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変形性股関節症②ー歩行ー

変形性股関節症と歩行に関して、文献をもとにまとめてみました。



歩行方法

代表的な歩行方法として2つ挙げられます。

トレンデレンブルグ歩行

トレンデレンブルグ歩行は、患側立脚期に遊脚側の骨盤が下制する状態です。一般的には患側股関節の外転筋力の低下などが原因に挙げられます。他の要因としては、体幹筋力の低下、股関節可動域制限、疼痛なども考えられます。

稲井卓真, 他. 変形性股関節症と歩行. バイオメカニズム学会誌, 46(4), 2022.


ディシェンヌ歩行

ディシェンヌ歩行は患側の立脚期において体幹が患側に側屈する歩行です。こちらも、股関節外転筋力の低下が主な原因とされています。トレンデレンブルグ歩行と異なる点は、股関節の被覆率を上昇させている戦略というところですね。

稲井卓真, 他. 変形性股関節症と歩行. バイオメカニズム学会誌, 46(4), 2022.


どちらの歩行も、他の関節などに通常よりも負荷を与えてしまい、特に隣接関節の機能低下や疼痛へつながりやすいです。
例えば、股関節周囲筋の筋力低下を体幹で代償した場合、腰椎が伸展位となり、腰部脊柱管狭窄症などへつながりやすいとされます。


逆トレンデレンブルグ歩行という歩行も、時折耳にします。その名の通りで、健側の骨盤を挙上して歩行するパターンです。ディシェンヌ歩行のさらに被覆率を上げた歩行ですね。

歩行と変形性股関節症のリスクに関して次回以降まとめます。

ではでは。



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