ（proactiv）」は「積極的に」を意味する英単語であり、積極的な学習を目指すコースだと推察されます。もちろん、ザ・プロアクティブカンパニーの化粧品ブランドとは無関係でしょう。

出典
https://www.tamagawa.jp/academy/lower_upper_d/about/

14.パワー（上宮高等学校）

　シンプルながら、学校のコース名には意外と選ばれない単語です。ちなみに上宮高校の校歌は法然の詠んだ歌であり、日本一短い校歌として知られます。シンプルなコース名に通ずるものがあるのかもしれません。

出典
https://www.uenomiya.ed.jp/high/

15.おわりに

　カタカナの名前で特徴的だったものは以上になります。名前の由来が分からなかったものは推測での説明になりましたが、当然ながらキチンとした理由に基づいて名付けられているでしょう。判明次第、加筆修正していくつもりです。

　では今回はこの辺で。ここまでお読みいただき、ありがとうございました。次回はひらがな表記で印象深いものをご紹介します。