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「砂糖」はどのようにして作られるのか?

◇砂糖が作られる流れ

まず前提として砂糖は、

  • 「栽培される地域」

  • 「砂糖を精製する工場(国)」

2箇所のプロセスをへて、精製されていきます。



◇栽培地での精製工程

1.圧搾

まず始めに、収穫した砂糖きびを細断し

ロール状の圧搾機にかけることで

繊維に含まれている糖液を搾り取ります。

ここで残った絞りカスは

「バガス」と呼ばれ、捨てられることなく

燃料や紙資源として利用されます。


2.清浄、ろ過

当然、搾ったばかりの糖液は不純物が

たくさん付着しています。

「石灰」と「炭酸ガス」を加えると不純物が

そこにあつまり、吸着されて

重みで沈み除去が行われます。(沈澱除去)

さらにその状態の糖液をろ過して、

さらに清浄化します。


3.濃縮

2.の糖液を、

「真空結晶缶」と呼ばれる容器内で

沸かし、濃縮していきます。

真空状態の圧力が下がった缶内では、

液体の沸点(液体が蒸発する温度帯)が下がるので

カラメル化などの状態変化から防ぎながら

糖液は濃縮されていきます。

ちなみにここの段階で濃縮を続け

さらに煮詰めて固めたものが「黒糖」です。


4.結晶化

過飽和状態(溶液が溶解度以上の溶質を含むこと)に

近い糖液に、「種糖(粉糖)」を加えます。

すると、種糖を核として、ショ糖(砂糖の主成分)が

結晶化していきます。

この時の「結晶化したショ糖」と「液体状の糖液」

が混ざり合ったドロッとした状態は

「白下」と呼ばれます。


5.分離

4.で出来た「白下」を機械で遠心分離させることで

「白下」から結晶化した「ショ糖」を取り出すこと

が出来ます。

(※残った糖液は再度、③からの工程を経て、

さらに「ショ糖」を取り出されます)


ここで得られた結晶は茶褐色をしており、

「原料糖」と呼ばれます。


ここまでが(1.〜5.)原料の「栽培地」で

行われている工程です。

その後、「原料糖」は消費地に運ばれて、

さらに精製されていくことになります。


◇「砂糖を精製する工場(国)」での工程

6.洗糖、溶解

運ばれた5.の「原料糖」に、「洗糖蜜」という

濃い糖液を混ぜ合わせ、原料糖に付着していた

不純物を洗い流します。

綺麗になった「洗糖(原料糖)」は

お湯に溶かされて、茶色の糖液「ローリカー」

になります。


7.清浄、ろ過、脱色

まだ6.の「ローリカー」には細かい不純物が

残っているので、2.と同様に石灰と炭酸ガスを加え

て不純物の沈澱除去を行います。

さらにそこから、

  • オートフィルターと呼ばれる一次ろ過機

  • 粒状活性炭を利用した二次ろ過機

  • イオン交換樹脂でのろ過

3段階に分けてろ過されることで

無色透明な糖液「ファインリカー」となります。


8.濃縮

3.と同様に「真空結晶缶」で、減圧しながら

「ファインリカー」を濃縮します。

9.結晶化

濃縮された「ファインリカー」を④と同じ方法で

結晶化させたら、結晶の粒が求める大きさに

成長するまで撹拌します。

また、この時に加える「種糖」の大きさや量

結晶化させる時間の長さによって

作られる砂糖の種類が変わります。
(※別記で紹介します)


10.分離

5.と同様に、遠心分離機にかけて

9.で結晶化したショ糖を取り出します。

この時、1番最初に取り出した糖は

「一番糖」と呼ばれます。

残った糖液はまだショ糖が含まれているので

⑧の濃縮の工程から再度行われます。

これを6回ほど繰り返します。
(※この回数が多くなるほど、砂糖の色も変化し、
それぞれ別の砂糖として分類されるようになります。別途記事にて詳しくお話ししようと思います)


11.乾燥(完成)

仕上げに、10.までの工程をへて取り出された

砂糖は、まだ余分な水分が残っていているので

乾燥させます。

ここまできてようやくお砂糖の完成です。

角砂糖や粉糖などは、

ここで出来た砂糖をさらに加工して作られます。


砂糖の精製は一見、同じような工程を繰り返しているように思えますが、実は一連の中で作られる砂糖は10種類以上です!

※bitesjapansquadの投稿 : Ironman_fe

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