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米国株師匠🍅アウトライヤー寄稿196

第195回から続く


「価格」ではなくて「時」



アメリカの株のマーケット、月末5月31日に下落したかな~、と思っても、月初6月1日、しっかり戻って上昇。底堅い動き。僕はしつこいほどにこの寄稿で、「価格」ではなくて「時」ですという事を述べてきました。特にこの4月、5月。

売り目線、売り方にとっては、マーケットの背景にあるその素地、素材、が変わらないと、売っても下がらない、上がる、痛い目にあう、そういう事になりますよ、と述べてきました。

たとえば、弱気材料をたくさん羅列したfear-monger(脅威をあおる人)のコメントに乗せられて、価格で見てS&P500で4100のレベルでショートなんて振っていたら、今頃、痛い目ですね。S&P500は、6月1日4221で引けています。NYダウについても同じ考え方です。

どうぞ直近におきましても過去の寄稿をご覧になって見てください。何度も何度もTGAについて触れ、マーケットの素地、素材が変わらないと、そんな簡単にマーケット下がらないでしょうね、上がりさえするでしょうね、と繰り返し述べてきました。

まず、説明上、ある程度明確なタイミングや価格水準が記されていない、そしてその根拠が示されていない、だけど、まことしやかに弱気材料を羅列している下落予想のコメント見て行動しても、この4月、5月、そして6月1日までのマーケット、ほとんど意味ないという気は、僕はしています。そういうの見て、ショート振ったりしたとしたら、大やけどですからね。

リセッション(景気後退)がどうした、こうしたとか、おおかたの弱気予想に反して、マーケットが、このように動ける(底堅く推移して、下がっても戻る、上昇する)背景は何であるのか。おおもとの蛇口は何で、それがどういう働きをしているのか。どうぞ、昨日の寄稿はじめ、直近では、第170回寄稿から第195回寄稿くらいまでをご参照頂けましたら。


ブルームバーグ記事からの引用です。

・「米ISM製造業総合景況指数、5月は46.9に低下―市場予想下回る」

・「米資産家ペロー氏、不動産不況を警告―建設用ローン確保が厳しい状況」

・「FRBが発信した利上げ一時停止の信号、雇用統計控えた市場に波紋も」



現在、7月の利上げの可能性を7割くらい織り込みに行っている

まあ、6月の委員会(FOMC)はさておき、まだ先の話ですが、現在、7月の利上げの可能性を7割くらい織り込みに行っているようですね。

来週はじめから、1週間くらいですが、これまでお話させて頂きました個人的事情により、寄稿ができなくなると思います。申し訳ございません。できるだけ早く、再来週くらいからまた復帰、寄稿させて頂きます。


僕は、これが当面すべてだ

ですので、寄稿ができなくなる前に、もう一度、この寄稿で述べ続けている同じことを繰り返させて頂きます。
僕は、これが当面すべてだ、くらいで考えておりますので。

FRBによる月額最大950億ドルのQT。そのQTを相殺しているのは、債務上限問題に絡んでの年初からの米財務省による特別措置(期限6月5日)~TGA(米財務省一般勘定~アメリカ合衆国の当座預金口座)からのドローダウン(お金の引き出し)です。TGAからのドローダウンは、景気刺激的です。よって、QT(量的引き締め)効果を相殺しています。リセッションがどうしたこうしたとか、そういう話は2の次で、まず、このQT効果が相殺れているというマーケットの素地、素材、すなわちQT効果が打ち消されている時に、株を売っても、そんな思うほど下がりませんし、むしろ株は堅調に上がったりします。4月、5月、6月1日を見てください。

僕は、4月、5月の株のマーケットをこの寄稿で、フロス(泡、あぶく)のマーケットだと述べ、フロスの高さは測れないと述べました。

S&P500で、4100と言われれば、そうかな。4200と言われればそうかな。仮に4300と言われれば、それもそうかなと。そのようにしか感じませんと、この寄稿で述べてきました。

「価格」すなわち「インデックス」のレベルがポイントではないのです。そんなのどうでもいいのです、僕にとっては。「価格」ではなくて「時」。


TGAからのドローダウンが止まる時


この「時」とは、マーケットの背景にある素地、素材が変わる「時」。それすなわち、TGAからのドローダウンが止まる時~(景気刺激的なお金の引き出しが止まり、QT効果の相殺がなくなる時)~これがまず、第一の「時」。


TBの大量売却をしなければならなくなる時。


第二の時
は、今度はイエレンさんがTGAの再構築をしなければならなくなる「時」~8月を目途にTB(ティービル・財務省短期証券)の大量発行、そしてTBの大量売却をしなければならなくなる時。


その上で、現在僕は、この寄稿で述べております通り、TGAからのドローダウンが当初6月初頭で止まるかと思っておりましたが、TGAの日々の動きから、ドローダウンは6月30日まで続くという試算モデルを重視していますと述べてきました。

