ワーホリって本当に企業から評価されないの?!(その2)
こんにちは!本橋です。
前回の続きです。
企業はワーホリ参加者に対して好意的に見てくれる会社とそうでない会社があるという話をしましたね。
それはどういうことかというと、実は企業からすると、ワーホリがよい悪いという見方ではなく、
大切なことは、
留学中にどんな行動をして、どんな力を身に付け、それをうちの会社でどう生かしてくれるのか、貢献してくれるのか、という点に一番関心があるわけです。
これは、正規留学であっても、語学留学であっても、大切な点は、
その中身ということになります。
ということは、ワーホリであっても、上記の点をしっかり企業に伝えることができれば、企業に十分評価される可能性が高いし、反対に、正規留学をしても、その点をしっかり伝えることができなければ企業からの評価は低い
可能性があるわけですね。
その点を改めて認識していただければよろしいかと思います。
「どうしても生活費が必要なため、すぐにアルバイト先を探さなければならず、手っ取り早くジャパニーズレストランでサーバーの仕事を考えているのですが、帰国後、就職面接の際にジャパニーズレストランでのアルバイト
経験なんて評価されないですよね?」
というようなこともしばしば相談を受けます。
あなたはどう思いますか?
もちろん、面接時に、海外生活中にどんな活動をしていたのかという質問をされたとき、
「日本食レストランでウェイターの仕事をしていました」という話『だけ』で終わってしまったら評価されない可能性は高いでしょう。
前述したように、面接官が知りたいのは、この候補者が、留学中にどんな行動をして、どんな力を身に付け、それをうちの会社でどう生かしてくれるのか、ですと書きました。
そこで、あるワーホリ経験者が次のように言えたならどうでしょうか?
「私はどうしても生活費をすぐに稼がなければならなかったため、日本食レストランを選びました。しかし、そこで単にお客様から注文を聞いて食事を出すという一連のウエイターの仕事では生活費をある程度稼ぐことはできても、自身の成長度は低いと考え、自分の中で、『毎月●人、自分のフアン客を作る!』という目標を立て、そのための作戦を練り接客した結果、●か月間、連続で目標を達成できました。」
と答えられたらどうでしょう?
このように言われた面接官は、「この人は少し面白いかも」と思うかもしれません。この人は実際にどんな工夫をしてフアン客を作ったのかが気になるでしょう。しかもお客さんは外国人の方だと伝えていれば、日本食レストランといえども、なおさら面接官は興味を持つでしょう。
自分のフアン客作りは、単なる普通の接客で出来るものではありません。
お客様ごとに、前回の来店時にオーダーした内容を覚える必要もあるでしょうし、普段からお客さんにどんなことを話しかけ、人間関係を構築し、またお客様が喜んでもらえることを工夫して実践しなければなりません。
やはり、戦略が必要なわけですね。P・D・C・Aを回さなければならないわけです。(PDCAについてはまたいずれ解説します)
私の支援した方の中で、それをニュージーランドのあるレストランで実践して、お店での働きぶりをマネージャーから認められビジネスビザを取得した方もいます。
(もちろん、海外でビジネスビザを取得することは決して簡単ではないことも付け加えておきます)
ここで何を言いたいかというと、面接官は、その方が現地でどのようなコミュニティ(アルバイト先、ボランティア先、インターン先、地域の集まりなど)に属していたかが重要ではなく、そのコミュニティの中で、自分が能動的にどんな課題やテーマを持ち、その環境の中でどんな役割で、どんな行動をし、結果を出してきたかが知りたいわけですね。
さらに、その一連の活動の中で得た能力・資質を当社にどのように生かしてくれるか、が最も知りたいわけです。
単に人から与えらえたことや指示されたこと、決められたことをこなすだけの人なのか、あるいは、自分がいる立ち位置で、最高の成果を出すために、何かを考え、能動的に実行できる人なのかが知りたいわけです。
もっといえば、すべて状況が整った場所で成果を出す人よりも、状況が整わない場所で成果を出せる人を高く評価しようとします。当たり前ですよね?あなたが採用担当者であれば、どんな人を採用したかを考えればわかるはずです。
ですから、せっかく海外生活ができているのに、しばしば自分がいる周囲の環境について愚痴を言ったり、その環境や人間関係のせいで今自分がこんな状況にいると嘆いている人たちもいるのですが、そのような方には尚更、「すべて状況が整った場所で成果を出す人よりも、状況が整わないところで成果を出せる人が高く評価される。」ということを知って欲しいと思います。
あなたが今、状況が整っていない環境の中にいるとしたら、
まさに今、自分をアピールできるネタ作りの環境の中にいるということです。その絶好の機会を生かすかどうかはその人次第です。
上記の企業の視点は、外資系企業で長年、面接官をしてきた私個人の意見
だけではなく、多くの採用担当者が同じように考えています。
私自身は本業として、ワーホリの方を含め、留学生の帰国後の就職支援をしていますが、ワーホリから帰国された方で、自分の望む企業から評価され、キャリアチェンジに成功し、内定を獲得された方はたくさんいますし、決してワーホリに参加したこと自体が理由で就職活動が不利になったということはありません。
それでも、「ワーホリ自体を面接で否定された場合、どんな対策をすればいいでしょうか?」
と質問された方がいました。そのような時の企業への回答の仕方はいろいろありますが、それを伝える前に、私はその方に逆質問をしました。
「どうしてそのような会社にわざわざ好んで入らなければならないのですか?」と。
国内だけでも約400万社企業はあるのです。もちろん、すべての企業が採用しているわけではありませんが、求人情報を出していなくとも、実は、いい人材がいれば採用したいと考えている企業は、求人を出している企業数よりたくさん存在しているのです。
そのような企業の見つけ方とアプローチ法も今後触れていくかもしれませんが、いずれにせよ、
「ワーホリ」という単なるビザの種類の一つにしかすぎないワードを聞いただけで、あなたのワーホリ中の活動の話をじっくり聞くことなく、頭ごなしにそれを遊びだとか、経験自体を低評価する企業であれば、そこに行かなければいいだけの話だと私は考えます。なぜなら、多くのワーホリ経験者を就職支援している現場の人間として、ワーホリ経験を正当に評価され(もちろん、企業はワーホリ期間の内容だけで採用を決定しません)、内定を獲得しているワーホリ経験者を数多く見てきているからです。
そもそも海外生活は言語、文化、生活習慣が違う中で生活しなければなりませんから、やはりたいへんなのです。その面では、どんな留学の種類でも
同じです。それが分かっていない相手を説得する時間とエネルギーは勿体なくないですか?
今回は以上です。次回は、就職あっせん機関で、留学を否定されたら・・・について述べたいと思います。
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