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腰痛への体操

腰痛への体操は昔から報告されており、教科書でも習うものもあります。どのようなものがあるのでしょうか。代表的な二つの方法をまとめました。


参考引用

千田益生, 他. 腰痛のリハビリテーション-運動療法を中心に-. リハビリテーション医学,2006; 43: 661―667.

Williams の体操

6種類の体操から構成されています。

①仰臥位で両膝を曲げて少し開く。両手を伸ばし膝の上を滑らすようにして、ゆっくりと上体を起こす。肩甲骨が持ち上がったら静止。

② ①から、腹筋に力を入れ腰椎部を下に押しつける。腰椎部より上はベッド上に押しつけ、殿部の筋を収縮させベッドから離す。

③ ①と同じ体位で、両膝を抱えるまたは片膝屈曲位で,片膝を両手で抱える。

④仰臥位で片脚屈曲位からから膝が伸展位になるように下腿を持ち上げる。足関節は0°、左右交互に繰り返す。

⑤両肘を伸ばし、片膝屈曲位,他方の膝は伸展位のまま体重を前下方へ移す。

⑥両足を10 cmくらい開いた立位から、頸部、胸部、腰部の順に屈曲し、同時にしゃがむ。腰部の筋が突っ張るまで身体を前に倒す。両踵は床につけておく。


千田益生, 他. 腰痛のリハビリテーション-運動療法を中心に-. リハビリテーション医学,2006; 43: 661―667.

McKenzie の体操

①腹臥位でリラックス

②両肘を立てる。この時、頸部〜殿部にはなるべく力を入れず、リラックスする。

③両手で支え肘を伸展、起き上がる。顎を引いて胸を張り、腰椎部に意識を集中させ殿部には力を入れない。

④全身リラックスし、10秒間静止する。

これらの一連の運動を 10 回行う。
過度な伸展は腰痛の悪化につながるため、注意しましょう。


千田益生, 他. 腰痛のリハビリテーション-運動療法を中心に-. リハビリテーション医学,2006; 43: 661―667.


代表的なこれらの体操は患者さんの運動指導として行うことも多いです。大きな違いはやはり腰椎の屈曲方向か伸展方向かだと思います。患者さんの状態に合わせて使い分けるといいですね。
この論文には他にもいくつか掲載されています。2006年の文献ですので、最近では他の方法も報告されているかもしれませんね。

ではでは。

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