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インドで測定不能値をたたき出したPM2.5。しっかり対策が必要な理由と対策法をまとめてみた。
ハイライト
・インドで検出限界を超えるPM2.5が発生!
・PM2.5は呼吸器だけではなく、心臓病や糖尿病まで引き起こす
・マスク選びはN95が大切。
大気汚染物質が測定限界超えるってヤバくね?
I think we are heading towards Delhi recording the most polluted day in the history of world!! Most of the Delhi areas are showing an AQI of 999 because the meters can't record above that. This is a DISASTER!#DelhiAirEmergency pic.twitter.com/5pY52i5QPw
— Varun Jhaveri (@Varun_Jhaveri) November 3, 2019
ついこの間、11/3にインドで測定限界の999を超えるPM2.5が観測されました。現在、大気汚染がひどすぎて視界が悪くなり、飛行機が遅延し、学校が休校になるという、世紀末現象が起きています。
インドにおいては、大規模な焼き畑農業、自動車の排気ガス、電気需要増加による大規模な火力発電、生物燃料による非効率な燃焼などが原因となり、PM2.5が大量発生しているようです。
でも、
・PM2.5ってそもそもなんなの?
・別に日本じゃカンケイないでしょ!?
・危険なのは知ってるけど、できる事あんの?
などなど、知識面での定着はまだまだ低いですよね。そもそも名前が悪すぎます。PM2.5なんて意味不明な名前だと、体に悪いものっていう感覚自体が出てきにくいですよね。
でも、知らずにPM2.5を大量吸入しちゃったら、取り除く方法はありませんからね。適切な予防はゼッタイに必要です。
今回は、
・PM2.5とはそもそもなんなのか?
・PM2.5を知らないことが私たちにとって損な理由
・PM2.5を防ぐ方法
を深く、でもカンタンに!まとめていきます!!
そもそも、PM2.5ってナニ??
PM2.5のPMとは、Particle matter=粒子状物質のこと。そして2.5とは、大きさが2.5マイクロメートルのことを指します。
はい、意味不明ですね。
とりあえず覚えてほしいのは、”ちっちゃいヤツ”ってことです。
大きさは、髪の毛の太さの1/30とか、細菌1個分とか言われますが、とにかく小さいということだけ覚えておけばOK。
PM2.5は、モノの燃焼によって起こります。自動車の排気ガスや火力発電、薪や牛糞などの非効率な燃料を燃やすと発生し、空気中に散らばって、私たちの肺に入り込んで悪さを引き起こします。
インドのほかに中国でも大量にPM2.5が発生していますし、日本でも火力発電や自動車によって常に発生している物質です。最悪なことに、いったん体に入ったPM2.5を除去する医療手段は、現在のところ開発されていません。
PM2.5とかって騒いでるけど、死んだりすることはないでしょ?
死にます。めっちゃ。PM2.5のせいで。
2016年の研究によると、
・PM2.5による世界の死者数は1年あたり315万人
・中国で133万人が死亡
・インドで57万5000人が死亡
・パキスタンで105万人が死亡
・アメリカで5万2000人が死亡
中国やインドでの死者が多いのは納得いくかもしれませんが、アメリカのような先進国でも5万2000人がPM2.5が原因の死を迎えている。と考えると、日本にいるからと言って油断していいわけではありません。
PM2.5が引き起こす様々な疾患
1.呼吸器疾患
PM2.5は空気の流れに乗って体に入ります。普通のホコリや塵は大きいので、気道の粘膜にひっかかって痰として排出されるなど、生体防御機能によって侵入が阻止されます。しかしPM2.5はとにかく小さいので、肺の奥底まで入り込み、肺で炎症を引き起こします呼吸器系は特にダメージを受けやすい臓器です。
*1より引用
粒子径が大きい右側は気道にしか到達していませんが、
粒子径が小さい左側は肺に到達しています。
■PM2.5によって引き起こされる肺疾患
・慢性閉塞性肺疾患(COPD)
・喘息
・肺の感染症リスク増大
・肺炎
などなど様々な疾患を引き起こす原因になります。
2.心疾患・血管病
一見、心臓や脳血管とPM2.5は関係ないようにも思えるのですが、数多くの研究によって、PM2.5は、心筋梗塞や狭心症、脳梗塞などの病気を引き起こすことが示されています。
PM2.5は肺などに侵入することで炎症を引き起こします。炎症は酸化ストレスを引き起こします。酸化ストレスは、視床下部や交感神経系に作用して、ノルエピネフリンやコルチゾールなどのストレスホルモンの放出を促すことが示されています。その結果、血圧の上昇や血管の機能障害を引き起こしたり、血栓の生成を促進することで血管を詰まらせることで、最終的に心疾患や血管病を引き起こすことが示されています。
3.糖尿病の誘導と悪化
糖尿病もPM2.5と直接関係があるようにはみえない病気ですが、PM2.5が引き起こす炎症は血糖にも悪い影響を及ぼします。
2013年の中国の研究によると、長期的にPM2.5を吸ってしまった場合、内臓脂肪の炎症や、インスリンが効きにくくなるなど、糖尿病の発症のトリガーとなる現象を引き起こすことが示されています。
