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前十字靭帯損傷術後の膝伸展運動

前十字靭帯(ACL)の手術後は、膝周囲の筋力の向上がリハビリテーションの目標の一つになります。
膝伸展筋力は重要視される項目の一つであり、トレーニングにも組み込まれます。しかし、大腿四頭筋の収縮によるACLへの剪断力にも注意しなければなません。


ACL損傷後の膝伸展トレーニング

参考文献

Wilk KE, et al. Considerations with Open Kinetic Chain Knee Extension Exercise Following ACL Reconstruction. Int J Sports Phys Ther. 2021 Feb 2;16(1):282-284. doi: 10.26603/001c.18983. PMID: 34395052; PMCID: PMC8341750.

膝伸展筋力向上トレーニングでの考慮事項

膝の伸展筋力の向上へ向けたトレーニングはOKC、CKC含め多くの選択肢があると思いますが、シンプルに膝を伸展する運動も筋力トレーニングとして行われることが多いと思います。

結果として今回の文献で、考慮すべき項目として
・術後 6〜9 か月間、移植腱が成熟するまで、強い力での全可動域のOKC膝伸展運動は実施すべきではない。
・低負荷で実行されるOKC膝伸展エクササイズは安全である。
・膝屈曲90~40°の範囲で膝伸展運動はより安全である
・逆に膝屈曲40〜0°までの高負荷の膝伸展運動は、術後またはACLが弛緩している患者にとって有害となる可能性がある。

とされます。

また、ハムストリングスの共同収縮も重要であるとされます。しかし、等張性の膝伸展運動では、ハムストリングスの共同収縮は得られにくいとされます。移植腱がハムストリングスから移植されることもあるため、手術方法とその後のプロトコルに関しては情報の収集が必要となりますね。


脛骨の近位部を徒手的に抑え、剪断力を抑えつつ筋トレを行う場面を見ましたが、どこまで効果があるのでしょうね。
リハビリテーションが、治癒へ悪影響を及ぼさないように、特に再断裂を引き起こさないようにすることが重要ですね。

ではでは。


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