【大月書店通信】第156号(2022/1/28)
スマホやパソコンに飛び込んでくる「速報」や「つぶやき」。あふれる情報のなかには、意図的な「フェイクニュース」や、意図せざる誤情報も含まれていることでしょう。
そのとき役立つのが、2月新刊、坂本旬『メディアリテラシーを学ぶ――ポスト真実世界のディストピアを超えて』で紹介されている「だいじかなチェック」です。
【だ】だれ? この情報は誰が発信したか?
【い】いつ? いつ発信されたのか?
【じ】事実? 情報は事実か? 参照はあるか?
【か】関係? 自分とどのように関係するか?
【な】なぜ? 情報発信の目的は何か?
これは、2016年のアメリカ大統領選挙後、「フェイクニュース」の蔓延に危機感を抱いたスクール・ライブラリアンたちが広めた、情報チェックのCRAAPリストをもとに、著者がつくったものです。
何かと「スピード」が求められる時代だからこそ、いったん立ち止まり、メディアリテラシーが掲げる批判的思考を働かせなければ、と思います。
【新刊案内】『見過ごされた貧困世帯の「ひきこもり」』ほか1月の新刊
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●「ひきこもり」支援・研究の新たなステージへ
『見過ごされた貧困世帯の「ひきこもり」――若者支援を問いなおす』
原未来[著] 3,300円(税込)
これまで見過ごされてきた低階層で無業・孤立状態にある若者たちの存在に光をあて、従来の「要求応答型」ではなく、若者にアプローチしていく「支援機関アプローチ型」の若者支援の有効性と、その課題を描き出す。
☆試し読みできます
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●世界が注目する理論と運動の最前線!
『メディアリテラシーを学ぶ――ポスト真実世界のディストピアを超えて』
坂本旬[著] 2,420円(税込)
フェイクニュースが蔓延するなかで、メディアリテラシー教育が世界的に注目されている。国連・ユネスコが進める最先端の理論と運動はじめ、ソーシャルメディアがグローバル化した時代に必要な基礎的知識と考え方を示す。
☆試し読みできます
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●コロナ禍のもとで学び合う教育実践
『日本の民主教育2021』
みんなで21世紀の未来をひらく教育のつどい―教育研究全国集会2021実行委員会[編] 3,080円(税込)
毎年8月に開かれ、2021年はオンラインでの開催となった「教育のつどい」の報告集。コロナ禍のもとにある子どもたちの実態を話し合い、憲法と子どもの権利条約を活かす多様な授業・とりくみを交流し合った充実の記録。
☆試し読みできます
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●あなた自身を守る、「ノー」は大事なことば
『いえるよ!NO――わたしらしく生きるための大切なことば』
ジェニー・シモンズ[作] クリスティン・ソラ[絵]
上田勢子・堀切リエ[訳] 1,870円(税込)
「ノー」を言うのはよくないこと?嫌なことをされそうなとき、疲れているとき、いじめや犯罪など、したくないことを断るとき…自分を守り、一人ひとりの尊厳を尊重するための「ノー」の上手な使い方を子どもに教える絵本。
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●特集=公共サービスの再公営化――安全・安心への責任
『季刊 自治と分権』冬号 no. 86 1,100円(税込)
●首長インタビュー 小西理滋賀県近江八幡市長 ●新春座談会 榊原秀訓
(南山大学教授)・尾林芳匡(弁護士)・高柳京子(自治労連副委員長) ●ポストコロナの地方財政問題 平岡和久(立命館大学教授) ほか
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●特集=免許更新制廃止後の「教師の学び」
『月刊 クレスコ』2月号 no.251 550円(税込)
多くの問題が指摘されてきた教員免許更新制が廃止される見通しとなった。しかしそれとひきかえに、「新たな教師の学びの姿」と称する研修の枠組みが構想されている。教師の自主的な学びが保障される制度のあり方を考える特集。
【イベント】「見えない『男性特権』――トランス男性の視点から」ほか
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★ 2/19(土)見えない「男性特権」――トランス男性の視点から ★
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昨年12月刊『トランス男性による トランスジェンダー男性学』(周司あきら
著)の刊行記念トークイベントです。
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★ 3/4(金)韓国ドラマはなぜ私たちに「刺さる」のか? ★
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同じく昨年12月刊『大人もハマる!韓国ドラマ 推しの50本』(渥美志保 著)の刊行記念トークイベントです。
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★ 2/9(水)最首悟×辻信一「“あいだ”は愛だ」 ★
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文化人類学者・環境運動家の辻信一さんと作家の高橋源一郎さんの対話集『「あいだ」の思想――セパレーションからリレーションへ』を起点にしたオンライン講座。
生物学者・社会学者・思想家の最首悟さんをゲストに、今の私たちの生きづらさ、孤独・不安と「あいだ」との関係性について語ります。
【フェア情報】「マルクスから考えるこれからのZ世代」ブックフェア
「マルクス・リバイバル」と呼ばれる現象が世界中で巻き起こる中、マルクス関連書を多数出版してきた堀之内出版さんと共同で、「マルクスから考えるこれからのZ世代」をテーマに掲げたフェアを開催しています。
【編集後記】
この冬の寒さと原油高騰にテレワークの増加も加わってか、光熱費が大変なことに。いずれはと思いつつ先送りしていた自宅の断熱化に着手しました。まずは熱が逃げやすい窓から。ホームセンターで買ったプラ段に枠をつけて両面テープで接着するだけの簡単なDIYでも、カーテンごしに入ってくる冷気がかなり和らぎました。郷里の高校では、生徒も参加して校舎の断熱ワークショップがおこなわれたとか。足元からできるCO_2削減策としても、おすすめです。(鰯)
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