見出し画像

ベトナムのコーヒーが落ち着く理由

 今日はベトナムのコーヒーについて書き記していきたいと思う。

なんでそうなったかと言えば、働いているコーヒーショップで取り扱いが始まったからである。


まず、私は「美味しい」コーヒーが大好きで、溺死するならコーヒーの海でかなぁというふうに捉えている。消費国で暮らしているけれど、今年の夏に生産国へ行って農園へ行ってみたりもしたし、全てを通して好きと思える概念がコーヒー…


ベトナムのコーヒーといっても、大きく分けて二種類ほどある。①大量生産大量消費廉価低品質と言われるロブスタ種のコーヒーは、味の奥行きがあまりなくてカフェインがとても強い。②高品質少量生産繊細土地利用効率低のアラビカ種のコーヒーは、香りと味わいを作り出す成分が前者の2倍とも言われている。

①のコーヒーによってベトナムの世界第2位にも及ぶコーヒー生産が成立しているし、フィンと呼ばれる抽出器具を使って抽出され 練乳や生卵と混ぜて飲むベトナムコーヒーは世界的にも有名。

画像1

味の感想としては「とにかく苦い、お腹がキリキリする、練乳めっちゃ甘い」だ。カフェイン系のエナジードリンクをがぶ飲みしたあとみたいな感じ。

…では②のコーヒーはどうだろう。

画像2

サイゴンのThe Workshop coffeeで飲んだダラット産の国産コーヒー。V60と呼ばれる抽出器具でドリップされたもの。これがはちゃめちゃに美味しい。…都会に行かないと飲めない?そんなことはない、生産地のダラット、そしてその中の農園の中で飲める。それがこちら。

画像3

激うまである。農園の中で、コーヒー中に囲まれながら飲むコーヒーの美味しさたるや、どんな高級ディナーの食後のコーヒーにも勝る。

私はこの農園で作られたコーヒーを、夏の滞在中毎日1杯以上飲んでいた。農園主のローランには「自分でいれて飲んで!好きにしてええよ!」というような超ラフな感じで言われた。

15.5g中挽きくらいのコーヒー、そこへ31gのお湯で30秒蒸らし、トータル230mlのお湯を1分20秒かけて注ぐ。

ベトナムのアラビカのコーヒーはとても美味しい。それは、エチオピアやケニアのようなドカンとしたジューシーさや香りとはまた違う。中米のようなまろやかで甘いものとも違う。アジアという枠を自分の舌で作らなければ言葉で説明ができないような美味しさである。そしてこの、アジアのコーヒーを最大限に美味しく飲むには、飲み続けることこそが必要十分条件なのである。…高校の数学を思い出してふと不安になってます合ってないかもこのワード!!!伝われ!!ば良い!!!!

飲み続けると、この美味しさに気づく。爆発力は無いけれど、生活に寄り添ってくれるコーヒーだし、どの時間帯に飲んでも元気をくれて心がよろこぶ。Dailyに飲みたいコーヒーで帰ってきたくなるコーヒー、「実家」っていったほうがいいのかもしれない。飽きがこないし、他のコーヒーと比べるとさらに良さが引き立つ。カップ一杯の温度変化の中で味わいが繊細に変わるから、いつまで経っても新しい。とても優しい気持ちになれる。

画像4

↑エスプレッソにしても美味しい。

生活に寄り添ってくれるベトナムはダラットのコーヒー。落ち着くから他のコーヒーを飲んだとしても結局帰ってくる。

これは私の主観だから、他人に押し付けたりはしないよ。もちろんゲイシャは美味しいし、エチオピア エアルームはどう頑張っても美味しい。それはわかってるんだ。だけど、ベトナムの農園で過ごした時の気温や雨や風邪、頬を撫でるような湿度を思い起こしてくれるベトナムのコーヒーは私にとっては特別。体験と結びついているから。

そんなふうに思っているからこそ、コーヒー好きな人には「Dailyに飲みたい、私の一番落ち着くコーヒー」を見つけて欲しい。選べる自由が更に引き立つし。


…さて、ここまでずっと書いてきたベトナムのコーヒー、日本だとどこで飲めるんでしょうか。

それは、Light Up Coffee。

農園からダイレクトに買い付けています。今飲めるのは2018-2019のクロップ。

りんごのシードルに使われる酵母を用いて発酵工程を行なった水洗式のコーヒーは、とても甘くクリーミーで穏やか、南国のフルーツを舌の奥で感じます。生産のストーリーが下のリンクから読めます、Twitterのリンク貼っとく。

今年の収穫繁忙期にまた農園へ行く予定。楽しみが過ぎる。生産の現場は愛に満ちているのでね。


私のInstagramのトップページは、この前の夏の農園に行った時のまま止まってるしそれがちょーカッコ良いので見てください!!!


今後、農園体験記みたいなのをちゃんと書きたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?