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<公開保育レポート>9/27 別海くるみ幼稚園

スマートエデュケーション大澤です。
9/27(水)に北海道野付郡の別海くるみ幼稚園で実施した公開保育レポートをお届けします。

保育の様子はこちらからご覧いただけます!

今回の公開保育は、別海くるみ幼稚園・全国認定こども園協会北海道地区会・株式会社スマートエデュケーションの共催で開催しました。
実は別海くるみ幼稚園さんは、毎年公開保育を実施されています。地域の園や小学校の先生を招き、保育についての相互理解を深めるとともに、現場の先生方にとっては外部の方の感想をもらうことで、新たな学びやモチベーションアップにもつながっているそうです。

さて、別海くるみ幼稚園では先生の業務だけではなく、子どもの遊び・学びの道具として、ICTを導入しています。
保育は、子どもたちそれぞれが、年齢関係なく好きな遊びを選んで活動するスタイルです。自由に遊ぶ時間のなかで、興味のある子どもたちが使いたい時にiPadを使える環境を用意しています。
クラス活動では、担任の先生が子どもの興味関心をベースに「これはクラスみんなでやった方がいいな」という活動を考え、いろいろなことを行っています。
この日の年長クラスでは、子ども同士の話し合い活動(サークル活動)が行われていました。

多種多様な遊びの様子、サークルタイムの様子、室内外の保育環境については、ぜひ動画をご覧ください!

注目ポイント!

● 午前中の遊びは、広々としたプレイルームと園庭を中心に展開

くるみ幼稚園の子どもたちは、登園したらすぐに好きな場所に出掛けていって遊び始めます。「今日は何をしようかな」とワクワクしながら登園してくる子どもたちの気持ちを大切にするために、クラスごとの活動は11:00スタート。
その時間まで、しっかりと遊び込みます。

開放的なプレイルームには、いろいろなコーナーがあります。
お店やさんごっこも盛り上がりを見せています。こちらはマクドナルド。
テラスでは絵の具のコーナーが。興味のある子どもたちが集まっています。
枯れ草で使った筆も登場!担任の先生のアイデアです。
こちらでは園庭の穴掘り。こちらも数ヶ月ブームが続いているそうで、深い穴があいていました。
こちらは水遊び。くるみ幼稚園ではいろいろなところで、「名もなき遊び」が見られます。

園庭にはブランコや滑り台などの遊具が置かれていません。子どもたちが自ら遊びを作り出す環境を大切にしているからです。そして現在、園庭改革プロジェクトが進行中。子どもたちが多様な命と触れ合いながら遊びを深められるよう、園庭に自然環境(ASOBIO)をつくる予定だそうです。

● オンライン国際交流 きっつアース

この日は、昆虫の聖地として有名な、マレーシアのキャメロンハイランドに住む昆虫博士エニスさんとのオンライン国際交流も行われていました。

最近、虫取りにハマっている子どもたちが参加していました。

園庭で見つけたサナギ。「エニスさんに見せるんだ!」と張り切っていました。
昆虫博士エニスさんはマレーシアの林の中から中継。次々と見つかる珍しい虫に子どもたちも大興奮!
質問をしたり、自分のお気に入りの虫を見せたり。素敵な交流の時間となりました。

● 遊びの中のICT

くるみ幼稚園では、子どもたちの遊びの中に自然とICTが入ってきています。特別なものではなく、廃材や自然の素材と同じ「道具」です。

「おとえ」というアプリでレジを作っていました。品物をタップすると、
子どもたちの「100円です!」という音声が流れます。
こちらはフィンガーペイントを楽しんでいます。
できあがった作品を「アートポン!」というアプリで読み込むと動き出します。
絵が動いた!と子どもたちは大喜び。
こちらは園庭で見つけた虫(バケツの中にいます)を「わくわくスコープ(電子顕微鏡)」で観察中。
虫の名前も調べていました。
こちらはクラス活動の様子。
最近虫に興味を持つ子が多いということで、この日はみんなで虫探しをしました。
「わくわくスコープ」でも観察。いろいろな虫を見たい!と虫探しにも熱が入ります。

