全てどうでも良くなった
ここは東京
今日も仕事を抜け出した
しかし、抜け出しても状況は変わらない
ここも東京
この街には何の証拠も残さず人々の首を絞め殺す完全犯罪性がある
出そうになるため息を我慢する
少しでも気分を変えたいと向かったのはいつものカフェとは反対の方向
旅でもすれば見えざる手から逃れられるのだろうか
しかし、頭に浮かんだのは憂鬱な帰り道
相当参っている。
帰り道しか浮かばない奴があるか。
ただ「旅行」ではなく「旅」と考えてしまうのはやはりどこかに憧れがあるからだと考察する
分かっている。
はずだった。
ふと顔をあげた瞬間、我慢していたはずのため息が漏れた。
「何?ここ…?」
東京の真ん中に。
「東京自由学園」
東京・自由
私の中で対義語とも言える言葉が隣り合わせに睦ぶ様子に思考が止まる。
以前思考は止まったまま。
しかし、心の中には差し込む光とそよ風
そのそよ風にそっと背中を押され、仕事に戻った。
週末は旅に出ようと思う。
交際費と言うことでお預かりいたします。全力でお応えいたします。