寝る前スマホの悪影響を防ぐ3つの方法_

寝る前スマホの悪影響を防ぐ3つの方法

ハイライト
・89%のヒトが寝る前スマホをやってる!
・平均睡眠時間が6時間を下回ると、睡眠時間への不満が約2倍に増える
・昼間に我慢しすぎて欲求不満になっちゃってる
・寝る前スマホを避けるSTOPP法

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■寝る前スマホの実態調査

寝る前スマホをしてしまうヒト

シードが500人の男女に行った現代人のスマートフォン利用調査によると、スマホを「寝る前に使用する」人はなんと全体の89%!

寝る前スマホは、ほっとんどのヒトがやる寝る前行動のNo.1。

夜、歯磨きをちゃんとやってるヒトの割合が75%ほど。寝る前スマホは夜の歯磨きと比べても圧倒的に定着率の高い行動です。

さらに、ネイチャーラボが行った200人を対象とした調査では、「寝る前スマホ」が脳に悪影響を引き起こすことが示されました。

・就寝60分以内に電子機器を使う人のうち、66.7%が脳の疲れを、82.4%が脳の衰えを感じている
・睡眠時間が短ければ短いほど脳は疲れる!
・平均睡眠時間が6時間を下回ると、睡眠時間への不満が約2倍にまで増える
・6時間睡眠未満の人の71.1%が「自分の脳が疲れている」と回答


つまり、9割以上のヒトは夜にスマホをいじってしまう。しかし、寝る前スマホは明らかに体に悪そうだな~ということは誰もが実感しているのです。

私もご多分に漏れず、寝る前はゼッタイnoteを読んでいます。。。


今回は

・寝る前スマホが私たちに与える本当の影響
・なぜ、私たちは寝る前スマホをしてしまうのか?
・寝る前スマホを控えるために重要なスキル
寝る前スマホを控えるようになる3つの方法

について情報をシェアしていきます!


■寝る前スマホの悪影響

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先ほどは民間の調査会社が行ったデータを使って、寝る前スマホの影響を紹介しました。引き続き、研究機関が医学的に寝る前スマホの影響をご紹介します。

寝る前スマホが実際にどのような病気やメンタル状態を引き起こすのか?を一緒に見ていきましょう。

2019年12月にSLEEP誌に公開された106人の参加者を含む研究では、寝る前の行動が睡眠に及ぼす影響と、心理学的なダメージが調べ上げられました。

その結果、寝るの時間に何かをしてしまうヒトたちは、そうでない人達に比べて、451%(4.5倍!)も長い時間、寝る前スマホをしていました。彼らは通常のヒトよりも50分も遅く就寝していました。

それによって、不眠症リスクも急激に増加することが示されました。

さらにネガティブな効果も過去の研究で示されています。

・うつ病の発症率が上昇
・より強い不安を経験
・対人関係での問題発生率の増加
・人生の満足度の低下
・罪悪感と自己批判の増加

まとめると、

寝る前スマホは明らかに睡眠時間や睡眠の満足度を低下させてしまいます。その結果、睡眠不足を引き起こし、うつ病不眠症などの心理的なダメージを引き起こします。

それだけにとどまらず、人生の満足度を低下させたり、人間関係を破綻させるような人生への悪影響も引き起こしてしまうことが示されているのです。

寝る前スマホが体に良くないことくらい、誰でもわかるわ!という人も多いことでしょう。

では、なぜ寝る前スマホをしてしまうのか?についてシェアしていきます。


■現代人は昼間に我慢しすぎて欲求不満!

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2018年にfrontiers in Psychologyで発表された論文では”私たちが寝る前スマホをしてしまう驚くべき理由”が示されました。

就寝前に何かをやってしまうことが、睡眠不足を引き起こす原因であることは、以前から判明していることでした。しかしなぜ、そんな行動をしてしまうのか?については理由が不明でした。

そこで、研究チームは218人の参加者を集めてある実験を行いました。

・彼らに1日の行動を思い出してもらいました
・その後、彼らが欲求を我慢したかどうかを記録してもらいました。
 例)眠気を我慢した
   コーヒー、タバコ、アルコールを我慢した
   モノを買うのを我慢した
   遊ぶのを我慢した
   食べるのを我慢した  etc.
その結果、驚くべきことが判明しました。

『寝る前スマホをしてしまう人ほど、欲求を我慢している回数が多い』ことが判明したのです。

”欲求に遭遇した回数”ではなく、あくまで”我慢した回数”です。

私たちの欲求に対する抵抗力は1日の中で有限です。我慢できる回数なんて大した回数ではないのです。したがって、日中我慢したあらゆる欲求を、寝る前にしっぺ返しのように喰らってしまうのです。

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電車に乗ったり、街に行けばたくさんの広告があります。魅力的な店もたくさん。でも仕事中はお店で買い物をすることはできません。遊ぶことはもちろんできませんし、タバコやアルコールだって我慢しなくちゃいけないですよね。

日中忙しくいろいろなコトを我慢しているヒトほど、寝る前には寝る前スマホをしてしまうのです。

ただし、寝る前スマホをやってしまうかどうかは、各々のスキルによってちょっと異なります。それを決めるのが「セルフレギュレーションスキル」です。


■セルフレギュレーションスキルとは

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セルフレギュレーションスキルとはその名の通り、自分の行動・感情・思考を制御するスキルのことです。自分のコントロールをしっかりできる人はセルフレギュレーションスキルが高い人です。