● サークルタイム(年長クラス)
この日は年長の2クラスで、それぞれサークルタイムが開催されました。1つ目のクラスのテーマは、公開保育の翌々日に行われる「お泊まり保育」について。
担任の先生が「もうすぐお泊まり保育だけど、どんな気持ち?」と一人ずつに聞いていきます。
「楽しみ!」「不安……」などの言葉が出てくるなかで、話題は「どうしたら不安じゃなくなるか」に移っていきました。
「お気に入りのものを持ってきたらいいんじゃない?」など、みんなでアイデアを出し合いました。

もう1つのクラスは、「子どもだけの子ども会議」に挑戦!担任の先生はサポートしますが、お題を出すのも進行・時間管理も子どもたちが行います。

リーダーの子が選んだテーマは「うちの馬が死んでしまって、とても悲しい。みんなはどう思う?」でした(おうちが牧場をされているそうです)。
「骨を埋めてあげたらいいんじゃない?」など、一生懸命に命について考える姿が見られました。

年長の先生方は「結論を出すことが目的ではない」とおっしゃっていました。自分の思いを伝え、お友達も思いを受け止める時間。子どもたちにとって無理のないよう、少しずつ対話の時間を豊かにしていきたい、とおっしゃっていました。

子どもたちが「自分ごと」として考えられる身近なテーマで話し合いをされていたのが、とても素敵でした。

● 遊びを豊かにするために欠かせないドキュメンテーション
くるみ幼稚園では、保育の記録・振り返りにドキュメンテーションツール「おうちえん」を活用しています。
「おうちえん」だけではなく、子どもたちの遊びの記録や子どもたちの作品もたくさん壁に飾られていました。

お泊まり保育のプロセス。保育の計画には「保育ウェブ」を使っています。
お泊まり保育の企画は、子どもたちが考えます!部屋割りも書かれていますね。

午後の講演会にもつながりますが、くるみ幼稚園の素晴らしいところは、先生同士が子どもたちの姿について語り合うカルチャーがあること。保育や子どもの姿について話すときは、いつも大盛り上がり。本当に楽しそうです。
くるみ幼稚園の保育にはドキュメンテーションは欠かせません。

全学年の週案も資料として配布されました。
子どもたちの言葉や興味・関心を記録し、ウェブに書き足しながら計画を作っていくスタイルです。

● 木のぬくもりを感じさせる素敵な園舎
最後に、素敵な園舎も少しご紹介します。

木育ルーム
保護者や子どもたちに大人気の図書スペース「くるみ文庫」
北欧風のインテリアがとても素敵です。

講演会

午後は別海くるみ幼稚園の先生方の保育振り返り、蓑手先生の講演会や別海中央小学校の教頭先生にもご参加いただき、パネルディスカッションを開催しました。

● 保育の振り返り

くるみ幼稚園では、ドキュメンテーションを囲んで常に先生方が子どもたちの姿を語り合っています。
今回は、普段先生方が行っている保育の振り返りを、そのままの形で見せていただきました!
年齢や役職関係なく、フラットに語り合えるカルチャーが素晴らしいです。

● こどもの「学び」に目を向けて 
HILLOCK初等部 スクールディレクター 蓑手章吾氏

続いては、オルタナティブスクール(公教育とは異なる、独自の教育理念・方針により運営されている学校の総称)であるHILLOCK初等部の校長を務めていらっしゃる蓑手先生の講演です。


● これからの幼児教育とICT
(株)スマートエデュケーション 代表取締役 池谷大吾

● パネルディスカッション:これからの保育と園経営について考える

最後に、蓑手先生・別海くるみ幼稚園の先生・別海中央小学校の教頭先生にご参加いただいてのパネルディスカッションを行いました。
Slidoというアプリを使って参加者の先生からリアルタイムで質問を受け付け、ご回答いただきました。
こちらも参考になるお話が盛りだくさんです!
ぜひ動画をご覧ください。

次回の公開保育のお知らせ

11月から12月にかけて、現地半日公開保育を全国4会場で実施いたします。
ぜひお近くの園まで足をお運びいただき、さまざまな園でのICTを活用した主体性保育の実践をご覧ください!

<日程>
11月17日(金) 9:00〜12:00 ゆうかりフレンズ(兵庫県)
12月 6日(水) 9:30〜12:00 慶和幼稚園(愛知県)
12月14日(木) 9:00〜12:00 きよせ幼稚園(東京都)
12月19日(火) 9:00〜12:00 原町幼稚園(静岡県)


詳しいご案内はこちらから。




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