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【医薬品不足は本当?】新型コロナウイルスの影響についてファクトを確認しよう。

新型コロナウイルスが猛威を振るっている今、「医療崩壊を防ごう!」という言葉が毎日のように飛び交っています。ICUや人工呼吸器の絶対的不足は重要な問題として立ちはだかっています。

しかし、あまり報道されていない重要な医療資源に「医薬品」があります。

医薬品がグローバル企業によって供給されるようになった現代、薬の多くは海外の原料や施設を大いに利用して作られています。「医薬品」がなければコロナの特効薬うんぬん以前に、「標準治療」すら受けられないのです。

今回は、そんな医薬品の供給状況についてシンプルにまとめてみました。


⌛原薬の40.8%をたった1国に完全依存している

薬の製造の多くは海外に完全に依存しています。

薬にも、当然原料が必要です。それを「原薬」と呼びます。原薬は日本だけで手に入れることが出来ないため、その多くは海外に依存しています。今回の新型コロナウイルス(COVID-19)による医薬品の影響を考えるためには、原薬について知ることが欠かせません。

厚生労働省が発表している後発医薬品の原薬調達状況に関する調査結果を参考に、薬の原薬の調達状況を見ていきましょう。

後発品依存率

①:海外1か所のみを調達源にしている品目:76.8%
②:①のうち、海外1か所で原薬を調達している品目:40.8%
③:複数の国で原薬を調達している品目:23.2%

一番危ないのは、②:海外1か所でのみ原薬を調達している品目です。調達先の国や企業が機能しなくなった場合、最大40.8%の医薬品の供給がストップする可能性があるのです。

原薬の調達依存率

このグラフは、原薬をどのくらい外国に依存しているかを表しています。
(*成分数ベース、日本製造品除く)

新型コロナが爆発的に増えた中国で36.8%、イタリアで5.0%。合わせて41.8%を2か国に依存しています。これから増えていきそうなアメリカなども含めるとかなり厳しい。

一方で、中国は回復局面であると仮定するなら、大きなヤマは越えたようにも考えられますが、医薬品の多くを海外に依存しているという事実は意外なほど知られていません。

この調査は2013年と比較的古いデータであることや、後発品のみのデータなので、先発品を含めた原薬の実態とは乖離します。
しかし、医薬品調達の大枠として良いモデルとなるでしょう。


😷アメリカで不足が懸念されている医薬品

アメリカの薬剤師団体ASHP(American Society of Health-System Pharmacists)は、医薬品の不足に関する情報を提供しています。
今回の新型コロナウイルス騒動だけでなく、アメリカの全体的な医薬品の不足を示しています。

3/26現在、不足医薬品は209品目。

新型コロナウイルスに有効ではないかとされる、プラケニル(成分名:ヒドロキシクロロキン)は当然のように含まれていますが、その点はあまり心配いりません。

なぜならプラケニルは抗マラリア薬として使われる薬。全世界規模での消費が想定されていないため、単純に供給が追い付かなくなっただけです。臨床試験が終了し、新型コロナウイルスへの効果が白黒ハッキリしたときには増産も決まるでしょうから、心配ご無用です。

では、現在の不足医薬品209品目という数値は多いのでしょうか?

結論は、「少ない」です。

不足している薬は多くない

アメリカFDAに認可された薬は20000以上日本の薬価基準収載医薬品数は1万6千程度です。現在ASHPによって不足していると言われている薬は、全体の数をみると、ごく僅かであることが分かります。

もちろん、替えが効かない薬も存在するのですが、危機的状況というにはまだ早いかな・・・?という感じです。感染のスピードを抑え、社会システムを維持することができれば、薬は十分供給できます。

しかし、感染が爆発的に広まってしまうことだけは避けなくてはなりません。


🎙️医薬品卸売業者4社にインタビューしてみた🎙️

私は薬剤師という立場なので、薬局に薬を卸してくれる卸売業者の方に医薬品の供給状況を直接インタビューすることが出来ました。

卸し

私の薬局に卸してくれる大手4業者へのインタビューを行ったところ、
「今のところ、新型コロナウイルスによる薬の供給不足への心配はない」
と全員が口を揃えて言っていました。

したがって、少なくとも数週間~1か月程度のスパンで薬が提供できなくなるようなパニック状態にはならないので、ひとまず安心してください。


🔥爆発的な感染拡大だけはなんとしても防ぐ。それができるのは...

とはいえ、やはり爆発的な感染拡大だけは防がなければなりません。
医薬品需要が爆発的に上昇すれば、当然薬は足りなくなります。

防げるのは、安倍晋三でもなければ、TVを煽るコメンテーターでもありません。

爆発的な感染拡大を防げるのは、私たち「一般人」だけです。

経済的なダメージが大きいのは分かります。でも、不要不急な外出は控え、感染が起こりやすい環境を避け、手洗いうがいをして、栄養たっぷりのご飯を食べること。

それが最も有効な対抗策です。

爆発的な感染を防ぐことさえできれば、コロナウイルスのほとんどは治療可能なのです。医療崩壊を起こさないように、私たち自身が医療システムを守らなければなりません。

一緒に、乗り切りましょう!


今回のギモンの提供者

KaMaFuChi|note千葉生まれ台北育ち、東京在住の台日ハーフです。日本語を練習するために、noteを始めた。起業してから、妹と世界を一周したいnote.com


今回のギモンを提供してくれたのは、昨日に引き続きKaMaFuChiさん!
千葉生まれ台北育ち東京在住の台日ハーフという凄い生まれを持つ方です。
ギモンの発案スピードが速すぎて、なかなか追いつけないのが魅力!

ブラッシュアップとリサーチ協力

協力は鯖.さんの提供でお送りしました!

鯖.さんとKaMaFuChiさんのペアが最近は大活躍!
面白いコラボレーションが生まれまくってますね。
いつもありがとう!!


そんな、コミュニティとしての質が格段にUPしてきた
はがくんのサークルはコチラ!!
普通に面白いので、チラ見だけでもしてみては?


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引用

https://www.mhlw.go.jp/bunya/iryou/kouhatu-iyaku/dl/h24-02_3.pdf

https://www.fda.gov/media/131874/download

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