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米国株師匠🍅アウトライヤー寄稿232


第231回から続く


「ここからさらに利上げが必要ということであれば、われわれはそうする」


CBSの看板番組「フェース・ザ・ネーション」に、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁がご出演なさった事、お話になった事、重要なことなので、短く寄稿します。

ブルームバーグ記事からの引用です。

「ミネアポリス連銀総裁、インフレ見通し「明るい」-雇用は一部喪失へ」

過去のこの寄稿で述べたこのCBSの看板番組「フェース・ザ・ネーション」で、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁がなさったお話の僕にとってのポイントは、

”If we need to hike, raise rates further from here, we will do so."

”「ここからさらに利上げが必要ということであれば、われわれはそうする」と述べた。”

カシュカリ総裁のソフトランディング云々のお話は、お立場、大義名分、委員会の相違、その他さまざまなことがおありになるでしょうから、僕の場合は、あまりそこには耳を傾けておりませんが、いや、僕ば、ハードランディングのシナリオ採用者なのでですが、今回のこのCBSの看板番組で、一番耳を傾けているのは、上記です。


2日前に、コミュニティ銀行がひとつ潰れました


そして、2日前に、コミュニティ銀行がひとつ潰れましたでしょ。つぶれた、最初のコミュニティバンクですね。Kansas Heartland Tri-State Bank
このことを軽視してはいけないのですと、歴史を見てきて思うのです。

ソフトランディングのストーリーを売る。でも、”「ここからさらに利上げが必要ということであれば、われわれはそうする」と述べた。”

3月の銀行問題の後、過去の寄稿で、あといくつか、地銀が飛びますよと述べました。その最初に飛んだコミュニティ銀行、Kansas Heartland Tri-State Bank。

過去の寄稿で、2007年当時のニューヨークタイムズの記事を引用して、バーナンキ元FRB議長のソフトランディングぅ~で大丈夫よ~ン、とおっしゃっていたことについて述べました。いや、サブプライム問題について、そんなに下落を見なくても、マネージ可能だと大勢の人々、FRBやウォール街の人々が最初は思っていたわけですからね。


いざとなったら救済なんでしょうか???


この寄稿で述べてきている、クレジット市場、そして、商業用不動産のところで起こっている事。ノンバンクの事。ノンバンクが、商業用不動産担保証券の有力な保有者なのですから。いざとなったら救済なんでしょうか???わかりませんけど。

いっぽうで、直近第230回の寄稿で述べた2兆ドルのお金、リバースレポで$1.19兆ドルとレポで$0.94兆ドル。流動性を見ていく上で、ここお金は鍵です。
そして、”必然的に混乱が勃発する時、その窮地を救える唯一の手段はFRBの対応。ボラティリティの抑制者として、抑制装置として、介入せざるを得ず、救済に向かうことになるのだから。”

その混乱が勃発したら、ではなくて、勃発する前の景色ついて、僕は、クレジット市場(第156回寄稿以降)、商業用不動産(第161回寄稿以降)について述べてきました。潜在的にであれ、勃発する前の景色について述べているのです。

今回は、違う???今回も同じでしょ


僕個人は、ソフトランディングぅ~のシナリオに陶酔しながら、それと一緒に踊るつもりはありません。クレジット市場、商業不動産、ノンバンクの事に加えて、今回のコミュニティバンクが初めて飛んだこと(FDICによってクローズ)も、重要視していますから。もう過去に何度も、楽観的なシナリオに踊って、その数か月後とかに、景色が様変わりした例を、見てきました。This time is different???今回は、違う???いや、そんなことないでしょ。今回も同じでしょ、と僕は思っています。

この寄稿で述べてきた通り、”経済が強いといっても、それはある程度までの事にすぎません”と引用を用いて述べてきましたし、最速のペースで金利を引き上げ続けてきているわけですからね。

そして、よきにつけ、あしきにつけ、この寄稿で何度も取り上げてきた、元ゴールドマンの、ミネアポリス連銀カシュカリ総裁が、CBSの看板番組に出演して、ソフトランディングについて、語り、いっぽうで、
”If we need to hike, raise rates further from here, we will do so."

”「ここからさらに利上げが必要ということであれば、われわれはそうする」と述べた。”

まあ、僕個人は、当時と全く同じとは言いませんけど、2007年夏から秋にかけての事が、頭に浮かびますね。当時それをマーケットの中で、実体験していますから。
当時、2007年夏から秋にかけて、サブプライムの問題は、システミックリスク(全体に波及するリスク)ではない。マネージ可能だと、ウォール街の要人が声を大にして言っていましたから。そのうちのおひとりと、僕は、かつて一緒に仕事しましたし。後に、金融危機後、その方が、どれほど、メディアでたたかれたかについても、見てきました。

申し上げたきは、こういう風潮が渦巻くとき、こういう風潮が大勢を占める時、僕の率直な感想は、うわ~、ソフトランディングという楽観論とバブルが醸成されているぅ、一方向にそれ一色、楽観論一色になって行くぅ~、うわ~。
注意すべきは、その後だ、という事です。

かつての○○危機時と異なるのは、レポ市場の全体機能


かつての○○危機時と異なるのは、レポ市場の全体機能。ルールメーカーがルールをかつてから、変えたわけですから。ですから、この機能が果たす役割を注視しながら、いっぽうで、この時期に、地区連銀総裁が、CBSの看板番組「フェース・ザ・ネーション」にご出演なさって、ソフトランディングについて語る。その風潮、その風潮が作られて行く時、そして、実際に水面下で起こっている事。それを真に受けるのか、そうではないのか。それが大事だと述べています。



第233回へ続く




最後に …
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私、アウトライヤーは、OUTLIER とは関係ありませんが、
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アウトライヤー
より。外れ値です。でも異常値ではありません。
笑って許してくださいね。ごゆるりとお時間ある時ご覧になってください。
背景にある経歴:80年代後半から、ペインウェバー証券会社、メリルリンチ証券会社、ベアー・スターンズ証券会社等々の外資系証券会社東京支店法人営業部門に勤務。外資系企業生活で24年の歳月が流れました。
ペインウェバー証券会社ニューヨーク本社にて、2名のメンターのもと、米国株式業務を基礎から習得。なぜ、2名だったかと言いますと、フロントオフィス業務用に1名=MIT出身のトレーダーで数学者、バックオフィス業務用に1名=米国では名の知れたバックオフィスの専門家でした。当時、NY証券取引所にもしばしば、足を運び、入り口から出口まで、叩き込まれました。その後、日本国内の機関投資家向け外国株式営業に携わり、メリルリンチ証券会社とベアー・スターンズ証券会社では、それぞれ東京支店法人営業部門外国株式営業部長として、東京、ニューヨーク(ウォール街)、ロンドン(シティ)を中心に、アジア諸国も含めて、世界中を飛び回りました。グローバル株式・金融業務に従事する上で、メリルリンチ証券会社では、当時のメリルリンチ・グローバル株式営業部門におけるアジア地域2名のグローバル・エクティ・コーディネーターの1人として、米国株式を中心に、グローバルに株式業務推進役の職責も兼務。(この時とっても楽しかったです)
2012年2月に外資系企業生活を終えました。
同2012年年春から、日本企業の顧問に就任。
一貫して、この30年超の期間、何度も何度も現地に足を運び、そこにいた人々と直接仕事をした事を含めて、アメリカの金融政策、アメリカの株式市場を見つめてきました。
🍅注意事項
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