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【”Zero to Hero”を輩出するスタートアップキャンパス 「Maria01」 のUX】

 今日は、スタートアップ関連の投稿です。
 ヘルシンキ滞在中、ヘルシンキのスタートアップエコシステムでも重要なインキュベーション施設「Maria01」のコワーキングを割り当てられており、制限エリア以外を自由に利用できます。
 週3程度で利用した個人のUXを含め、備忘録として記します。

そもそもどんなところ?

 フィンランドがロシアの統治下時代、皇帝ニコライ2世の皇女マリアに贈った”マリア病院”(2014年まで営業)の跡地にできたインキュベーション施設。
 中心部のアクセスとしては、ヘルシンキの中央駅から徒歩20分くらい?むちゃ中心部にあるというわけではないけれど、トラムとかも使えばすいすいアクセス。福岡だと天神から大手門くらい、東京だと渋谷から外苑前くらい、のイメージかな。

Maria01 外観

 ちなみに、施設から海水浴場まで徒歩15分という好立地で、夏は泳げます。


早朝のHietaranta Beach

 Maria01の敷地面積は20,000平米超(施設は5棟で構成、それぞれ地下含めて3階〜4階まである)、我が福岡にある官民協働型のスタートアップ支援施設「Fukuoka Growth Next」よりも物理的に10倍程度大きいイメージ。

 ちなみに、来年10月に完成予定のStation Ai(愛知県)の延床が23,000平米になるとのことです。
 また、ヘルシンキ市に提出された将来のMaria 01の事業計画において、欧州最大規模となる5万平米のキャンパスを作ることが承認されているそうです。R&D のHubも併設され、Deeptechとの協業が進むことも期待できそうです。(完成時期までは確認できませんでした。)  

実績や成果は? 

 2016年のオープンから、
  🚀入居スタートアップ🚀 170
  🧳メンバーシップ登録者🧳 1,400名余
  💰メンバーシップの総資金調達額💰 958,000,000€以上
   (日本円で、1,532億5千万円以上・・・)
    ※ホームページやオンボーディング時に確認

現地でのスタートアップエコシステム内での位置付け

 あくまでMaria01から聞いた話と個人的な推察を組み合わせた記述ですが、起業直後の方が多く入居できる施設というよりも、PMFの段階以降にある一定洗練された方向けの施設となっています。
 市内の他のコワーキングやインキュベーション施設で事業をブラッシュアップした後のステップアップの場所として選ばれるケースが多いようです。
 北欧ではトップクラスのスタートアップキャンパスとして知られています。

4つのコアバリュー 

  1. 🚀協業を促進するコミュニティの提供🚀

  2. 🤝Trust basedな施設運営🤝

  3. 🌿Social Impact, SCRも大切に🌿

  4. 🌏International なスタートアップキャンパスに🌏

🚀協業を促進するコミュニティの提供🚀

 積極的に館内でのイベントやVCとのコミュニケーションを誘発する仕組み
を作っています。

🤝Trust basedな施設運営🤝

 フィンランドでは重要なキーワード、「Trust」に基づく場所であることを約束しています。

🌿Social Impact, SCRも大切に🌿

 ソーシャルグッドを重視した施設運営ということです。例年インパクトを測定したレポートを発行しているようです。

🌏International なスタートアップキャンパスに🌏

 多国籍なスタートアップキャンパスとして、英語を公用語としています。

施設を使ってみて〜ハード面

 一利用者としての感想となります。今回は「Building 04」のオープンスペース(3部屋確保)を利用させていただきました。「Building 04」には、以下の施設が整備されています。

 ・Wifi(安定した速度)
 ・最大2名までのミーティングルーム(2部屋)
 ・最大10名までのミーティングルーム(1部屋、別途利用料あり)
 ・シェアキッチン(セルフのコーヒー☕️と紅茶🫖)

「Building04」のコワーキングスペース。明るく開放的
電動で高さ調整できる机が人気
「Building03」病院時代の雰囲気を残します
什器も年季を感じさせます



Wifi回線の速度は十分

 
ミーティングルーム、シェアキッチン以外は、仕切りが天井までない形となっていますが、それでも作業する分には、特に気になることはなく、快適な十分な環境を享受できます。 オープンスペースには、電動で高さ調整のできる机もあり(これが一番人気)、集中したい時などに立って作業される方もいらっしゃいました。 夏休み明けというのもあり、「Building 04」には日中何十人も利用しているという感じはありませんでした。かなりひっそりとしているイメージです・・・。 

 ちなみに、主にコミュニティ機能が集約される「Building01」には、ランチが楽しめるカフェテリア、リフレッシュエリア、サウナ、ジム、イベントスペースがあります。 

施設を使ってみて〜ソフト面

 Maria01のコミュニティにジョインすると以下のような情報にアクセスできます。参加したもの、誘われたものだけでも以下↓↓
  ・Slackコミュニティチャンネル
  ・オンボーディングネットワーキング
  ・アフターワークネットワーキング
  ・ブレックファーストネットワーキング(これいい)
  ・アクセラ主催のデモデイ、ネットワーキング
  ・90day Finn Programmeのwelcome party
  ・パートナー企業主催のネットワーキング
 などなど…多数のネットワークにアクセスできるようになっており、Day1から受け入れられている感じはあります。
 ネットワーキングを通じて、日本市場への関心の高さも窺い知ることができ、海外拠点としてのフィンランドのポテンシャルも感じました。

リラグゼーション施設
オンボーディングセッション
Maria01のバリューについて語っていただきました
モーニングセッションも好評

 短期間ではありますが、ソフト面(イベント、利用者同士のかき混ぜ方)については非常に注力されていると感じました。一方で、普段は大変静かで、日頃から入居スタートアップ同士の交流や協業が盛んであるかというのは少し見えませんでした。VCのみなさんも入居されていますが、オフィスアワーやスタートアップからの訪問というのは確認できませんでした。
 

その他にも、、、

 地味嬉しいのが、Maria 01のICタグバッジを見せるとMaria01内部はもちろん、周辺店舗で割引が受けられること😇

 地域でスタートアップのみなさんを応援されている姿勢が創出されて、これ、すごく良い取り組みだと感じました!
 つらつらと長文を書いてしまいましたが、こんな感じでしょうか。気づいたことがあれば、またまとめます!


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