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【尾鷲式サウナ】「木を浴びる」サウナの魅力

こんにちは。やや順番が前後しましたが今回、三重県尾鷲市にて始動したサウナ製作プロジェクトの詳細をご紹介いたします。

昨年夏頃よりこちらのnoteでも少しずつプロジェクトの内容をご紹介してきました。まずは尾鷲の木材を使ってどんなサウナが生み出せるか。そしてそれをどんなメンバーと考えていくか。ゼロから検討を開始して3ヶ月ほど。熱い議論を交えてようやくひとつのビジョンを打ち立てることができました。

先日それを記者会見で発表しましたので、その模様も合わせてみなさんにお知らせしたいと思います。

コンセプト 木を浴びる

今回、ぼくらが掲げた尾鷲ならではのサウナのコンセプト。
「木を浴びる」
木の表面的な部分だけではなく、その内に秘める自然のパワーをカラダ全体で感じ取れるようなサウナをつくりたい。

今回プロジェクトメンバーには尾鷲の林業関係者をはじめ、木材に精通した設計士、木材を鮮やかにカタチにしていく木工士に参画する、木のプロフェッショナル集団でもあるのです。そんなメンバーのパワーと、ヒノキをはじめとした尾鷲古来の自然のパワーを掛け合わせた新たなコンセプトのサウナができるのではないかと考えるのです。

一方で、僕らに加えてサウナーもメンバーに加わることで、サウナーが何を求めているのか。どういったととのいがマーケットに受け入れられるものなのか、求められているものなのかを考察し、しっかりとプロダクトに落とし込んでいく。

こうした強いこだわりとそれの表現方法について、熱く議論できるメンバーが集まったからこそ導き出すことができたコンセプトだと思っています。

木を浴びる具体的な構想

さて、木を浴びるサウナとは一体普通のサウナとは何が違うのか。表面的な部分だけではない木の内に秘めるパワーとは何か。今回はサウナの3つのステージごとに構想のこだわりを持たせましたのでご紹介させていただきます。

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<あたためる> 生木サウナ

ここでのこだわりポイントは「木の水分」。これをカラダ全体で感じてもらえるものにしたいと思います。木は切り出した瞬間のものは、全体に多く水分を含んでおり「生木」と呼ばれています。建材などに使用するには水分が多いと腐りやすいなど耐久性に劣るので、原則生木を乾燥させ、水分を飛ばすことで耐久性を持たせています。その木から出る水に注目しました。

生木から出る水分は実はとても肌に良い!生木乾燥の際に抽出された水分を集めたものを化粧水代わりに愛用している女性もいるほど肌に良いのです。サウナって高温であるのはあくまで体をあたためることに目的があって、髪や肌が痛むのは避けたいですよね。サウナハットが最近流行ってきているのもこうした背景があってのことだと思いますが。まさにこの生木から出た水分をサウナ室内に広げていく。体はあたためつつも、木の水分で潤っていく。そんな空間を目指したいと思います。

生木の水分を浴びるためには、サウナ室内に生木をふんだんに配置すること。輪切りしたものや、サイコロ状にカットしたものなどそのやり方は如何様にもあります。これは今後試作品を製作してあらゆるプランを実証して、最も良い生木の水分の浴び方を導き出したいと思います。

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<ひやす> 木材部屋

さて、サウナに入った後といえば、サウナーのみなさんにはお馴染みの水風呂!最近のサウナは水風呂の種類もたくさん出てきていますよね。水風呂といったらなんといってもしきじさんの天然水の掛け流し!地場の水を使ったり、流水にして体感温度を下げたり、間接照明を施しておしゃれにしたりとあらゆる水風呂が今誕生しています。

そんななかぼくらが今回木を浴びるサウナで提案したいのは水に浸かるのではなく、木に浸かるという感覚。冷えた木に囲われた空間を用意します。そこに身を鎮める。これが実は新たなカラダの冷やし方になるのではないかと考えるのです。単純に木に囲われた心地の良さと、気温の変化で冷やすのではない。サウナのととのいは交感神経と副交感神経の作用によって引き起こされるとしばしば言われておりますが、実は木材にはそれぞれ固有の香り成分を有しており、気分を高める香り成分を有する樹種と、鎮める香り成分を有する樹種が存在するのです。鎮める成分を有する、有名な樹種で言うと「杉」なのですが、こうした樹種で囲われた香り高い部屋に身を置くことで新たなカラダの冷やし方ができるのではないかと考えています。
これは実際に体感できたらかなり面白い取り組みだと思います!

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<しずめる> 尾鷲の絶景に身を置く

さて、最後は恒例の外気浴です。都市部を中心にサウナ施設の改良が多くなされているのですが、実はまだあまり手を加えられていない分野が外気浴だと個人的には感じています。都市部だとどうしても面積を取りにくい部分ではありますが、どこも狭くて窮屈な印象。壁で四方を囲われあまり自然と溶け込んだ感覚にはなり得ないです。裸でいる以上、あまりにも開放的な空間に身を置くことは難しいのは確かですね笑

とはいえ、外気浴はもう少しゆとりを持たせ、チェアからこだわってもいいと思います。サウナ室以上に時間を使う部分でもありますので、ここでの居心地の良さというのが、サウナのととのい、満足度の重要な部分だと思います。一人で思考を深めたい人もいれば、ゆったり仲間と語り合いたい。そんなニーズも外気浴では求められていると思います。そんなニーズを海と山に囲われた尾鷲の中心地で存分に体感してもらいたい。特に熊野灘の雄大な抜ける絶景と、紀伊山地の厳かな絶景を気分に応じて見渡せるような外気浴空間を導き出したいと考えております。外気浴中に木の葉から抽出した専用ドリンクを飲み、失われた水分やミネラルを補給する。そんな仕掛けがあってもいいんじゃないかと思っています。

以上、木を浴びるサウナの構想、こだわりポイントをご紹介させていただきました。ついつい語りすぎてしまいましたので、記者会見の話などは別記事で書かさせていただきます。

暑いサウナ室に入って、冷たい水風呂に入って、外気浴をする。もちろんこれはぼくらも愛してやまないサウナの根本なのですが、今回の木を浴びるサウナはこうした既存のサウナとは異なる、新たなととのい方が提案できればいいなーと考えています。今はあくまでアイデアベースの部分が多いですが、今後実証していくにあたりこれらをしっかりとプロダクトに落とし込んでいきたいと思います!

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