「悩んでいる時はもう答えが出てる。たぶんただ不安なだけだ」の話
「何か悩みがあるという時はだいたい、すでに答えは出てるんだ」
老人はそう言って、ガラスのカップに入った紅茶を口にする。老人のお気に入りの香りだという紅茶で、色が強く赤い。
「悩んでいるのはだいたい、うまくいくか分からないから進むのが不安だっていう時じゃないかな」
「ああ、そうですね」
私は老人が淹れてくれた赤の強い紅茶に口をつける。酸味が静かに舌に広がった。
「悩んでいる時間ってけっこうもったいないのに、なんか自分はいつまでも悩んでしまう気がします」
答えがすでに出ているなら、ただ進めばいいのに、不安というものはそれだけ人の歩みを遅くしてしまうものなのだろうか。どうやったら、不安を取り除くことができるんだろう。
「悩むだけの時間を変えたいです。どうしたら不安を払拭できるんでしょう。なかなか勇気が出ないかも…」
ただやればいいだけって誰かに言われそうな気がする。勇気とかいらない、ただ行動すればいいだけだって。
「悩みの中から進むには、いろんな方法があって、自分にあったやり方があると思うけど、私が気に入っている方法の一つは、自分の中に幸せを貯めるっていう方法だよ」
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