OWL magazine編集長就任のお知らせと、「不思議な育児」のお話
ようよう暑くなりまして、脇の下も汗ばむこの季節、いかがお過ごしでしょうか? ろくに外に出る気がしない梅雨、自宅のソファに腰をドカッとおろして飲むお酒が大好きな斉尾です。
タイトルでお察しかもしれませんが、姉さん、事件です。いや、ぼくには姉がおらず、妹が2人いるんですが。それでも世の姉さん兄さん、いつも酒を飲むばかりのぼくが弊メディア「OWL magazine」の編集長に就任してしまいました。
折しも、OWL magazineは信州絶賛、旅情刺激、百花繚乱、廻廻奇譚な『すたすたぐるぐる 信州編』を発売したばかり。おやき片手にぼくもモグモグ読んでしまいました。
2022年上半期を代表することになるであろうサッカー本は、上記のリンクを5回くらいクリックし、購入いただきたいのですが! ですが、みなさん、ぼくは編集長になって何をやればいいのでしょうか……?
就任したてで、酩酊したオッサンのように右も左も分からない状態ですが、所信表明および意気込みをここに記しまして、親愛なる読者のみなさまに編集長として再びあいさつさせていただきます!
改めての自己紹介と、「不思議な育児」
このたび編集長に就任しました斉尾俊和と申します。齢は三十五、独身。鳥取県中部の厚生病院で産湯を預かり、幼き頃から鶏の唐揚げを愛好し、自堕落に肥え。
東京上京後はだらしないフリーター生活のち一念発起して編集者・ライターとして酒に酔い、酩酊しては路地裏で泣き、朝起きては二日酔いの虚空を眺める人生を送ってきました。
とまあ、退廃的な自己紹介はこれくらいにしときまして、今でもライターとして活動はしているんですが、ぼくは10年前から編集者としてもキャリアを積み重ねています。
業務内容は一言でいうと「何でも屋」。
最初に務めた編集プロダクションの編集者としては、コンテンツの企画をし、会議にかけては企画を揉み、企画が決まればライターさんやカメラマンさんを巻き込んで取材の計画を立て、ある時にはその人たちと景気づけに飲み。
取材当日には現場を仕切り、会社に帰ってきてからはデザイナーさんと紙面の構成を考え、深夜帰宅の際にはお疲れ様の杯を傾け、出来上がったコンテンツを取材先やライターさんなどの確認に回して校了までこぎつけて、祝杯を上げました。
いわば、コンテンツ制作に関わる全行程を担当する何でも屋といった業務内容で、スケジュール帳を片手にブラック労働をしてきたんですが、次に移ったウェブメディアでは、少し毛並みの違う編集者生活を送りました。
こいつ……動くぞ……!?
ウェブメディアの編集者なので、コンテンツを各スタッフさんと協力しながら作り上げる点は変わりませんが、なにか……ウェブメディアという「生物」を育てながら大人にしていく感覚で働いていたように思います。
ウェブメディアを育てるなかで、「あること」に気をつけなければ、なかなか育たないなと感じるようになりました。
どんな人に好かれていて、その人はメディアのどこを好きなのか?
メディアを見ている人はどんな生活を送っているのか?
その人たちとどう接したら、メディアを愛してもらえるのか?
