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凡愚もまた、生きなければならない。

好評いただいている #レーダーチャート診断Ver .2ですが、なぜかマリナ油森さんのところへ誹謗中傷(?)が届いているらしく、ご迷惑をおかけしてしまっているなぁ。と反省しています。

レーダーチャート診断Ver.2は私と池松さんの共同主催ですから、ここで私の在り方について、再考して立場をハッキリさせておきたいと思います。みんなにとって、良い状態とはなにか。それをしっかり把握しておきたいと思います。


■まりなさんのnoteの目的

私がnoteを書く目的は「楽しく遊ぶため」です。
無責任にヘラヘラ遊ぶ、という意味ではなく

・一年と少しの間に知り合った人たちと一緒に
・それぞれの楽しいnoteの使い方を極めていく

のが目的です。

素晴らしい目的です。

共感。僕もマリナさんが記事を褒めてくれたことがすごくうれしかったし、楽しく遊ぶ経験をくれた彼女に好意を持っています。同じような経験をしている人もとても多いことはTwitterなどを見ればすぐにわかります。

彼女は素晴らしい人格を持っているなぁといつも感心しています。


問題点①:まりなさん、石を投げられる。

・カースト上位と思われる。
・PV数やスキ数を誇らず、権威性を払うよう努めている。
・しんどい人のためにフォローの言葉をかけている。
 →この調整はしんどい。

キラキラしたマリナさんという勝手なパブリックイメージやおけパ現象。広義では嫉妬が引き起こすネガティブな行動のはけ口となってしまっていること。これは大きな問題です。


問題点②:「個人の市場価値を上げる」は正か否か。

書くことが重荷になり、しんどいと感じる人が出てしまっている。それによって「楽しく遊ぶ」ことができなくなり、離脱する人に心を痛めている。

ここで注目すべきは、
市場価値を上げることはダメだ。とは言っていないこと。

この論争は、決着のつかない政治哲学と似ています。

■リバタリアニズム
・ひとは自由に生きるのがすばらしい

■リベラリズム
・ひとは自由に生きるのが素晴らしい。ただし平等も大事だ。

この決着のつかない政治哲学を今回の論争に置き換えると、
こう言い換えることができないでしょうか。

■池松さん
・個人の市場価値を上げることはすばらしい

■マリナさん
・個人の市場価値は素晴らしい、ただし楽しく遊ぶことが最も重要だ。

政治哲学は激しい論争が起こります。Twitterを開けば右派と左派が争い合っている姿をカンタンに確認できるでしょう。

私は、今回の騒動を右派左派の争いのように、解決せず憎悪のみが吹き荒れるものにしたくない。解決策がないとしても、許容できる範囲を模索していきたいのです。

さて、今回マリナさんは「遊び場」としてnoteを使っていくことに重点を置いた主張を行っています。「個人の市場価値は素晴らしい」とは書いていないものの、それ自体に反対の立場ではないように印象を受けました。

つまり、遊び場 >> 個人の市場価値 なのです。
池松さんは、個人の市場価値>>遊び場であると感じます。

これは、お互いの立場を否定していることを意味しません。

単純に「どちらを重要とするか」の話。

おふたりが「対話」を行い、妥協点を見つけられるのかそうでないのか。それは私のコントロールの外にあります。ただ、自分なりの答えを見つけたい。そう思ったので考えをここに残してみたいのです。


■答えのない問題にどう立ち向かうか。

「答え」の存在しない論争に立ち向かうために、詳細を詰めることは良いことだ。しかし、私の経験上よっぽどの信頼関係がない限り、議論が成立するところにすらたどり着かない。

僕は、こういった「答え」がない問題に立ち向かうとき、1つの本をよりどころにしています。

荘子(福永光司訳)である。

東洋哲学は、西洋科学と違い明確な答えや実験を行っていません。

問題や疑問を数値化できるとき、西洋科学は圧倒的な精緻さによる完璧な解決法を提示することができる。現代を作り上げたのは、西洋科学です。

しかし、東洋哲学は解決できない問題や気持ち、人間の生き方について深い知を与えてくれます。科学では解決できないような心の動きや人間の考え方について徹底的に考察されているのが、東洋哲学なのです。

科学文明があろうがなかろうが、人間の脳は大して進化していません。その脳をフル稼働して考え抜かれた、天才思想家の知を2000年以上語り継がれてきた書。それが荘子なのです。

この書を片手に、人間の危うさについて考えてみよう。


■調和と人間

大自然の世界では春が過ぎれば夏となり、冬が去れば春がやってくる。時間は片時たりとも止まらず秩序正しい。晴れれば必ず曇り、曇れば必ず晴れる。自然の世界は絶えず変化しながらも、大いなる調和を保っている。

そう、自然は調整を受けることなくバランスを保ち、調和を保っています。しかし人間の世界はどうでしょう?

