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じいちゃんと珈琲

私がコーヒーと出会ったのは
幼稚園の頃かな。
昭和のどこかの時代。

はっきり覚えているのは、
耳の病気で都会の病院に来たとき。

帰りの電車を待つ間、
じいちゃんが買ってくれたのが
『缶コーヒー』
なのに私が線路に落としてしまった。

あっ!と思った瞬間
じいちゃんは、颯爽と
ホームから線路に降りて拾ってくれた。
その光景は、何十年経った今でも
鮮明に覚えている。

コーヒーの思い出よりも
じいちゃんの行動が勝つ
私のコーヒーの思い出。

あの時のじいちゃん、
やさしくてかっこよかったな。

コーヒーを飲むとき
ふと思い出す。
やさしい記憶。



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