人工肩関節置換術
人口肩関節置換術は、肩関節の変形などがみられる人に対し行われている治療方法の一つです。腱板損傷の記事で出てきましたので、まとめてみました。
手術の適応
基本的には、変形性肩関節症の方が対象となります。日本人にはあまり多くないと言われていますので、自然と人口肩関節置換術の数も少ないと思われます。
手術の種類
人口肩関節置換術は、大きく二つに分けられます。
・解剖学的人工肩関節置換術(anatomic total shoulder arthroplasty:aTSA)
・反転型人工肩関節置換術(reverse total shoulder arthroplasty:rTSA)
です。
解剖学的人工肩関節置換術:aTSA
骨頭が上腕骨側に、関節窩コンポーネントが肩甲骨側に設置される手術です。その名の通り、本来の肩関節の解剖学的な状態に似ています。
大前提として、腱板機能(肩の安定化機能)が残存していないといけません。
脱臼しやすい肢位は、外旋位とされています。
肩の拘縮をきたしやすいので、ROM拡大が大きなポイントとなります。
反転型人工肩関節置換術:rTSA
rTSAは、骨頭が関節窩側にあります。簡単にいうと間接窩と骨頭が反転しています。
最大の特徴は、運動軸が内下方へ移動し外転モーメント・アームが大幅に延長し、外転筋力が大幅にアップすることです。
そのため、「奇跡の手術」とまで言われることがあります。
適応としては、aTSAで適応でない腱板が損傷しており安定化機構が破綻している患者などです。
脱臼しやすい肢位は伸展・内旋位です。rTSAは、aTSAより脱臼頻度が高く、より注意が必要とされています。
2014年に日本にやってきた手術ですので、今適応などのガイドラインなどが整備されている途中だそうです。今後増えてくる可能性もありますね。
術後の成績は?
術後の成績は、合併症、再置換術の必要性、可動域などには差がないとされています。
しかし、日本などでも最近導入された手術ですのでこれから術後成績の報告も増えてくる可能性がありますね。
以下の文献には手術の情報のみでなく、リハの流れなどが記載されていました。自分も勉強になりました。
ではでは。
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