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TKAのリハー推奨される介入は?ー④

TKA後のリハビリテーションについてシステマティックレビューをもとにまとめました。
推奨事項等がまとめてありかなり勉強になりました。


参考文献

Jette DU, et al. Physical Therapist Management of Total Knee Arthroplasty. Phys Ther. 2020 Aug 31;100(9):1603-1631. doi: 10.1093/ptj/pzaa099. PMID: 32542403; PMCID: PMC7462050.

TKAのリハビリテーション


術直後安静時に膝を屈曲位で保つ ♦︎♦︎♢♢


術後初期は術直後の失血と腫れを軽減に、安静時は膝をある程度屈曲 (30° ~ 90°) するように患者に指導することがあります。

論文内では「すべきである」とのことですが、推奨度は弱めです。


利点としては

  • TKA手術に伴う失血の減少

  • 術後7日間で腫れの軽減。

  • 短期的な屈曲ROMの改善

短期的な膝のROM改善につながりますが、長期的には有意差は無いそうです。自分はあまり指導をしたことはないですが、いかがですか。
個人的には術後の生活では伸展ROMも重要かと思うので、この指導が伸展ROMにどのように影響するかも気になるところです。
患者さんとしては、軽度屈曲位の方が楽なのかもしれませんね。


神経筋電気刺激(NMES) ♦︎♦︎♦︎♢


物理療法としてNMESを行うところもあるかと思いますが、実際はどうでしょうか。

論文内では「行うべき」とのことです。エビデンスレベルも高いです。

利点は

  • TKA 後 2 週間から 52 週間行い、大腿四頭筋とハムストリングの最大等尺性筋力の改善

  • 歩行、階段昇降能力の向上、および患者報告による成果

となります。

安静時間がやや増えるため、活動量はやや下がる可能性がありますが、継続して行うことは重要かもしれませんね。


高強度の筋力強化運動 ♦︎♦︎♦︎♢


論文内では、「行うべき」となっています。術後早期から高強度の筋トレが重要です。

利点として

  • 筋力向上

  • 移動能力の改善 (例: 移乗)

  • バランスの改善

  • 膝の伸展の改善

が挙げられます。
適切な負荷量の選択が必要です。やりすぎは炎症や腫脹の増悪につながりますね。
ただ、術後早期から積極的な筋トレが良い効果を生み出しそうです。


ここまでは術後早期からどんどん動いたり、物理療法をしたりすることが重要な感じがしてきました。
ただ、今まで行ってきたリハ内容はエビデンス的にも高いものがあることが少し嬉しいですね。

ではでは。

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