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腰椎

腰椎の解剖に関してです。


参考引用

松尾庸平. 腰椎の解剖とキネマティクス. Jpn J Rehabil Med 2016;53:770-773.

腰椎の解剖

腰椎は5個の椎体で構成されています。

前方:椎間板が存在しており、前・後縦靱帯により結合されています。
後方:上関節突起、下関節突起により椎間関節を形成しています。椎弓は黄色靱帯、棘突起は棘間・棘上靱帯により連結されています。

椎骨

腰椎椎骨は
・椎体
・後方要素(椎弓、上下関節突起、棘突起、横突起、副突起、乳頭突起)
・椎弓根
より構成されています。
椎間関節の横断面が矢状面と平行に近づくと、前方転位に対する抵抗力が弱く前方すべり発生の原因となります。
腰椎変性すべり症患者においては腰部脊柱管狭窄症患者や健常者と比べて有意に椎間関節の水平化を認めることが報告されています。

靱帯

腰椎の靱帯には
・前縦靱帯(後屈を制限)
・後縦靱帯(前屈を制限)
が存在しています。
前縦靱帯は脊柱前面で後頭骨底部から仙骨まで伸びています。
後縦靱帯は後頭骨底部から仙骨管まで達していますが、この靱帯は椎体後面には付着しておらず、その間隙に傍脊柱静脈層が存在しています。
腰椎では前・後縦靱帯 がほかの脊椎レベルに比べて発達しています。

椎弓間を走る分節間の靱帯には、
・黄色靱帯(椎弓間)
・棘間・棘上靱帯(棘突起間)
が存在します。
黄色靱帯は上位椎弓の前下縁面から下位 椎弓の後上縁についています。弾性線維に富んでいるため黄色調を呈しているとされます。
椎弓部と椎間関節部とに分けられ、関節包部は椎間孔の外側まで達しているとされます。
黄色靱帯は生体力学的役割 をほとんど担っていないと考えられるが、黄色靱帯の肥厚や弾性低下すると、神経組織の圧迫病変として問題になります。
黄色靱帯骨化症なども問題になりますね。

棘突起は強靱な棘間靱帯で結合され、後方では棘突起先端に付着する棘上靱帯に続きます。横突起にある副突起間には横突起間靱帯があり、腰部ではよく発達しています。


腰椎はヘルニアや脊柱管狭窄症などを引き起こし、疼痛を誘発しやすい組織です。腰部への負担軽減を目指した介護用品なども多く考えられていますね。腰痛自体は多くの人が苦しんでいますので、なんとか解決策があるといいですね。

ではでは。

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