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先生が先生になれない世の中で

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雑誌「クレスコ」に好評連載中の教育研究者・鈴木大裕さんの教育事情レポート。
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2021年12月の記事一覧

先生が先生になれない世の中で(9)「聖職」と「サラリーマン教師」の
はざまで ~旭川中2少女凍死事件~

先生が先生になれない世の中で(9)「聖職」と「サラリーマン教師」の はざまで ~旭川中2少女凍死事件~

鈴木大裕(教育研究者・土佐町議会議員)

「小学校6年間を自由に過ごしてきた不良少年たちが次に求めたものは性でした。どれだけ同級生をいたぶっても自分たちに危害が及ばないことを6年間身をもって学んでいますから、彼らは躊躇なく抵抗のできない生徒をおもちゃのように扱っていきます。」

この連載の2018年7月号で私が引用した大阪の高校生の言葉だ。「人が人でなくなっていく教育現場」と名づけたエッセイのなか

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先生が先生になれない世の中で(8)人が人でなくなっていく教育現場

先生が先生になれない世の中で(8)人が人でなくなっていく教育現場

鈴木大裕(教育研究者・土佐町議会議員)

*この記事は、月刊『クレスコ』2018年7月号に掲載されたものです。

先生が先生になれない社会で、学校は、子どもたちはどのように変化していくのだろうか。先日、それを如実に物語るエッセイを読んだ。

書いたのは實川瑞樹さん。大阪府立高校に通う現役の高校生だ。「暴力のない『平和』な学校:真の恐怖とは?」と題されたそのエッセイ(追記:現在はアクセス不可)の中で

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