どうでしょう? なにか社会貢献を義務付けられたヒトのような匂いがしないでしょうか? このヒトのイメージを、コンテンツやSNSなどの発信を通して形作っていくのは、不思議でおもしろくて、だけど怖くて不気味な感覚でした。ここ5年間は、こんなメディア運営に没頭する編集者として生活してきました。
編集長の打診、そして再びの「育児の決意」
ぼくは約1年半前からOWL magazineでライターとして活動しているんですが、こんなバックボーンもあったのか、ちょこちょこ中村慎太郎にメディアとしての施策や方向性を進言し、時には雨の文化センター「なかのZERO」で喧々諤々の議論を交わしたこともありました。
おそらく、約1年半という期間を経て、ぼくは「OWL magazine」という生物を好きになり、かつてのように没頭して育てたかったのではないのでしょうか。そして、ある日の編集会議で中村からこう言われます。
「斉尾さん、編集長やってくれないですか」。
ぼくは三日三晩、いや八日八晩の熟慮と深酒の末、再び没頭した「不思議な育児」をすることを決意しました。
この「不思議な育児」ですが、メディアを育てるにはライターそれぞれの向いている方向や信条を揃え、約束事やルールを決めなければ、いびつな成長をしてしまうことになります。
お母さんが子どもに21時以降は食事禁止にしてるのに、お父さんが22時にからあげクンを与えてしまっては子どもは太るばかりですよね。
編集長就任と前後して、ぼくは「OWL magazine ライターの道標 in Flight03」という資料をOWL magazineの仲間に向けて作りました。
OWL magazineが健やかに育つよう、多くの人に愛されるよう、執筆する仲間たちが迷ったときの道標になるようにと願い、大事に作った資料です。
内容はこれからみんなでブラッシュアップしていく予定なのですが、本日はこの資料の一部を公開して、編集長としてメディアとして、そしていちライターとして何を目標にOWL magazineを育てていくのかをお話しします。
ぼくたちの手で世界をつなげよう
資料を作るにあたって、OWLの仲間は何を目標に活動してるのか、みんなの記事を読み直して考えてみました。
週末になれば、ライターそれぞれが山に登ったり、チャリを漕いだり、酒を飲んだり、みんなが各々の楽しみ方で、全国津々浦々のスタジアムや地方を“すたすたぐるぐる“しています。
その珠玉の体験をもってして、筆に込める。そして、読者のみなさんにいろいろな世界を追体験してもらう。我がメディアながらステキなことをしていると、たまにしみじみ思います。
ですので、OWL magazineの日々の営みや、その根底に流れる哲学をしっかりと言語化したくて、上記のキャッチフレーズを考えました。フレーズの表現などはこれから変更があるかもしれないですが、これでOWL magazineは道に迷わず、すくすくと育っていくことでしょう。
マイルストーンも置いてみました
「サッカー ✕ 旅」を世界の文化にするために、大目標に紐づく2つの目標も立ててみました。
目標その一は、「すたすたぐるぐる」を発行する西葛西出版で著者になれるレベルまでOWL magazineで腕を磨くこと。月イチの連載を通して目指すところを、編集会議でみんなで話したことをベースに設定してみました。
一冊の本が書ける著者の登竜門かつ養成所として、OWL magazineは日々丹精込めた記事を送り出す。こんなことを整理して設けた目標です。
目標その二は、まだまだ規模が小さいOWL magazineのグロースについて。日本全国のサポーターたちに寄り添う「サポーター文学」を発信することで、世の中にどういうインパクトを起こしていくのか、具体的な手法と一緒に記しています。
時世柄、読者のみなさまはお察しの通り、定期購読が非常に危うい状況になっておりますので、ぼくたちはしっかりと現実を見据えてメディアを育てていくことを明示しています。
これまで記してきた目標がどう関係し、どうつながっていくかを表した図表です。最終目標を叶えるために中間目標があり、中間目標を叶えるために具体的なアクションがあるという相関図です。
図表の「具体的アクション」で何やらいろいろ書いてありますが、このアクションの内容はライターみんなで話し合って実践していければいいなと思う次第です。
フクロウを育てる「不思議な育児」、お楽しみに
編集長として、これからの方針や意気込みをつらつらと綴ってきましたが、ぼく個人としては忘れていけないことがあります。
それは、ライター・作家として筆力にもっともっと磨きをかけること。
編集長に就任したはいいものの、肝心の筆力の鍛錬がなおざりになったとすれば、メディアにも仲間にも自分にも不幸な結果となってしまいます。
幸い、メディア運営にまつわる多種多様な方針やルールを決めるのは、「何でも屋」の勝手知ったる分野ではあるので、引き続き精進しつつ、ライターとしても気を引き締めようという面持ちになっております。
編集長とライター、どちらにも相乗効果が生まれるよう、引き続きがんばっていこうと思います。ゲームを組み立てながら三列目あたりからゴール前に飛び込むインサイドハーフみたいなプレースタイルに憧れがあったので、斉尾はけっこう燃えております。
OWL magazineの成長曲線が右肩上がりになるよう、編集長として精進してまいります!
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サポーターはあくまでも応援者であり、言ってしまえばサッカー界の脇役といえます。しかしながら、スポーツツーリズムという文脈においては、サポー…