新型コロナウイルスが怖い今_免疫力を高める方法を知ってほしい

新型コロナウイルスが怖い今だから、免疫力を高める方法を知ろう

新型コロナウイルスが日本でも広がりつつあります。

そんな今だからこそ、免疫力を高める方法が大切ですよね。

根拠に基づいた方法をいくつかカンタンにご紹介します!

ハイライト
・ビタミンCはあんまり意味ないんだよなぁ...
・プロバイオティクスは上気道感染リスクを47%減少、持続時間を1.9日減らす
・亜鉛トローチは優秀な成績

📝私が紹介する免疫力を高める方法は、根拠付き


”免疫力を高める方法”で検索しても、

・感染がどのくらい防げるのか?
・免疫力が高まるって何を基準にしてるのか?
・感染後に使っても意味がある方法か?

大切な情報がサッパリ出てこないんですよ。正直、あまり役に立たない情報ばかりがヒットしてしまいます。それじゃ調べた意味がない。

私は根拠を重視して、その方法を使ったらどんな効果があるのか?をしっかりデータを活用してご紹介していきます。

利用しやすいように、効果がしっかりできそうな順に紹介していきます。

上から試してみると効率的ですよ!


プロバイオティクスは感染リスクを約50%にする🍽️

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免疫力を高める最も確実な方法は、ヨーグルトを食べることです。正確には、善玉菌を食べることです。

ヨーグルトに含まれる善玉菌。乳酸菌やビフィズス菌とよばれるそれらの細菌を食べることで、風邪を始めとする感染症のリスクは低下します。善玉菌を専門用語ではプロバイオティクスと言います。

「プロバイオティクスは免疫力を高めます。」

その理由は、腸にあります。腸は人間最大の免疫器官です。全免疫系の50%を支える腸管では、感染防御の練習が行われています。

プロバイオティクスによって腸内環境を維持することは、腸管の機能を高め、感染に対する抵抗力を高めること。すなわち、免疫力をアップすることにつながります。

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2015年にはコクラン(*)によってプロバイオティクスが感染を防ぎ、風邪の持続時間を減らす結果が示されました。

彼らは、過去行われた質の高いデータを全て集めて分析しました。

・条件に該当する12件の研究を集め、3,720人のデータを抽出し分析
・プロバイオティクスをとっている人とそうでない人を比較

プロバイオティクス

研究結果は驚くべき好成績でした。

■ 上気道感染にかかるリスク → 47% 減少
■ 上気道感染の平均持続時間 → 1.9日減少
■ 風邪関連の学校の欠席 → 90% 減少

さらに、副作用は軽微な下痢でしたが、下痢が現れる確率は低く、統計的には有意差が無い程度のものでした。


つまり何が言いたいのかというと、

プロバイオティクスは風邪に良くて、副作用が出る可能性はとても少ないので、ヨーグルトや発酵食品をバンバン食べましょう。

オススメは、”乳酸菌””ビフィズス菌”です。このキーワードを覚えて近くのスーパーやコンビニのヨーグルトコーナーに走りましょう!


*研究を公表したコクランとは?
営利目的や利益相反のある資金の提供を受けてない研究グループです。
世界130カ国以上、1万1千人のメンバーで構成される質の高い情報によって、人々がより健康でいられる世界を目指す、国際的にもトップクラスの信頼度を誇る機関です。
**腸内環境について、感染以外の情報についても知りたい方のために
脳や神経とプロバイオティクスの関係が分かりやすく書かれています。


亜鉛トローチは風邪の持続時間を1.03日減少させる💪

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風邪には、亜鉛トローチ!

日本ではあまり有名でない亜鉛トローチは、海外では非常にポピュラーな風邪予防アイテムとして使われています。

”亜鉛が風邪予防になる”のはイメージがつきにくいですが、いくつかのメカニズムによって、ウイルスを妨害すると考えられています。

①:ウイルスは鼻の細胞にあるICAM-1に付着することで感染する。亜鉛はそのICAM-1にフタをすることができる為、ウイルスの感染を防ぐことができる。

②:亜鉛はウイルスのカプシドという必須タンパク質を作る邪魔をすることで、ウイルスが増殖するのを防ぐ。

これらの抗ウイルス効果はまだまだ研究途上であり、確実なことは言えませんが、いくつもの臨床研究が亜鉛トローチの効果を示しています。


2013年に行われたコクランによる研究は、亜鉛トローチの効果をハッキリさせました。

・過去行われた18の研究をまとめ、1781人のデータを抽出
・亜鉛トローチをとっている人とそうでない人を比較

その結果、亜鉛トローチは風邪に対して素晴らしい成績を示しました。

・風邪の持続時間を1.03日減少させた
・風邪の発症確率を36%減少させた

しかし、マズいと感じる人が多かったり、吐き気を感じる人がいる等、副作用を経験する人もいたため、合うヒト、合わないヒトがいるようです。

プロバイオティクスだけじゃ不安だ!という人はチャレンジしてもいいかもしれません。僕は常備して、風邪っぽい時はじゃんじゃん食べてます。

普通の亜鉛サプリでは効果が薄いことが判明しているので”亜鉛トローチ”または”Zinc lozenges”で検索してみましょう。


睡眠不足はやっぱり抵抗力が弱まる。さぁ布団に入ろう!🛌

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睡眠不足は免疫システムを弱体化するため、感染リスクを高めます。