現代において生を安らかに楽しむことができていると言い切れる人がどのくらいいるでしょう。何が人間の世界を混乱と無秩序にし、不安と恐怖をあおるのでしょうか。

鳥は教えることなく空を飛び、魚は教えることなく海を泳ぐのに、人間はなぜこうも迷っているのでしょうか。


■儚く美しき心

強いと言えばこれほど強いものもなく、弱いと言えば、これほど弱い者もない。温かいと言えばこれほど暖かいものもなく、冷たいと言えばこれ程冷たいものもない。しかも、強さと弱さが定めなく入れ替わり、暖かさと冷たさが気まぐれに変化する。

神のごとき慈愛に微笑むかと思えば、悪魔のごとき残忍さに狂いたち、天空の高みに飛翔するかとみれば、地底の深みに沈む。風のごとく去来し、怒涛の如く荒れ狂う。

荘子は崩れやすく変わりやすい心を、「自分だけは大丈夫」とうそぶいているのが、「大部分の人間の健全さ」であると言います。

そしてその健全さが、ひとたび異常な状況の中に身をさらすとき、人間は自分の他愛なさ、崩れやすさ、覆りやすさを見て絶望するのです。

心の不安定さと崩れやすさに注目することなく、社会やコミュニティに秩序をもたらすことを考えようとするのは、紙とのりで豪邸を作ろうとするようなものなのではないでしょうか?


良きも悪きも数値化するレーダーチャート診断のようなツールは、自分の立ち位置を知るためにとても有用ですが、もっともっと人の心に寄り添えるようなツールに進化させていかなければならないんだろうなぁ。と思います。


■ねばならないの恐怖

他人から示された「ネバナラナイ」は虚構です。

・年収○○万円以上でなければならない
・フォロワー○人獲得しなければならない
・毎日投稿しなければならない

やるべきことがわからないから...と安易なHow toに飛びつきたくなる気持ちはわかります。「○○だけやっておけば大丈夫」という言葉に人は脆弱です。

しかし実際のところ、
「やらなければならないこと」なんて存在しないのです。

「価値を高める」についても、池松さんが思う今後の時代の在り方や進み方に対して、より良いアプローチだという話であって、必ずやらなければならないことではありません。実際のところ、SNSなどつかわない業態や個人の在り方だって、消え去るワケではありませんし、そういったフィールドで生きていくことが良いとか悪いとかそんな話もあり得ません。


■欲望は殺戮の刃に

欲望は本来、人間の安らかな生活を築くためのものです。しかし、私たちは欲望が破滅と堕落をもたらす殺戮の刃になることもよく知っています。

荘子は人の欲望を6つに分類します。

・食欲
・性欲
・物と金に対する欲望
・名声に対する欲望
・権威の固定化と永続化に対する欲望
・長寿や不死を願う欲望

これらの欲望は多くの仕組みを作り出し、人々を豊かにしてくれるものです。しかし、過ぎた欲望は搾取を生み出し人を害します。それがとどまるところを知らず増長すれば、自らの身をも滅ぼすのです。


■凡愚もまた、生きなければならない

高貴な人間には生きる価値があり、平凡な人間には生きる価値がない。
それは明らかに間違いです。

金・権力・容姿・健康・道徳的に優れた人間にのみ価値があり、それ以外は無価値であることなどあり得ません。それは生命に対する冒涜です。

ガンジス川は濁っています。
晴天の空のように青々しく美しさを主張することはありません。
しかしガンジス川は敬虔なヒンドゥー教にとって
ガンジス川は重要な存在であることが、
はるか遠い日本にすんでいる私たちにも理解されています。

人間の命も同じです。

人間の価値を金・権力・容姿・健康・道徳のみによって決めることに無理があるのです。

「良い命、良い生き方」は自分で決めなければなりません。

今すぐ決めるというよりは、人生の課題という感じ。長い目で一つ一つ試していくのです。

リンゴだけを果物と決めつけ、他の果物はすべて果物でないとするような議論に時間を費やすのは、人生と時間の無駄遣いです。

自らの価値を、自ら見つけに行きましょう。


■レーダーチャート診断の高度な使い方

マリナさんは、レーダーチャート診断の結果を振り返って、

第4部:「拡散する・される」
第5部:「貢献する」

の2つの項目を意識的にググっと下げてみようという話をしていました。池松さんがきいたら怒るかもしれないけど、僕はそれでいい。むしろ、それがいいんじゃないかと思います。

SNSやnoteの付き合い方は、自分が決めるべきです。

自分の納得する一番いい使い方をするために、レーダーチャートの点数を意識的に「下げる」というのも一つの選択肢としてアリです。アリアリです。

「自分の価値を高めなければならない」ということはありません。

自分の幸せを作る一つのツールになったら、僕はそれで嬉しいのです。そもそも自己評価してるだけですから、だれだれより点数が低かったからダメだ・・・と落ち込む必要なんてどこにもありません。

ただ、レーダーチャート診断は、自分の行動決定の指針でしかないのです。

高すぎる点数を下げることも良いでしょう。低すぎる点数を上げようとすることも良いでしょう。自分で考え、それを決めて頂けたらそれが答えなのです。

その基準は、
有名な誰かがそういっていたかどうか?ではなく、
自分が幸せだと感じるかどうか。


ツールをうまく使って、皆さんが幸せへと近づけることを応援しています。


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