見出し画像

アートを始めて7年間~海外展開してから今日までの思考回路

もとが獣医で知識やコネがないところから現代アートを始め、学びながらここまで走ってきました。
※企画展というのはギャラリーや美術館が主催する展覧会のことで、作家は場所代みたいなのは払いません。

細胞アーティスト・Ouma(オーマ)ざっくり年表はこちらです。もっと細かいCVはウェブサイトに。
https://oumavet.com/cv.php

2013年
 UNAC TOKYOというギャラリーで初個展(ちゃんとアートやってみたいと考えるようになる)
 ニューヨークに行ってみる
 ロサンゼルスのグループ展に参加(企画展ではなくお金払ってます)
2014年
 クラウドファンディングでニューヨーク個展(これも展示にはお金払ってます)
 グランシップアートコンペ2014 奨励賞受賞(初めて賞もらう)
 家賃0円のアトリエ付きシェアハウスに受かる
2015年
 UNAC TOKYOで二度目の企画個展
 海外のアートプログラムに参加したいと思い立ち、まとめサイトを3日間かけて全サイト調べ、滞在費無料以上の条件(渡航費はかかっても滞在費はかからないところ)を探し、応募しまくる。
2016年
 初めてバルセロナでのアーティスト・イン・レジデンスに参加(初めて海外で企画個展する)
 ロシアでのアーティスト・イン・レジデンスに参加
 ドイツでのアーティスト・イン・レジデンスに参加(旅費助成金をいただく。同時期参加してたアーティストさんからSWATCHのレジデンスについて聞く)
 UNAC TOKYOで三度目の企画個展
2017年
 家賃0円のおうちがなくなる(次の行き先を考えないといけない羽目に)
 ロサンゼルス、ニューヨーク、フィンランド(トゥルク)、ルーマニア、フィンランド(マンッタ)、上海と連続して移動し続ける海外アート旅に出発。基本的には移動しながらレジデンスの応募に出し、次の滞在先を入手していく、みたいな感じで、2017年の旅のスタート時に決まっていたのは、上海までです。上海の参加時期は調整中でした。
 フィンランド(トゥルク)のレジデンスで「細胞」から集合的生命観というコンセプトにたどり着く。
 フィンランド(マンッタ)のアーティスト・イン・レジデンスに参加(たくさんのキノコに出会う)。
 11月から上海のSWATCHアートピースホテルというアーティスト・イン・レジデンスに参加。朝食付きのレジデンスで滞在中に12キロくらい太る。
2018年
 SWATCHアートピースホテルの5周年記念イベントのメインワークに選んでもらう。(めっちゃフューチャーしてもらったのですが、顔が丸くなりすぎてたのと笑い方のブサイクさを反省。朝ごはんで飲みまくってたオレンジジュースを控える)
 上海で2件のギャラリーから声をかけていただきました。
 中国成都の蓝顶美术馆でのグループ展に参加(初の美術館展示!)
 デンマークのアーティスト・イン・レジデンスに参加
 フランスのアーティスト・イン・レジデンスに参加(渡航費や滞在費の助成をもらう)
 韓国のアーティスト・イン・レジデンスに参加+個展開催(渡航費や滞在費の助成をもらう)
 移動つづきでしたが、飛行機代が合計で25万円くらいあちこちから出たので、ちょっとアシが出るくらいで払いきれました。ヨカッタ。
 銀座のニコラスGハイエックセンター(SWATCHのビル)で企画個展
2019年
 エストニアのアーティスト・イン・レジデンスに参加(初めて滞在費を払うレジデンスに。ただし、250ユーロ/月)
 韓国のアーティスト・イン・レジデンスに参加+個展(制作費助成、批評家とのトークプログラムやカタログ作成などが充実)
 韓国のアーティスト・イン・レジデンスに参加+個展+美術館でのグループ展2回(釜山の芸術組織の周年行事とかぶったおかげで多くの展示に参加。制作費助成+アーティスト報酬をもらう。韓国ウォンで払われてるので、韓国の銀行口座をもつように。ウォン安で悲しめるようになりました)
2020年
 ブラジルのアーティスト・イン・レジデンスに参加、憧れのアーティスト、エルネスト・ネトさんに会える!
 帰国してからコロナで展覧会予定が吹き飛びまくる
 東京都のアート助成プロジェクト(アートにエールを!)に受かる。

画像1

その時々のフェーズでこういう考えをしていて、これからどうしていこうかを考えているよ、というのをまとめました。
何年ごろ、考えていたこと+実際にやったこと+後から考えたらやらなくてよかったと思ったこと、みたいな感じでまとめています。

2017年段階に書いた記事があるので、こちらは無料で読めます。

最初にやったことはだいたいこれなので、もしよければご参考にどうぞ。
3年前の話なので、今はもう少し進歩して振り返っています。

2013 現場に飛び込む

2013年の「やってみたいな」と思い始めた頃にやったことですね。現代アートの本は読んでたんですが、実地で学んだわけではないので、理解はしきれなくて。。
この頃は、何がアート界で評価されていることなのか、良いとされているものを知ることと、自分の作品について分かる人に聞いてみるっていうのを心掛けていました。

【考えていたこと】
・世界で「良い」と呼ばれているものの肌感をつかむ

【実際にやったこと】
・ニューヨークに行ってギャラリーを巡りまくる
・これがいいんじゃないかと思うものをいろいろつくってみる

【やらなくてよかったこと】
・絵をやり続けてるとかアートのセンスがありそうな人に話を聞いたんですが、迷うだけなのでやめたほうがよかったなと。
飾り方とか技術的なことは聞いたほうが早いのですが、あとは相手の作品について解説してもらうのがよかったけど、始めたばかりの頃って「自分のためになることを言ってくれる人」を選別できないので、いろんな人に聞きまくるのは悪手だと思いました。

現代アートについては、実際に活躍している方の話を聞くことと、「絵描き」とは職種が違うって思っておくといいかも。

画像2

2013 - 2014 キャリアを積む

獣医になった時の経験から、私は「座学」をあんまり信用していないんですね。プロになりたい場合は、失敗しまくっても実地で学んだほうがいい。なので、経験がなくても個展をやる、よく分かんなくてもアーティスト・ステートメントを書いてみる、みたいな感じです。

初めて展覧会するときは「釘がささらない壁だ!」みたいなことで普通にビビります。そういうのも経験を積まないと身に着かないなぁって思うんですよね。

あとは、初個展の作品が絵の中に入れるような大きなインスタレーションだったので、これ以上にいい作品をしばらくつくれなかったんですね。最初がベストだったら、今後制作をつづける意味がないので、初個展を超えるにはどうしたらいいかをずっと考えていました(超えられると思うまで2年かかったよ)。

ここから先は

9,152字 / 8画像
この記事のみ ¥ 1,000

ここまで読んでくださってありがとうございます! スキしたりフォローしたり、シェアしてくれることが、とてもとても励みになっています!