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物価がもとに戻ってから計画しよう・・・は難しいかも。

ガソリン、高い状態が続いてますね。

給油するたびに、金額に驚かされます。

コロナと戦争の影響は依然として続き、日本国内の物価はこの2年で大きく上がりました。

食品、生活必需品、物流、エネルギー、車、そして住宅も同様であることは、既に皆さんに周知のことと思います。

今日、協力業者さんと話したところ、「棟数がそれなりに多かった複数のビルダーさんの施工が今月に入って、ピタッと止まってしまった」という話を聞きました。

「物価の上昇があまりにも大きいので、お客様の買い控えが起こっているのでは?」という事でした。

確かに、住宅はもともと非常に大きな買い物です。

物価上昇のあおりを食えば、その額は他とは比べ物になりません。

だから、今じゃない感、ありますよね。

では、物価がもとに戻るのを待ってから、新築の計画をするのが良いのでしょうか?


これ、非常に難しいと思います。

正直な話、住宅の値段が、元の状態に戻るというのは考えにくいのです。

多くの住宅会社はあまりこの話、したがらないかもしれませんが、現状の見解、ちょっと真面目にお伝えします。


簡単なところから言ってしまうと、例えば住宅設備を扱う大手メーカー。

LIXILやパナソニック、ダイケンやTOTO、もちろんそれ以外に無数に存在しますが、世の中の状況に合わせ、これまでもジワジワと値上げを続けてきました。

今回も同様に値上げをしていますが、そんな彼らが一度上げた定価を下げた事など聞いたことがありません。

上がったら、上がりっぱなしです。


木材はどうでしょうか。

木材は建物の構造だけでなく、様々なものの見えない箇所に使われています。

こちらは上の住宅設備とは違い、相場が変動するものですので多少の上下は常にあります。

とは言え、木材の多くは輸入に頼っています。

これまで、日本は他の国に比べ品質にうるさい割に、値段をたたくという買付が目立っていたため、コロナ禍に入った際に、原産国から大きくそっぽを向かれたという経緯があります。

もちろん商売なので、バランスをとって流通量の確保をしつつありますが、価格は下がっていません。

今後も、手綱を握られることがありうることを考えると、輸入材の価格が大きく変わる事は考えにくいかもしれません。

では、「国産材で対応すれば」という声もありますが、国の方針で輸入材を中心に回してしまった経済を簡単に戻すことは非常に難しいのです。

そもそも林業が縮小してしまった現在、これを復活させ国内需要を満たすまでには、それこそ50年コースです。

国産材を安定供給できる材木業社はプレミア化してもおかしくありません。


次にエネルギーですが、先日、東京電力エナジーパートナーさんとミーティングをさせて頂きました。

今、東京電力が進めている政策に「太陽光発電の普及」というのがあります。

勘のいい方は「あれ?」と思うはず。

「太陽光発電が増えたら、電気を買ってもらえなくなり、電力会社の収入が小さくなってしまうんじゃ・・・」

その通り。

でも、電気の安定供給には進めるしかないんだそうです。

震災以降、原発が止まり発電量に大きな制限が掛かり続けています。

電力逼迫(でんりょくひっぱく)、最近よく聞くようになりました。

マジでヤバイとのこと。


にかく、各家庭で電気の自給自足して欲しいんだそうです。


さらに追い打ちをかけているのが、原油価格が爆上がり。

日本のほとんどの電気は現在、油と天然ガスで作られています。

これらが高騰してるので、電気料金(燃料調整費)に転嫁せざるをえない。

結果、太陽光発電を主軸にした新しい住宅用料金体系も発表されてますが、それに必要な機器が半導体不足で供給が足りず、足止め状態。

何にせよ、エネルギーが高いと生産コストが高くなってしまいます。

エネルギーの原料を輸入に頼り続けている限り、この状況はいつの時代にも起こりえます。


住宅をつくる者としてこれから考えなければならない職人不足。

現在、職人のなり手が不足しています。

徐々に高齢化が進んでいます。

このままただ進めば、優秀な職人のプレミア化が起こります。

逆に、産業として守るためには、なり手を増やす必要がありますので、賃金アップが必須です。

住宅が大量生産される前は、大工をはじめ職人は尊敬され、高給取りでした。

それがいつしか、薄利多売の波にのまれ、安く使われ、工期に追われ、こだわりを捨てさせられるような現場に身を置かねば食っていけない、そんな状況に追い込まれました。

もちろん、すべての現場がそうではありませんが、プライド持って働けるだけの収入は必要だと思います。

だから、業界を、職人を、住まい手を守る方向にシフトすると、物価は上がります。


書こうと思えばまだまだ書けますが、これらは一因。

根本的には自国の自給率が低い事に起因するので、簡単な解決法はありません。

だからこそ、家づくりを考えている方は止まって様子見する意味はないと言えます。

住宅取得を考え始めるという事は、ライフスタイルの中で必然性があるから、検討に入る筈です。

世の中の状況変わるまで、5年、10年待っていても、その時にはまた止まるための理由が現れます。

とは言え、「今すぐ建てなさい」という意味でもありません。

住宅を取得したいけどためらってしまっているなら、今はじっくり情報収集の時期に当ててもいいんじゃないかという事です。

焦らなくて全然いいんです。

変わる家づくりの知識を常に更新していってください。

一回止まると、リスタートに結構エネルギー使いますからね。


今回は長くなってしまったので、そのあたりは次回のブログに書きますね。



hiroyuki


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