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 県庁所在地コンプレックス

 私は人生で一度きりしか県庁所在地に住んだことがありません。しかも記憶がおぼろげな幼少期のみ。県庁所在地に行くというのは、大人になってもかなり勇気のいる事。いまでも県庁所在地に行くと身が引き締まる思いです。


 図書館で東京をテーマにしたエッセイを読んでいたら、東京に対する様々な感情を垣間見れて、大変勉強になりました。様々な人の感じる東京や東京のイメージ。住んだことがある人も言ったことがない人も語れる東京。東京って懐広い。うーん私もいつか東京について、さらりと語れる日が来るかなぁ。


 でも私にとっては、東京とはコンプレックスを抱く以前の問存在。行ったことはあっても、そこまで深い縁があるわけじゃない。今だって県庁所在地に出向くだけで、ちょっぴり戦闘モードに入ります。アウェイな所では、いつもと違う気分。ほんの少しだけおめかしして、都会を満喫するのです。そしていつもより極力スマートにね。場所を意識してしまってる時点で、きっと少なからずコンプレックスを感じてるんだろうと。


 都会に行くと立ち振る舞いも、僅かに変わっていることに気付きます。新しい自分に出会えたような気分です。変化を楽しむ為に都会に繰り出す。気分転換にはもってこい。なのに県庁所在地で暮らす自分は不思議と全く想像がつかない。きっと自分の中でまだまだ県庁所在地との距離感に苦心している模様。


 最近ではトカイナカも徐々に注目され始めました。私の住む町もトカイナカと言えば、トカイナカ。ちょっと前まではもう少し雑な扱いを受けていたのに・・・。モヤっとした気分も抱えつつ、自分の住んでいる町や県庁所在地ではない町にも、すっと思いを馳せる。この頃はそんな心のゆとりも生まれてきました。


 おそらく自分の中にある田舎っぺな部分も、決して嫌いではないのだと気づいたからです。ビバ田舎でも都会最高でもなくてもいいのではないかと。自分の暮らす町が自分の生きていく町。胸を張ってそう言える土地にいつか巡り合えたなら。


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