株が下がるとかって話であれば、まず、QT効果の相殺作用がなくなり、QTもろかぶりの状態にならないと。

また、QTもろかぶりの状態に向けて、失業率も徐々に4%に向けて上がっていくという考え方をとってきました。(第170回寄稿をご参照ください)

今、まだ、今日日本時間6月2日朝の時点で、そういう状態になっていません。
そういう「時」は来ていません。そういう状態になっていない、そういう「時」が来ていないのに、売り方としての行動はとりませんし、とっていません。

「価格」ではなくて「時」という事はこういう事です。

4月から述べてきた自分の当初の予定より、TGAからのドローダウンが(6月初めに終了するのではなく、6月30日まで続くという試算モデルから)、後ずれしていることは事実です。当初ドローダウンは6月初旬で終了という予定で見ていましたから。

米政府の会計年度の締めは9月30日

米政府の会計年度の締めは9月30日です。イエレンさんは、8月を目途にTGAの再構築を図ることになるのでしょうと言われてきましたし、そう考えています。

こういう「時」をよく見ながら、得るものが大きそうな時、確率が高そうな時に、大切な友人であるNEOさん@NZensinが常々おっしゃっておられる”あらかじめ損切価格を設定の上“で、エントリーするという事だと思っています。(今回、自分は現状、マーケットの日々の状況を追うという事よりも、現在、実父の日々の病状を追うという状況におかれておりますので、実際に、マーケットの日々の状況をこまめに追って、いつものようにエントリーできるかどうかはわかりません。それでも、自分が実際の行動をとれなくても、とれない場合は、そうとったと仮定してでも、ここがエントリーポイントだと思った時には、この寄稿でそれを、少なくとも、述べます)。

TGAがキーであり、TGAからのドローダウンがキーであり、これまでQT効果が相殺されてきたことがキーであり、これからはQT丸かぶりになりそうなことが、これからのキーです。米財務省によるTB(ティービル・財務省短期証券)の発行や売却に際しては、マネーマーケットファンドからの需要も多分にあるでしょう。


リバースレポとTBと比較して値踏みし、どちらがより高い利回りなのかを追い求める


リバースレポとTBと比較して値踏みし、どちらがより高い利回りなのかを追い求めるでしょう。その時、差し引きネットでタイト(引き締まり)、ネガティブな状況になるかどうかを注視する必要があります。が、まずは、QT効果の相殺作用がなくなる「時」。これをもって、この寄稿で、素地、素材の変化と位置付けています。その素地、素材の変化、その「時」が大事です。




第197回へ続く




最後に …
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私、アウトライヤーは、OUTLIER とは関係ありませんが、
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アウトライヤー
より。外れ値です。でも異常値ではありません。
笑って許してくださいね。ごゆるりとお時間ある時ご覧になってください。
背景にある経歴:80年代後半から、ペインウェバー証券会社、メリルリンチ証券会社、ベアー・スターンズ証券会社等々の外資系証券会社東京支店法人営業部門に勤務。外資系企業生活で24年の歳月が流れました。
ペインウェバー証券会社ニューヨーク本社にて、2名のメンターのもと、米国株式業務を基礎から習得。なぜ、2名だったかと言いますと、フロントオフィス業務用に1名=MIT出身のトレーダーで数学者、バックオフィス業務用に1名=米国では名の知れたバックオフィスの専門家でした。当時、NY証券取引所にもしばしば、足を運び、入り口から出口まで、叩き込まれました。その後、日本国内の機関投資家向け外国株式営業に携わり、メリルリンチ証券会社とベアー・スターンズ証券会社では、それぞれ東京支店法人営業部門外国株式営業部長として、東京、ニューヨーク(ウォール街)、ロンドン(シティ)を中心に、アジア諸国も含めて、世界中を飛び回りました。グローバル株式・金融業務に従事する上で、メリルリンチ証券会社では、当時のメリルリンチ・グローバル株式営業部門におけるアジア地域2名のグローバル・エクティ・コーディネーターの1人として、米国株式を中心に、グローバルに株式業務推進役の職責も兼務。(この時とっても楽しかったです)
2012年2月に外資系企業生活を終えました。
同2012年年春から、日本企業の顧問に就任。
一貫して、この30年超の期間、何度も何度も現地に足を運び、そこにいた人々と直接仕事をした事を含めて、アメリカの金融政策、アメリカの株式市場を見つめてきました。
🍅注意事項
①不特定多数の者により随時に、誰でも閲覧可能な無料記事です。
投資助言行為に該当するアドバイスは行いません。短期動向や個別の運用相談に関するご質問へのご回答は一切行っておりません
③投資の最終決定はご自身のご判断と責任でおこなってください。

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