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「星刺」やりたかったんです。(ギンガムステッチ)

 こんにちは! owarimao です。レース編みをしながらほかの手芸にもちょこちょこ手を出しております。
 先月「ボタン刺繍」について書いたとき、昭和29年の雑誌付録を見ていただきました。この中に「新しい刺繍の誌上講習」という記事があり、服の装飾に使えそうな刺繍の技法が8種類も紹介されていました。

 「ボタン刺繍」もその一つでしたが、ほかに「星刺(ほしざし)」というのもありました。

『主婦の友』 昭和29年付録

 格子縞(チェック)の交叉点を利用して刺した、かわいゝ刺繍。
 子供服の胸元やヨーク、ポケットなどにあしらえば、お子様の愛らしさは一そう引立つでしよう。
 無地物に応用する場合は、チョークなどで格子縞を引き、交叉点に刺繍してから、チョークを消します。

  これを見てすぐ思い出したのは、下田直子さんの刺繍のバッグです。下のような本に、茶色のギンガムチェックにダブルクロスステッチを施したすてきなバッグが掲載されています。
 (「星刺」のほうはダブルクロスじゃなく、ストレートst.を8回刺して星型にしてありますけど)

文化出版局、1999

 「ギンガムチェック+クロスステッチ」の作品はほかにも見たことあるので、少し調べてみました。最近は「ギンガムステッチ」などと呼ばれて、けっこう人気があるようです。作品集も出版されていることがわかりました(思わず注文してしまいました)。
 そんなこんなで「星刺」をやってみたいと潜在的に思っていたところ、うちの布団カバーにいくつかの破れや綻(ほころ)びが見つかりました。
 これはやるしかないでしょう!
 「なるべく家にあるものだけで」と常々思っていますが、ブルーの糸は適当な色がなかったので、新たに買ってきました。

 小さな部分で試したところ、4本どりでは太すぎ、2本では細すぎるようでした。大きい「患部」には3本どりで刺すことにします。
 綻びた部分に「当て布」として、下のような接着テープを当てることにしました。小さな穴には有効です。

 ただ、大きな破れにもこのテープを使ったのは失敗でした。布が思ったより傷んでいて、幅の狭いテープでは足りなかったんです。アイロンでの接着も不十分だったみたい。
 「刺すことでかえって破れが広がる」というサイアクの事態を招いてしまい、焦って挽回を試みるも……どう見ても汚くなってきたので、仕方なく表からもテープを並べて貼って「補強+目隠し」をしました。初めからもっと広範囲に接着芯を貼るべきでした。
 テープを貼ったところは針が通りにくい。かんじんのギンガムの織目が見えない……。
 しかも直そうとしている場所は、袋状になった布団カバーの中でも奥のほうに当たるんです。その部分に刺繍枠をはめるだけでも、布の山をかきわけるようにしなくちゃならない。布の裏を見ることもろくにできない。
 刺繍初心者にはなんとも厳しい、過酷なコンディションでした。
 「ギンガムのマス目に刺すだけだから簡単!」という考えのいかに甘かったことか。

 それでも数時間の悪戦苦闘のすえ、なんとかまとまった形を刺し上げることができました。ごらんのように細かいチェックなので、ギンガムの織目は9目を1単位として刺すことにしました。絵にするとこんな感じ↓

 刺繍の上手な方からは笑われてしまいそうな出来栄えですが、今回は「とにかくやった」というだけで良しとしておきます。

 慣れてきた頃に出来上がってしまいました。もっとやりたいです。

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