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肘関節解剖学-靭帯-

肘関節には内外側に重要となる靭帯の複合体がありますね。
まとめました。


参考引用

坂田淳編集. 肘関節理学療法マネジメント機能障害の原因を探るための臨床思考を紐解く. メジカルビュー社, 2020.

肘関節の靭帯

肘内側側副靱帯(UCL)


UCLには
・前斜走線維(AOL)
・後斜走線維(POL)
・横走線維
が存在します。

AOLは
内側上顆前下方から、尺骨鈎状結節から遠位(幅広く、先細りしながら広い断面積)に停止します。
また
・円回内筋
・浅指屈筋
・尺側手根屈筋
・上腕筋
の共同筋膜がAOLを裏打ちすると報告されています。

POLはAOL付着部の後方から扇状に横走線維の深層に停止します。

AOLには肘の屈伸でも張力が変わらないアイソメトリック線維が存在しています。
またAOLには前部線維と後部線維が存在し、肘関節35°から100°まで前部線維の長さは一定で、後部線維とPOLは屈曲に伴い伸張します。
またAOLを前部、中部、後部に分けたとき
・前部:伸展時(最終域)に緊張
・中部:常に緊張(アイソメトリック)
・後部:屈曲位で緊張

制動に関しては
AOL:外反
POL:後内側方向の回旋


肘外側側副靭帯(LCL)複合体

LCL複合体は
・輪状靱帯
・橈骨側副靭帯
・外側尺骨側副靭帯
・ 副靭帯
から構成されます。

輪状靱带は橈骨頭を取り巻くように尺骨橈骨切痕の前後に付着、近位橈尺関節の安定性に寄与します。
橈骨側副靭帯は外側上顆から輪状靭帯、外側尺骨側副靭帯は外側上顆から尺骨外側回外筋稜を走行します。

肘関節屈曲時:外側尺骨側副靭帯が緊張、橈骨側副靭帯が緩む
肘関節伸展時:橈骨側副靭帯が緊張、外側尺骨側副靭帯が緩む

この2つの靭帯は内反及び後外側の安定性に寄与します。
またLCL複合体は回外筋、尺側手根屈筋と連結しています。


肘の靭帯もスポーツ障害などで損傷しやすい場所ですね。
他の筋との連結も認められているので、動的な安定性にも寄与していそうですね。

ではでは。

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