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【読書感想文】勝手にふるえてろ/綿矢りさ

金曜の夜はバカになりたいけど、昔みたいに飲みに行けないし子どもたちもいるし、でも時間だけが静かに過ぎ去っていくのは非常に勿体ないって時は綿矢りさを読みたい。

昨日は綿矢りさの気分だったのでKindleで購入。

中学校の頃から妄信的に好きなイチと、自分と付き合いたがってる同期のニという二人の男。妄想の恋愛と、実際の恋愛。

綿矢りさの、こういう止まらなくなる女の静かな狂気を読むのが大好きです。

そしてなんでこんなに面白い文章が書けるんだろう、嫉妬というか目標でもあり無理っぽい。

自分のこと口説いてくる熱苦しいニを見ては、「よく動く口が伸びちぢみする輪ゴム程度にしか見えない。」。

すき。

スイッチがひょんなことで入り、カタカタとバランスを崩していくスピード感。途中までは「わかる〜」って共感してたのに、どんどん「おいおい、ちょっと待て」ってなる感じ、すき。

かなり個人的な感想になるけど、イチはたしかに好みのツボにハマる。おおおおお、分かるよ、イチ。

そしてニのエネルギッシュでねっとりするような、生理的に受け付けない感じと会話の癖と、どこをとっても好きになれなさそうな感じもまた。

女のドロッと感もそれとなく描かれてて、でもドラマチックなほどではなく、リアルなドロッと感なので頭抱えます。

コロナ禍でも思いっきり暴れられました、サンキュー。

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