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きっと私は、大丈夫

ここのところ
なかなか動けない自分に
モヤモヤしていた。

ふわっと軽やかに進みたいけど。
変化がこわい。


* * *

そんな折、友人の誘いで
男子バスケのリーグ戦、Bリーグへ行ってきた。

私はチーム推し。
普段は配信観戦の、新米ブースター。
(バスケのファンをブースターという)

ホームアリーナは家から特急で2時間。
平日夜の開催で、帰りを心配されるも
なんとかなる!といって参戦した。

地元のフード、チアのパフォーマンス、マスコットの可愛いおもてなし。
何より皆で応援する一体感がいい。

リズムに合わせ声を出し、選手を鼓舞する。
点をとられても、さあ次!と切り替える。
その瞬間だけに集中する。
やっぱり生観戦って楽しい。

試合は白熱、一進一退。


終電まであと20分、
友人と別れ、泣く泣くアリーナを後にした。
バス停まで走れば間に合う。はずだった。


私が停留所に着いたのはバスが去った後。
む、無理かも!

とにかく駅方向へ走りタクシーを探す。
全く見つからない。


ようやく高級ホテル前でタクシーを2台発見。
なのに近づくと2台ともスッと去った。
上客じゃないと乗せない感じかーっ

と、反対車線に赤いタクシーが居る!
横断歩道を慌てて渡り、車に飛び乗る。
終電まで8分前。

「すみません、〇〇駅まで。」
「はい、今日は寒いねえー」

車内から、矢沢永吉の歌が流れてきた。

乗ってくれ ha-ha
Rock'n'roll night ha-ha

矢沢永吉「止まらない ha-ha」


運転手さんは60~70代の男性。
中には永ちゃんの赤いタオルが飾ってあった。

色々気になるんだけど挨拶もそこそこに
出発する乗り場と、別ルートを調べる。

吐き出せよ 思いきり
気がすむまで 今夜は rock'n'roll
魂に 身をまかせ
むかつきを いらつきを

後で聴いたら格好良かった



駅に到着、発車まであと1分。

運転手さんにお礼を言い
階段を一段飛ばしで駆け上がる。


ドアに滑り込んで数十秒、電車が走り出した。

こんなに走るのは久しぶり。
走り過ぎてお腹がいたい。

試合は負けていた。
でも何とも言えない爽快感。

頭の中で、永ちゃんの歌がひびいていた。

* * *


「今」に集中しまくったら不安が減った。
というか不安を感じてもなんでも
とにかく行くしかなかったから、走った。

どうしても、という時は
こうやって必死に走るんだよな。

そこに行きたいから、向かう。
それが欲しいから、手をのばす。

心から欲したとき
私はちゃんと、つかめるのかも。