やめたいのに、寝る前スマホをしてしまいがちなヒトは、「寝る前スマホをしたい」や「寝る前にジッとしていられない」という感情をうまくコントロールできていません。

実際に、セルフレギュレーションが低い人は寝る前スマホをしてしまうことや、睡眠不足に陥りやすいことが2016年のユトレヒト大学の研究ほか、さまざまな研究データによって示されています。

したがって、セルフレギュレーションスキルを高めることができれば、寝る前スマホを避けることができます。


寝る前スマホを避けることは、うつ病や強迫的な不安、低い自己肯定感や人間関係の破綻を避けることにつながります。

さらに、セルフレギュレーションスキルの強化は、失敗から立ち直ったり、プレッシャーの影響を受けにくい強いメンタルを作ることに直結します。

人生をサーフィンするために習得しておいて損は無いスキルですから、ぜひ強化して、幸せに近づいていきましょう。


■セルフレギュレーションスキルを高める3つの方法

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1.STOPP法

STOPPは最も分かりやすい感情のコントロール法です。

怒りや破壊衝動など、ネガティブな感情を感じたときにSTOPPを思い出してみてください。

S:Stop
  いったん立ち止まって考える

T:Take a Breath
  息を吸って、ゆっくり吐いて

O:Observe
  考えや気持ちを観察して

P:Pull Back
  視点を引き戻して。一番の目的や大きな目標はなんだっけ?

P:Practice What Works
  今すべきことを思い出して。ただやりましょう。

これ、読むと大したことないじゃん・・・と思うかもしれませんが、やってみるとかなり効果テキメンです。怒りが芽生えたときは特に!

怒りは強力な感情で、その時はそれしか考えられなくなるような強制力を発揮しますが、長続きしません。いったんStopして呼吸を整えるだけで怒りの感情は遠ざかっていくことが分かるはずです。

感情を意識的に遠ざける。これがまさにセルフレギュレーションの基本です。すぐにマスターできますから、ぜひチャレンジしてみてください。


2.リフレーミング

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リフレーミングとは、1度経験した状況をもう一度振り返って、解釈しなおす方法です。

例えば、「LINEが返ってこない」という状況があった時、
・あの人は僕のこと嫌いなんだ・・・
と感じたとします。

それをリフレーミングするときは、
・あの人は忙しいに違いない
・携帯でも変えたのかな?
・そういえば、あの人いつもLINE返すのが遅いんだった

などと自分にとって”ポジティブ”にとらえなおします。

これがリフレーミングです。状況は何も変わってないじゃん!と思うかもしれませんが、状況はあまり関係ありません。この場合、「あの人は僕が嫌い」というネガティブな感情が引き出されていることが問題なのです。このネガティブな感情にはそれを肯定する根拠がありませんし、そもそも”他人の感情を100%正確に知る”ことは絶対に不可能です。

出来事を自分にとってポジティブにとらえなおすことは何も悪いことではありません。お互いに良い関係を築くための基本的テクニックと捉えましょう。

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2016年の研究では、リフレーミングを使うと日々の幸福感や、人生への満足度、毎日のポジティブな感情、活力が改善することが示されています。

10代の若い人よりも、年齢が増えるほどにリフレーミングによる幸福感が高まりやすいことが示されています。もう若くないんだけど、日常にネガティブな感情が散らばっている人は、ぜひリフレーミングをマスターしましょう。


3.マインドフルネス瞑想

マインドフルネス自分の感情や体が感じていることを、より深く、リアルタイムに気付けるようになること。

これはまさに自分の感情をコントロールしていることにほかなりません。

コチラの記事でマインドフルネス瞑想をアプリでやる方法を示してあります。寝る前スマホをするくらいなら、寝る前にスマホを使って瞑想しちゃえばいいんじゃないでしょうか?

セルフレギュレーションスキルも高められる上に、寝る前スマホも辞められるのでオススメ。


瞑想じゃなくて、感情に気づく為に何に気を付ければいいか?知識を身に着けたい!という欲張りなヒトには「反応しない練習」がかなりオススメです。

「自分はいま◯◯している」と心の状態を言葉で確認することや、手のひらや足の裏の感覚を意識しながら体を動かすことで心を落ちつけるといった、物事に無駄に反応しないための方法。これすなわちマインドフルネスであること。是非試してみてください!


おしまい

このnoteは、世界中の論文を読み漁ることが趣味の私が、普段の生活や健康、美容などについて、根拠に基づいた意思決定をするための知識を提供していくnoteです。アナタの時間を、もっと楽しいことや自分の興味のあることに使うための情報を集めて書いていきます!

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引用

An, Hyeyoung, and Sooyeon Suh. "What do people do before going to bed? A study of Bedtime Procrastination using Time Use Surveys." Sleep.

Kamphorst, Bart A., et al. "Too depleted to turn in: the relevance of end-of-the-day resource depletion for reducing bedtime procrastination." Frontiers in psychology 9 (2018): 252.

Kroese, Floor M., et al. "Bedtime procrastination: A self-regulation perspective on sleep insufficiency in the general population." Journal of health psychology 21.5 (2016): 853-862.

Brockman, Robert, et al. "Emotion regulation strategies in daily life: mindfulness, cognitive reappraisal and emotion suppression." Cognitive Behaviour Therapy 46.2 (2017): 91-113.

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