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未来と芸術展

2019.11.19(火)~ 2020.3.29(日)に森美術館で開催されていた「未来と芸術展」についての感想を書いていきたいと思います!

現実的な未来、危険性のある未来、気をつけなければ起きてしまう未来、豊かな未来と、様々な視点で未来について考えさせられる展示となっていました。展示を見て感じたことをまとめてみました!

①技術者と芸術者の共存

技術者は技術を突き詰めて新しいコトを求めていきます。それは時にしてその新しい技術がもたらしうる危険性を忘れて、研究だけに没頭してしまうこともあるかもしれません。

そんな時、危険示唆を行う人が必要になってきます。これはこういう面では、危険性をもたらす可能性がありますと理論的に考える人も必要ですし、その危険性を人に直感的に伝えられる人も必要です。

芸術家が作る作品は、人に直感的に訴えかけることが可能です。また、研究者とは違った視点で技術を見ることができます。今回の展示では、危険示唆をテーマにした作品がいくつかあり、展示を見終わった後は、なんだか怖いような不思議な気持ちになりました。小さな子供が展示を見て怖がっている様子も何度か見かけました。こういった芸術家さんの作品が、私たちに、未来について考えるきっかけを与えてくれると知りました。

危険示唆の他にも、科学者が技術を作った目的とは違う、つまり想定された使い方とは違う技術の使い方を探し出して芸術作品を作ることがあります。

技術者と芸術者の共存がより一層未来の発展を作っていくと感じる展示でした。

②自然物と人工物の境界線

わたしは、自然と言われたら、森や海を思い浮かべます。そして、人工と言われたら、プラスチック製品や電子商品を思い浮かべます。この展示を通して、自然物と人工物について改めて考えてみました。

野菜とSNSの書き込み。自然物が野菜で、人工物がSNSの書き込み。今まではそう思っていました。自然と人工の定義は様々あると思いますが、今回は、自然=人間の手が加わらないもの 人工=人間が手を加えたもの と捉えて考えました。

スーパーのキャベツ売り場。ほとんど同じ形、同じ大きさ、同じ色のキャベツが並べられています。本来、農園へ行くと、不揃いの野菜があるはずです。一定の基準を満たした野菜だけをスーパーに届ける仕組みと、同じ品質のものを作ろうとする農家さんの努力の結晶。今や野菜は人工物なのかあと考えさせられました。

ふと何かをSNSに書き込む。そうすると、自分が書いたのに、ネット上に載せると、もう消せないものになります。人の手で制御することのできない渦の中にデータが入っていきます。人間の手が加えられないという面では、これは自然のよべるのかと知りました。

③ 生物なの?

バイオテクノロジーによって作られたゴッホの左耳が展示されていました。DNA、形、生存しているとしているそうです。それは、ゴッホの左耳なのだろうか?うーーん、どうなんだろう。

病気を直すための技術。その技術をクローンを生成するための技術、人の能力を拡張するために使える場合、どこで線引きをするのかを考えなければいけないんだなと強く思いました。病気の定義、クローンの定義。展示を通して理系文系に関わらず倫理問題について考える必要性を強く感じました。

さいごに

この展示を見た後はどこか不思議な気持ちになりました。直感的に未来で起こりうる恐怖を伝えられる芸術家の凄さを体感することができました。





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