児童相談所


「今度、児童相談所の児童福祉司さんとお話するよ。」と伝えると明らかに怪訝そうな顔をしやだな〜なんていう子どもがいました。

児童相談所の児童福祉司とは、虐待疑いの通報を受けてから一時保護、家庭訪問、面接、施設入所後のフォローといった一連の流れの中で子どもと密に関わっていく役職です。


しかし、児童福祉司とは一般の公務員で採用された人がたまたま児童相談所に配属されたというケースが約半数を占めています。

これは、医療の知識がなく医師の免許を持っていない人が病院で医師として働いている感覚です。

”命を助けたい” ”困っている人を助けたい”という絶対的な目的のもと医師や弁護士になるように、児童福祉司だって”子どもを守りたい” ”子どもの命を救いたい”という目的を持った人が働くべきだと強く思います。

専門性がない。知識がない。仕事への熱量がない。

そんな人が半数を占める児童相談所で、子どもの命を守っていくことができるのでしょうか。


冒頭で紹介した会話ですが、その子どもは児童福祉司さんは怖いし怒るしお父さんお母さんと引き離す嫌な人。と言っていました。

被虐待児の対応の仕方や一時保護中のケアの知識がない児童福祉司。
保護者と離れる必要性を伝えられない児童福祉司。

そんな児童福祉司が多く働いているのが児童相談所の現状です。


もちろん、専門職採用され児童福祉司になる人もいます。
しかし児童福祉司一人が受け持つ虐待ケースは100件近くあります。

この膨大な数を一人でこなしていく中で、バーンアウト(燃え尽き症候群)や精神疾患を発症してしまう人も少なくありません。

いつだか読んだ記事で、児童福祉司として働くお母さんが『ネグレクト(育児放棄)で保護された何十件もの子どもの対応で、自分の子供をネグレクトしてしまっている』と児童福祉の難しさについて話していました。


日本の未来を背負う子供を自ら手放しているこの国は、
あとどれだけ子どもの命が失われれば気付くのでしょうか。

私にとって児童福祉は、社会福祉の中でも隅の方に追いやられ小さな檻のなかでただくるくると回っているだけのように感じます。