自然に背く人たち

 どこまで行っても釈迦如来の手から逃れられない猿の話を人は忘れてしまっている。人間は自然の手のひらで遊んでいるだけである。人は、自然を守るのではなく、人が自然の中に築いてきた、人のための生存環境を守るために地道な努力を続けるだけなのである。どのような科学技術を得ても、それは自然に反しない。ただ、人が住む環境に大きな影響を与えているだけである。自分で自分の首を絞めているだけなのである。

 まだ、積んだばかりの畜糞と敷き藁とおがくずが混ざった山がある。丹念に混ぜると、バクテリアが活発に活動を続けて、山は80度を超える高温になり、雑草のタネ、原虫、ウイルス、バクテリア自身すら、ほとんど失われてしまう。それが堆肥(厳密には堆厩肥)だ。つまり、これが加速し続ける人類の未来だ。それが何故わからない。

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