2019年に行われた睡眠と免疫システムの研究では、いくつかの興味深い証拠が示されています。

例えば、睡眠不足のヒトは免疫にかかわらうメモリーT細胞やナイーブT細胞などの免疫細胞の数が減ってしまうことが示されました。

他には、睡眠不足によって、免疫細胞の寿命が短くなってしまうことも示されています。

「感染の可能性が〇%上がる」などと言った数値は判明していませんが、睡眠不足が免疫システムと密接にかかわっていることはほぼ間違いありません。

寝ましょう。


医学部が研究プログラムに組み込むマインドフルネス瞑想🧘

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マインドフルネス瞑想は、免疫システムにも有効かもしれません。

あー、よくわかんないやつ出てきた。と思う方もいるでしょう。私も思いますよ、胡散臭いって。でも、マインドフルネスをもとにした治療法は、アメリカではかなりポピュラーです。

アメリカでは140の医学部(accredited medical schools)において、マインドフルネスをもとにした治療法を研究プログラムに組み込んでいます。これは医学部の80%に該当するそうです。

そんなマインドフルネスの免疫システムへの効果を、南カルフォルニア大学がまとめ上げた研究結果が2016年に公開されています。その結果によると、

マインドフルネス瞑想は

・呼吸器疾患をもつ患者の免疫細胞(好中球)を活性化する
・免疫システムで重要な働きをするT細胞を活性化する
・免疫細胞の寿命を延ばす
・ウイルスや細胞を攻撃するIgGを増加させる

などなど、ポジティブな効果を示すことが明らかになっています。

”プロバイオティクス”や”亜鉛トローチ”のような直接的な効果は示されていませんが、健康な体を作るためにマインドフルネス瞑想を生活に取り入れるのはオススメです。


ビタミンCで風邪を予防するのはかなり厳しい🍋

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ビタミンCが風邪に効く!っていうのは常識のように知れ渡っていますが、本当のところかなり微妙な効果しかありません。

最も信頼できるのはやはりコクランが出している2013年のレビューです。この研究は過去29試験、11,306人のデータが含まれている信頼できる研究です。

データ解析の結果がコチラ

・普通の成人はビタミンCを摂っても風邪を発症するリスクは変わらない
・マラソン選手や兵隊など過度な運動をしている人のリスクは52%下がる
・風邪の期間は8%減少
・小児の風邪期間は14%減少

したがって、”プロバイオティクス”や”亜鉛トローチ”と比べるとかな~り見劣りする結果と言わざるを得ません。

わずかに効果があるっちゃーありますけどね。アスリート系の人は使ってもいいかもしれません・・・

2018年にはもっと高用量のビタミンCなら効くよ!と主張する研究も出てきたりしてるんですが、どうも研究のやり方が気に食わないんですよねぇ。

なんか、都合のいい結果だけ切り貼りしているような。そんな気がします。


まとめ

免疫力を高める方法のうち、圧倒的にオススメなのが”プロバイオティクス”を摂ることです。次点で”亜鉛トローチ”です。この2つは常備しておくと良いでしょう。

睡眠不足の方は睡眠を見直すことで、免疫力を高めることができるかもしれません。マインドフルネス瞑想をすることも有効です。

しかし、この2つは先に紹介したプロバイオティクスと亜鉛トローチほどの効果を出せるか微妙なので、あくまで補助的に使うことがオススメです。

ビタミンCを使うのは止めませんが、大した効果は無さそうです。






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引用

Hao, Qiukui, Bi Rong Dong, and Taixiang Wu. "Probiotics for preventing acute upper respiratory tract infections." Cochrane Database of Systematic Reviews 2 (2015).

Singh, Meenu, and Rashmi R. Das. "Zinc for the common cold." Cochrane Database of Systematic Reviews 6 (2013).

Besedovsky, Luciana, Tanja Lange, and Monika Haack. "The sleep-immune crosstalk in health and disease." Physiological reviews 99.3 (2019): 1325-1380.

Black, David S., and George M. Slavich. "Mindfulness meditation and the immune system: a systematic review of randomized controlled trials." Annals of the New York Academy of Sciences 1373.1 (2016): 13.

Hemilä, Harri, and Elizabeth Chalker. "Vitamin C for preventing and treating the common cold." Cochrane Database of Systematic Reviews 1 (2013).

Ran, Li, et al. "Extra dose of vitamin C based on a daily supplementation shortens the common cold: A meta-analysis of 9 randomized controlled trials." BioMed research international 2018 (2018).


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