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信州の民が行く、アツき大阪!~飯とビールと初めてのパナスタ~


汗をかく、なんて可愛いものじゃない。
頬を伝う雫がTシャツに滴る。

この時期、私は化粧を諦める。恥ずかしいほど汗っかきで、現代の美容技術では太刀打ちできないので、いっそしないほうが見栄えが良い気がしている。

とはいえ、ここは大都会。
ノーメイクで外出するのは、地元の田舎に比べてずっと勇気が必要だ。

パナソニックスタジアム吹田へ、大阪ダービーを観戦
に行く。しかし、蒸し暑さと流れ落ちる汗に、はやばやと心が折れそうである。

目的地までは、電車とモノレールを乗り継いで1時間ほどかかる。


信州松本に在住する私、薄荷はっかは、暑さにとことん弱い。

なのに、梅雨明けしていよいよ夏本番という7月。大阪に、サッカーを観に来てしまったのだ。


パナスタには、まだ行ったことがなかった。
J1クラブ同士の対決を現地で、というのも新鮮だ。ご贔屓にしている松本山雅FCが2019シーズンに在籍していたとき以外は、観戦したことがないのだ。

J3で信州ダービーがアツい今年。
「J1でのダービーは、どんな様子だろう」と関心を持ったのが、今回の動機である。

熱き戦いを肌身に感じ、ついでにうまいもんが食べられたら最高だ。

邪念まじりの心意気で足を運んだものの、湿度の高い関西地方ならではの蒸し暑さにやられ、宿泊地を出て5分でダウンしそうだった。

大阪市内に暮らす同行者に手を引かれるまま、ふらふらとついていく。暑くて頭がまわらないので、道案内を丸投げした。なんで、この人は平気で歩けるのだろう・・・・・・。
私が弱すぎるのか。避暑地である信州の夏ですら毎年へばっている私には、やはり無謀な旅だったのか。

こんな調子で、パナスタに辿り着けるのだろうか・・・・・・。


Jリーグを追いかけていなかったら、好き好んで夏の大阪に来ることはなかっただろう。
せっかくの機会なのに、ダウンしている場合ではない。雷雨での観戦にすら楽しみを見出してしまう私に、きっと怖いものなどないはずである。

気を取り直して、今日も楽しもうじゃないか。

この記事の著者:
薄荷(はっか)
松本山雅FCに恋して人生が激変したサポーター。西葛西出版のマルチクリエイターとして成長すべく日々奔走中。欲しいものは二輪免許。『すたすたぐるぐる 静岡編』では、バイクの後席に乗って伊豆を一周する企画で執筆予定。

主な執筆記事:
山雅が観たくて生きている。いちサポーターの私が、松本山雅FCで救われた話
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