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男たちが履いたスカートの歴史。

今では女性が履くものとして定着しているスカート。
実は、むしろ男性が履くものだったって、ご存じですか?

この記事では、戦闘服やシンボルとしても重要な役割を果たしたスカートの歴史に迫ってみます。

思わず友達に自慢できるような豆知識を、5分で手に入れましょう💃

紀元前2000年前。スカートはむしろ男性の衣装だった🧭

古代エジプト文明は非常に栄え、文化的な生活を送っていたことで知られています。彼らは7000年以上も前から糸を紡ぐ技術を持っていました。彼らが作った最古の衣服。その一つがスカートです。

風呂上がりか!!

と言いたくなるところですが、これは古代エジプトで一般的に使用されていた「シェンティ」と呼ばれるスカートです。

シェンティは布地を腰に巻き付けただけの素朴な衣装だったので、実は風呂上りのバスタオルと同じくらいの布量でした。焼け上がるような気候のエジプトで、通気性を考慮したこのスタイルが機能的にも非常に重要でした。
髭も剃り上げ、彼らはとても清潔感のあるスタイルだったと言います。

彼らにとって赤褐色の皮膚を露出することは、近隣の野蛮人と自分たちを区別することに役立ったため、むしろ肌を露出する傾向にあり、上半身は裸というスタイルが、とても機能的なものだったのです。

ちなみに股間は丸見えでした。

さて、女性はというと古代エジプト初期にはシェンティを着ることがありました。しかし、早い段階でワンピースを着ることが主流となり、一般市民は既に現代でも通用するようなワンピースを着ていました。

さらに、上流階級の女性はカラシリスと呼ばれる透け感のある上着を着用しており、化粧やアクセサリと共におしゃれをとても楽しんでいたことが知られています。

この時代の女性は胡麻油で奴隷に肌をマッサージさせてツヤを保っていた記録が残っていたり、身分の低い女性でも、ヒマシ油を使って肌をケアし、砂や日差しから肌を保護していたことが判明しています。

古代エジプト文明では、ファンデーション、アイライン、眉、チーク、リップ、アイシャドウ、マニキュアなどありとあらゆる化粧品が発見されています。化粧の歴史、古すぎィ...!!

とても美意識が高い文明だったようです。

キルトの戦士たちがスカートを選んだ理由⚔️

変態ではありません。

スコットランドの伝統的な民族衣装「キルト」です。

18世紀まで普段着としても使われていたキルトは、その奇抜な容姿から現代のヒトにはバカにされがち。

しかし、キルトは軍服としてとても優秀だったことが判明しています。

スコットランドは湿地帯として非常に有名です。現代でも「地図で道が書いていない場所は全て湿地と思え」と言われるほどなのです。霧も非常に多く、視界も確保できない場合が多かったそう。

キルトは短いスカートです。

短い構造は、湿地帯で長い行軍をする為に非常に重要だったと考えられています。この時代のズボンは長い行軍に向くほど縫製技術が完成しておらず、足がフリーになるスカート状の形状をもつキルトは行軍に有利でした。

さらに、川や湿地を歩く際に水分を吸収して重くなることを避け、下半身の乾燥を保ち、衛生状態を維持するために素晴らしい効果を発揮したと言われています。

そして、キルトの特徴的なチェック柄の織り方は、防水構造となっており、霧や悪天候にもある程度耐えることが可能だったと考えられています。それだけでなく、柄によって森や岩の間に紛れ、カモフラージュする効果もあったとか。

戦闘服としてこれほど完成されていたとは...

キルトに特徴的な「タータンチェック柄」はとってもおしゃれ。
現代でも通用する素晴らしいデザインです。

タータンチェックは、家紋のように自分の属する陣営を繁栄したシンボルでした。デザインに意味を込める、デザイナーの信念が反映されたパターンなのです。

日本男子が履くスカートと言えば...🏇

中世以降、縫製技術の進化によりズボンが広く普及していったことや、乗馬に不向きなスカートは、特に男性が履くものではなくなっていきます。

確かにスカートで馬にまたがるのは大変そうです。ミニスカートだと股間が丸見えですし、マキシスカートだとまたがるのが大変。こりゃイカン。

しかし日本では近代までスカートを使っていました。
皆さんご存じのアレですよ!

「袴 - はかま -」です。

袴にはいくつか種類があります。その中でも馬乗袴(うまのりはかま)と呼ばれる袴は乗馬に特化した衣服でした。

二股スカート構造は、ヨーロッパではキュロットスカートと呼ばれています。袴もキュロットも乗馬を考慮したことで二股になりました。18世紀ではヨーロッパの兵士たちの制服として採用されるなど、高い性能を持った衣服であると言えるでしょう。

袴はキュロットスカートよりも高度に進化しています。

乗馬の際に何がツラいか。それは、膝の内側が擦れて、摩擦によって火傷やケガを負ってしまうことです。

袴には、生地と下に着る生地がスライドすることで摩擦を逃がし、火傷やケガから乗り手を保護する効果があったと言われています。

ほかにも、裾も長いと邪魔になるので短くこしらえたり、足を仕切る布「襠 - まち -」を高く設置してズボンに近い内部構造を作り上げるなど、乗馬に特化した進化が見てとれます。

衣服の進化は袴からズボンに急激に変化したと思っていました。
でも、もしかしたら馬乗り袴のように、内部がズボン状になった服が浸透していたから、ズボンは急速に普及できたのかもしれないですね。

男性がスカートを履くということ

古代エジプトの「シェンティ」
スコットランドの「キルト」
日本の「袴」

全て男性が履いて、なにもおかしくないファッションです。

むしろキルトと袴は戦闘用に特化した、極めて機能的な衣服でした。

ズボンの普及とともに男性が履くことが少なくなってきています。しかし実際のところ、現代では乗馬をする必要もなく、体を動かさない職業も増えてきています。スカートにはスコットランド人が見出したように衛生的なメリットもあります。

男性のスカートがリバイバルする可能性も十分にあるのではないでしょうか。

日本の超有名デザイナー:
Youji Yamamotoがデザインしたスカート。
メンズが履いて、超おしゃれ。

さらに、ヨーロッパのストリートスナップを大量に載せているMen's Fadgeではワイドパンツも非常に人気が高いのをご存じですか?

ワイドパンツはスカートとズボンの中間のようなスタイル。
スカートに抵抗感のあるおしゃれ男子にはたまらないアイテムです。

ところで今年の夏服、ちゃんと用意しました?

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