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【空間除菌】クレベリンやジアイーノは新型コロナウイルス等に効果あるの?安全性は大丈夫?

新型コロナウイルスの流行がますます身近な問題になってきました。
みんなが知っているタレントも被害にあってしまいました。
被害者拡大は留まるところを知りません。

新型コロナは軽傷で済む。そんな言葉が独り歩きしていますが、医師の軽症の定義は、素人の考える定義とは全く異なります。少なくとも新型コロナにかかったらキツい!というのは間違いありません。

すると、予防が当然重要になってきて、手洗いうがい以外の方法として注目を浴びるのが「クレベリン」「ジアイーノ」のような空気を殺菌するアイテムたち。

今年はインフルエンザが早期に流行ったこともあって、クレベリンの売上は激増しています。(2019年10月~12月は前年同期比85%増
さらに、パナソニックのジアイーノは2025年に2018年比3倍の100億円を目指すなど強気の発表をしています。(日本経済新聞より

職場や公共スペースにこれらの商品が置いてあることも非常に多くなってきました。

ただ、「クレベリン」には突かれると痛い過去があります。

”クレベリンの有効成分「二酸化塩素」の部屋中への広がり方が適切な表現になっていない”という、景品表示法に定められる「表示」についての措置命令です。

ただ、これを見ても、実際のところウイルスに効くのか?どうやって使えばいいのか?そもそも安全性はどうなのか?といった部分がイマイチよくわかりません。

パナソニックの空気清浄機ジアイーノには、このような指摘はありません。しかし、このご時世に買う方は、ちゃんと効果があるのか?安全性は大丈夫なのか?といった基本的な情報を知る権利があります。

今回は、メーカー側のデータと第3者のデータを突き合わせたうえで、現状のエビデンスを分かりやすくまとめてみました。

政府や役所のいうことだけ信じるのは、おバカさんのすることになりました。こんなご時世だからこそ、自分の身は自分で守る必要があります。

収入だって不安定になる方もたくさんいます。お金や時間を無駄にしないために、カンタンに確認できる情報を残しておきます。わざわざ私のnoteを見てくれる方だったら、きっと有効に使ってくれると信じています。


📊クレベリン(二酸化塩素)のエビデンス

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クレベリンの効果は20点くらいです。

とはいえ、正しい判断をする為には療法のデータを見比べることが重要なので、まずはクレベリンを有効とする根拠を確認していきましょう。

基本的にはクレベリンを肯定する研究はクレベリンの製造販売元:大幸薬品の研究者Norio Ogata氏が行ったものです。

例えば、2016年にPharmacology誌に掲載された論文では、クレベリンの有効成分「二酸化塩素」を発生させる装置を使って、バクテリオファージというウイルスの1種を劇的に減らすことに成功しています。
また、2008年にJournal of General Viology誌に掲載された論文では、クレベリンの有効成分「二酸化塩素」を発生させる装置を使って、マウスのA型インフルエンザウイルスへの感染を防ぐことに成功しています。この研究で、Ogata氏は0.03ppm程度でインフルエンザなどのウイルス感染を防ぐことができると主張しました。

注目すべきポイントは、実験中クレベリンを使ったわけではなく、二酸化塩素発生装置を使っていること。この装置には、二酸化塩素をケージ内にしっかり循環させるためのポンプもついています。

また、著者はクレベリンの販売元、大幸薬品に所属している為、研究に強いバイアスがかかっている可能性を否定できません。


📉クレベリンは無効だというデータも、当然ある

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日本環境感染学会誌に2016年に掲載された論文では、クレベリンの効果が不十分であることが示されました。この論文では実に残念な事実が示されました。

そもそも、クレベリンは6畳程度の大きさで有効濃度の0.03%を達成するには半日以上も必要だったのです。つまり、換気をしっかり行っている部屋や、大きな部屋に1個程度置いただけでは、クレベリンに十分な効果は見込めません。

これでは実験ができなかったので、1.8㎥(トイレ部屋くらいの大きさ)の場所にクレベリンを設置したA条件と、何も手を加えないB条件で、インフルエンザウイルスをばらまき、ウイルスが不活化されたかを比較しました。

結果、A条件とB条件には差が見られませんでした。つまり「インフルエンザウイルスはクレベリンによって不活化されない」と結論付けられたのです。


おやおや、先ほどの実験と矛盾していると思いますか?
でも、事実をまとめていくと良い判断ができそうな材料が出そろってきましたよ!答えはもうすぐ!


