鹿島の神々をトンテキに見た日。サッカーと酒を求めて中野坂上の路地裏へ
路地裏。
文字通り、路地の裏であることを示しますが、酒飲みにとってこの言葉はホッと一息つけるような、お家に帰ってきたような安心感を与えてくれる響きであります。
ここは東京の中野坂上。日本随一の歓楽街である新宿からは徒歩圏内にありながら、住宅街然とした静かな佇まいを見せる街です。
ぼくはサッカーをあてに酒を飲むさいお。日々、酒場を求めて、珠玉の一皿に舌鼓を打ち、酒を飲んでは街をさまよい歩く酒呑童子です。
一日が終わり、疲れを癒やしたくて、少しでも明るい明日を迎えたくて、今日も酒場へとたどり着きました。この日は8月終盤で涼しくなったといえども、まだまだ残暑が厳しい日で喉はカラカラ。早く、一刻も早く、ビールが飲みたい!
中野坂上駅より徒歩5分くらいの路地裏。酒場食堂とんてきの白提灯の優しい光がぼくを出迎えてくれます。お店のサイトを読むと、岐阜県出身の女店主がひっそり営んでおり、鹿島アントラーズを長年応援し続ける酒場なんだそうです。
情報誌的なインフォメーションはここらへんにして、おつまみ2品とアルコール2杯を1100円で楽しめるという「晩酌セット」を注文。もちろん最初の一杯は生ビールです。
目の前に運ばれてきたのは、黒地の丸に黄金の星と「SAPPORO」と銘打たれたジョッキ。注がれた黄金の液体の美しいことよ。矢も盾もたまらず、それを喉に放り込んでやると、閉じた瞼の先に神主が降り立ちます。
おやおや?
お祓い棒を左右にゆっくりと振っているではありませんか。すると、労働にやられた身体の穢れが祓われていきます。ホップの苦味とゴクゴクとした喉越しが今宵の号砲を鳴らしてくれました。おつまみ2品もしっかりおいしいです。
さあ、次はお店の名前にもなっているトンテキだ!
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