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手の外傷③

手の外傷や手術後のリハについてまとめました。


参考引用

酒井昭典, 他. 手の外傷後のリハビリテーション. Jpn J Rehabil Med 2017;54:601-608. 

徒手的な検査

術後の患者さんの手の状態を見る際に、徒手的な検査を行うこともあります。

内在筋

Bunnel Littler test(intrinsic tightness test)は、内在筋の緊張や短縮を調べます。

方法
MP関節伸展位にし、PIP 関節を他動的に屈曲させその抵抗を確認します。
抵抗がある→陽性

陽性の場合、MP 関節を屈曲位にし、PIP 関節が抵抗なく屈曲可能であれば内在筋の緊張ありと判断します。
MP 関節を屈曲位でも抵抗がある場合はPIP 関節そのものの拘縮と判断します。

支帯靱帯

retinacular ligament test は支帯靱帯の緊張(短縮)を調べます。

方法
PIP 関節を伸展位にし、DIP 関節を他動的に屈曲させその抵抗を確認します。抵抗がある→陽性

陽性の場合、PIP 関節を屈曲位にして、DIP 関節が抵抗なく屈曲可能となれば、支帯靱帯の緊張ありと判断します。
PIP 関節を屈曲位でも、依然抵抗がある場合は、DIP 関節そのものの拘縮と判断します。

屈筋腱

subliminus testは浅指屈筋腱損傷を調べます。

方法
検査する指以外を伸展位にし、PIP 関節が自動屈曲できるかを調べます。

profundus testは深指屈筋腱損傷を調べます。

方法
検査する指の MP と PIP 関節を伸展位に固定、DIP 関節が自動屈曲できるかを調べます。


徒手的な簡単な検査から、損傷や短縮、緊張の有無を簡潔に評価することでより効果的な治療に繋がりそうですね。
損傷よりは癒着などで可動域自体が制限されている患者さんが多い印象です。

ではでは。

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