👉クレベリンの効果についてのまとめ

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クレベリンに効果がないとは言えませんが、
ウイルスを無効化できる確実さを
100点で表すと20点くらい。

Ogata氏の主張通り、おそらくクレベリンの主成分「二酸化塩素」にはウイルスをやっつける能力があると思います。しかし、彼の実験で使われるのは必ず「ポンプ付きの二酸化塩素発生装置」であり、「クレベリン」ではないのです。二酸化塩素の効果を有効活用するためには、部屋に均一に充満させることが1つの条件なのだと推測できます。

日本環境感染学会誌に掲載された論文の通り、通常の部屋ではクレベリンの主成分「二酸化塩素」の空間濃度を得るために半日以上かかる。

したがって、クレベリンを”ただ置くだけ”では、十分な効果は得られないと考えられます。

もちろん、全く効果がないワケではないので置いてもいいのですが、

「手洗いうがい」や、「手で目や鼻を触らないことを徹底」「ヒトに会わない」「換気を十分にする」などは70点くらいの効果があるので、そっちをやった方が良いんじゃないかなぁ。という感じです。

他をちゃんとやったうえで、防備をさらに固めたいなら使うのはアリです。


**大量にクレベリンを置いた場合、二酸化塩素過剰となる可能性があります。扇風機をクレベリンに当てて揮発量を増やすなどの使用は絶対に控えましょう。目の不快感、気道の違和感などが初期症状として出てきたら、早めの受診を。


❔ジアイーノについて

ジアイーノとは、有効成分「次亜塩素酸」を発生させるタイプの空間清浄機です。パナソニックは空気清浄機より「菌・ウイルス・ニオイ」に特化させたものだと主張しています。

と、ここまで書くと「次亜塩素酸」という聞きなれない言葉に困惑しちゃう方もいらっしゃると思うので、まずは次亜塩素酸についてカンタンに確認してみましょう。


💧次亜塩素酸水は身近な除菌水💧

次亜塩素酸水とは、1分以内に黄色ブドウ球菌、MRSA、大腸菌、インフルエンザウイルス、ノロウイルスなどを分解できる除菌水です。「食塩」を電気分解しただけで簡単に作れるのが特徴です。

すぐに分解してしまうので長期保存には向きませんが、逆に食品や環境に残らず、介護や医療現場でも使われる信頼性の高い除菌水です。他には哺乳瓶の除菌、水道水の浄化などにも使われます。

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厚生労働省:
次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムの同類性に関する資料より引用

次亜塩素散水は手荒れも少なく、アルコールの代わりの手指消毒液としても有効です。もし使う場合は次亜塩素酸”ナトリウム”とは違うので注意しましょう。


🗂️ジアイーノのエビデンスは?

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ジアイーノの次亜塩素酸は、揮発して本体外部の付着菌や付着ウイルスにも効果を示す。とパナソニックは主張しています。ミスト状(細かい水滴:液体)となった次亜塩素酸水が効果を示すのか、気体となった次亜塩素酸(が効果を示すのか、細かいところが良く分からないので、何とも言えない部分があります。

ただし、パナソニックはしっかり研究を行う会社なのでいろいろな自社データを持っています。

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↑:外部機関による安全性検査:https://panasonic.jp/ziaino/oshiete.html

安全性については、動物実験レベルではかなり良いデータが得られているみたいです。本当はヒトのデータがあればもっと良いんですが・・・


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↑(一財)北里環境科学センターによるデータ

18畳の部屋でジアイーノを実際に稼働させ、3時間で90%の細菌とウイルス抑制を達成しています。

ホームページには付着ウイルスにも効果ありと書いてありますが、汚れの程度にかなり左右されるので、ここはあまり信じすぎない方が良い気も。


ジアイーノのまとめ

海外の研究データや、第三者の否定意見などもあればもっと客観的な判断ができたのですが、今のところはパナソニックHPの情報をメインに判断するしかありません。

しっかりデータをとっているなぁという印象で、おそらくちゃんと効果もあり、安全性も保障される商品だと思います。そのぶん値段は張るので、本気で空間除菌をしたいなら、クレベリンよりはオススメです。

推奨度を100点で表すなら、40点くらいかなぁ。。。


📡まとめ

まず、クレベリンはしっかり部屋に広がって効果を示すか微妙。100点中20点くらいのエビデンスしかないです。

紀元前3000年から使われている人類の知恵、石鹸を使って、手洗いをする方が、安上がりなうえに効果も高いでしょう。なぜ石鹸が現代でも使われるか考えてみましょう。

ジアイーノは信頼の次亜塩素酸を使った空間洗浄機。空気を循環できるうえ、試験内容も多いので、クレベリンよりは大分良い感じですが、手洗いうがいほどの効果は無いでしょう。

結局それかよ・・・と思うかもしれませんが、感染症対策の基本は

・手洗い
・うがい
・近づかない
・触らない
・換気

です。これらをやらずして感染予防するのは無理!

面倒なことだからこそ、効果があります。


今回のギモンの提供者

今回は、新しくサークルメンバーに加わってくれたコノハさんのギモンをご紹介しました!
次亜塩素酸だの二酸化塩素だの、おどろおどろしい言葉が並ぶ殺菌領域に、素直なギモンをぶつけてくれてありがとうございます^^


おしまし!

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引用

Ogata, Norio, et al. "Inactivation of airborne bacteria and viruses using extremely low concentrations of chlorine dioxide gas." Pharmacology 97.5-6 (2016): 301-306.

Ogata, Norio, and Takashi Shibata. "Protective effect of low-concentration chlorine dioxide gas against influenza A virus infection." Journal of general virology 89.1 (2008): 60-67.

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