4.新生児への最悪の影響。
妊娠中の母親がPM2.5を吸い込むと、早産や低出生体重のほか、新生児死亡率が増加するなど、最悪の影響を及ぼすことを示す研究がいくつも示されています。(パッと確認できるだけでも7つ以上の研究があります。)
恐るべきことに、PM2.5には内分泌かく乱作用。つまり、ホルモンの正常な機能を奪う作用があることが分かっています。それによって胎盤の酸素と栄養の輸送能力にダメージを与え、子どもへの栄養供給を阻害してしまう可能性が示されています。
PM2.5を防ぐ、私たちができる方法
1.マスク
2018年には、PM2.5の多い北京で9つのマスクがPM2.5をどのくらい防ぐかをテストした研究が行われました。
試されたマスクはコチラです。
一番性能がよかったのは、Yimejianという右下のマスクで、PM2.5の侵入を0.2%に低下させることができました。
一方、一番悪かったのはGuchengという下段真ん中のマスクで、20.7%のPM2.5を通り抜けさせてしまいました。運動時だと32.8%も通過させてしまいました。
もちろん、マスクをつけないよりはつけた方がいいのですが、見た目でマスクの性能を判断するのはほぼ不可能です。そこで、大事なポイントを2つ紹介します。
マスク選びの重要ポイント:『N95マスク』を使う。
N95マスクとは、結核や麻疹、SARSなどの小さな微粒子を防ぐ性能を持つマスクのことです。花粉症など、数々のアレルゲンに対しても高い効果が期待できるので、まずはコチラを選択しておくのがオススメ。
普通のマスクはPM2.5を防げるほどの性能を持っていません。
N95マスクを選びましょう。
本当なら、研究中でも優秀な成績を収めた
3M 9322マスクを使いたいところですが、さすがに日常生活でこれをつけるのは抵抗がありますよね。。。ガチ感が強すぎる。強者のマスクですわ。
私のおすすめはコチラです。
1枚99円とコストも低く、日本製のYAMAMOTO 7500 N95マスク。
見た目も派手じゃないですし、スペック的にも申し分なし。
ほかのN95マスクでも良いんですが、注意点があります。
”PM2.5対応”とか、”医療現場採用”といった言葉はN95のスペックを保証しているわけでは全くありません。どの程度PM2.5を防ぐのかもわからないので、避けた方が無難ですよ。
マスクをつけるのは面倒かもしれませんが、PM2.5が多い日や、外にいる時間が長い日、花粉がまっている日などはN95マスクをつけておくと、かなり高い予防効果を期待できます。
2.空気清浄機
PM2.5はとにかく小さいので、普通の家にはカンタンに侵入します。特に寝室など居住時間の長い部屋には空気清浄機を置くのが最も効率的な方法です。寝てる間はマスクをつけてるのが難しいですしね。
3.生活上の注意
当然ながら呼吸量が多くなると、PM2.5の吸引量も上がってしまいます。
最近は天気予報でPM2.5の情報も流れてくるので、PM2.5が多い日は激しい運動を避けたり、N95マスクをしっかりつけることが重要です。
まとめ
PM2.5は小さいものの、それ故にたくさんの疾患の原因となる最悪の大気汚染物質です。私たちの肺から一度入ったPM2.5を完全に取り除くことはできません。
N95マスクや空気清浄機をしっかり使って、PM2.5を吸い込むこと自体を防止していくことが重要ですよ。
ーーーーー おしまい -----
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引用
1.https://www.env.go.jp/air/osen/pm/info/cic/attach/briefing_h25-mat03.pdf
2.Giannadaki, Despina, Jos Lelieveld, and Andrea Pozzer. "Implementing the US air quality standard for PM 2.5 worldwide can prevent millions of premature deaths per year." Environmental Health 15.1 (2016): 88.
3.Feng, Shaolong, et al. "The health effects of ambient PM2. 5 and potential mechanisms." Ecotoxicology and environmental safety 128 (2016): 67-74.
4.Cherrie, John W., et al. "Effectiveness of face masks used to protect Beijing residents against particulate air pollution." Occupational and environmental medicine 75.6 (2018): 446-452.
5.Wang, Chenchen, et al. "PM2. 5 and cardiovascular diseases in the elderly: An overview." International journal of environmental research and public health 12.7 (2015): 8187-8197.
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