メリークリスマス、1225、イチニーニーゴ、いちにーにーご

 
枕元を見ることもないクリスマス、サンタを信じるクラスメイトが嫌いだった12月、身体だけでも大きくなった今はそんなの取るにたりないものなんだけど、サンタさんはいい子にしてたらやってくるらしい、だとしたら、わたしはいい子じゃなかったですか、上手にやれば先生はいい子だと褒めてくれたけど、サンタさんにはわかっていましたか、しねばいいのにと救急車のサイレンを冷静に聞いていた夜のこと、貼り付けたようなエガオのこと、まるで神様ですね、神様だったのかもしれないですね、今はもう、別の神様を信仰しているのでごめんなさい、神像、心臓、わたしのかたち、音楽がほしい、鈴はいらない、もっとポップなデスクトップ・ミュージック、メカニカルな賛美歌、いつだってリリックはロジカルにつくられる、天才なんてどこにもいない、いるとしてもいい子なんかじゃない。
 
 
都合の良い子どもとして表彰された日に初潮がやってくればよかったのにと思った、からだとこころがずれていく、のだと感じていたあのころのわたしに、ずれていたのは世界そのものとわたしすべてなのだと教えてあげたい、きっと喜ぶ、くらいのばかやろうだったのですよ、精巧でありたかった、完璧でありたかった、ケーキがじょうずに等分できないおとなになってしまった、子ども部屋で眠ってみたかった、そうしたら、24時を過ぎたときの喪失を、歌にできたかもしれない。
 
 
クリスマスなんて特別じゃないです、今ならそうあなたに言えます、恋人にケーキでも食べよっかって、言ってみるかもしれないけれど。いつかもしひとを育むようなことがあったら、わたしはいい子に戻れるでしょうか、なんの妬ましさも寂しさも羨ましさもなく、いい子でなくたっていい子だねってプレゼントを置いて頭をなでられるような、(今度こそ本物の)いい子にちゃんとなれるでしょうか、不安です、それだけは、あなたたちを恨んでいるかもしれません。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

生活になるし、だからそのうち詩になります。ありがとうございます。