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コットンメソッドって何?言語がすぐに誰でも話せるようになるってホント?

新しい時代の言語学習:コットンメソッドの魅力

言語は難しい。それは大海原を漕ぎ出す一つの船のようだ。漕いでも漕いでも陸が見えないように思えることがないだろうか?それでも、なんとしてでも、もっと効果的な言語学習法を知りたいと思うこともある。そんなとき、あなたももしかしたら聞いたことがあるかもしれない、コットンメソッドという名前を。

コットンメソッドとは、あるボランティア団体の間でまことしやかに語られている言語学習法だ。なんとこのコットンメソッドを使うと、言語嫌いでも短時間で外国語を話すことができるようになるというのだ。本当なのか?この記事では、コットンメソッドとは何かを調べてみたいと思う。

脳に基づいた教育のマジック

コットンメソッドとは、ハリー・コットン博士によって開発された言語学習法である。ハリー・コットン博士は、私たちが語学学習で考えるような座って勉強する形だけに頼らず、体をアクティブに動かす学習を重視することを提唱した。そして彼は、脳がどのように言語を学習し記憶するかという神経科学の理論に基づいて、最も効果的な40以上のメソッドを編み出した。

この方法の特徴は、講義を聴くだけでなく、実際に動いて学ぶことだ。コットン博士は、座って学ぶことが脳にとって最悪の学習方法であるとし、実際に体を動かして学習することで、脳に行く酸素や神経伝達物質の流れを促進することが重要だと強調している。また、ユーモアを取り入れた実践的なセッションが含まれており、受講者が楽しみながら学べるようになっている。

コットンメソッドの実態

コットンメソッドは、有料もしくはボランティア団体内でのみ無償で公開されている。その内容を真に知るためには、授業料を払ってその講義を受講せねばならない。興味のある人はこちらのリンクから受講することができる。

しかし、受講料は8万8000円と目が飛び出るほどの高額である。言語は金食い虫だとはよく言ったものだ。言語にお金を投資してもそれが還ってきた試しはない。

授業の様子と学習法

雰囲気だけでもコットンメソッドがどんなものであるかを知るべくネットを調べていると、あるブログ記事がコットンメソッドの授業の様子を一部公開した動画を上げていた。

この動画では、生徒は風船を使って新しい語彙を覚えている様子が映っている。日本人生徒がタイ語の「トイレはどこですか」というフレーズを覚える場面だ。二人の生徒が風船が落ちないように片手を使ってビーチバレーのようなことをして、風船を打ったら空中にある間に「トイレはどこですか」のタイ語を発音している。生徒の学習レベルに合わせて、単語→熟語→短文→長文と、レベルアップしていくようだ。この方法を用いると、頭脳は「活動」モードになるので、ニューロンの動きが活発化し、それが学習力と記憶力の潜在能力を高めることになるという。

実際の学習体験

私が教えてもらった方法は、4つほどのグループに分かれ、それぞれに動物を割り振る。最初のグループは自分の動物の名前を言うときにその動物の特徴をジェスチャーで示す。次に他の任意のグループの動物を発音し、特徴をジェスチャーで示す。その動物のグループは自分の動物を発音し、同時にその動物のジェスチャーをする。そして違うグループの動物を発音し、ジェスチャーする。

このように、体を動かして、時間制限やハラハラ感を持って行うので、脳が活性化されるのだろう。

私の感想

ここからは私の感想である。私はコットンメソッドを受講したことはなく、コットンメソッドによって言語学習をしていない。また、長く海外や言語と付き合うことから、幾人かのコットンメソッドを受講した人たちに会うことができた。しかし私が見たところ、コットンメソッドで勉強してきたという人たちが私よりも言語が上手だったという経験をまだしていない。

たしかにコットンメソッドは科学的に効果的な学習法なのであろう。しかし、言語の本質は、やはり継続した努力であると思う。そして、そんな努力をずっと行える一種の狂気(クレイジー)が言語を大成させるのだと思う。

私は思う、言語は誰にでもできるものではない。何も見えない大海原で船のオールを漕ぐという苦行を笑って行う変態だけが達成できると。しかし、頭が悪い、顔も悪い、運動もできない、そんな人間が一攫千金を願って飛び乗るエスポワール、それが言語なのだ。

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