癒しとは自分が傷を負える範囲を知ること、オノヨーコ
オノヨーコさんの「今を生きる」を読みました。読者の方からの質問に答える問答集みたいな一冊です。
世界中からバッシングを受けたことがあるというオノヨーコさん。2014年の本ですが、現在の世界情勢も鑑みたようなメッセージに癒されます。
貧困は、まず頭の中から始まります。あなたの頭の中にある貧困をなくせば、社会に今あふれている貧困も、しだいに消えてしまいます。
ニューヨークの割れたカップを金でつなぎ合わせ、割れた日の日付が書いてあるような作品や、黒い布をかぶるインスタレーション、ヨーコさんの服を鑑賞者が切り裂いていくというパフォーマンスなど、これまでにもさまざまな作品を制作されています。
一番有名なのはジョン・レノンとの出会いにつながった「YES」かもしれませんね。
私は病院や癒しについて考える日々なんですが、世界平和をずっと訴えているヨーコさんは、世界(社会)に対する治療者そのものなのではないかと考えました。
本書では、長年信頼してきた友人に裏切られて精神的・経済的ダメージを受けたという質問に、ヨーコさんは「これからは自分に頼った人生にしてください」と返しています。
癒しっていうのをちょっと丁寧に考えてみます。
よく、傷が治ると治ったところは強くなるとか言いますよね。身体の機能を考えると、確かに傷ついた部分は治る時に固くなることがあります。固くなれば同じような傷には強くなるかもしれない。
この過程が癒しだというのであれば、癒しは「修復すること」ということになりそうです。物が壊れているのを直すのも「癒し」の一種。ただ、修復するという行為だけに注目していると、「癒し」という言葉には、ちょっと違和感があるんですよね。
なぜなら、ペンを壊れたペンをガムテで留めて使えるようにはなっても、元通りの快適さがあるわけではなく、見た目もたぶん残念な感じになってしまうから。機能が治っていても、全体として「元通り」ではない。元のほうがよかった状態になることもあります。もちろん良くなることもあるんですが。「癒し」だったら、元より良くなるか同じであってほしい感じがしますね。
単純に「修復する」だけでは癒しにはならなさそうです。さらに考えてみると、一度傷を負って治った時に分かることは「自分がどれだけダメージに耐えられるか」だと思うのですね。
このダメージで自分がどれだけ傷を負うかというのが分かれば、安全にチャレンジできる段階が分かります。小さい子どもってなんか飲み込んじゃったりしますが、大人になると飲み込むとダメージがあるのが分かるから飲み込まない。
傷を受けて治癒する過程により、自分が傷を負える範囲を知ること。
これは傷を受けたダメージを致死的にならないようにコントロールできるということです。どんなに辛いことが起こっても、対処法がちゃんと分かっていれば動じません。
癒しというのは、自分が受けるダメージの対処法を知るというダメージコントロールのことではないか、と考えましたよ。
迷っている時は、決断を早くしないほうが得なとき。自分が置かれた立場を観察し、よい決断がくるのを待ってください。
いろんなことが起こって、みんな多かれ少なかれダメージを負っていることと思います。生活が大きく変わってしまった人もいるはず。
自分のがんばれる範囲、これ以上はきついという範囲を知り、きついときは助けを求めること。求められる場所に助けがあること。
またしばらく、遊びに行ける病院と癒しについて考えてみます!
オノヨーコさんの書籍だと、こちらもとても文学・哲学的で素敵なのでぜひ。
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