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私の中に残る悔しさについて「1/8-1/14」

カメラマンと個室で2人きりになる場合、身構える。もしかしたら性被害にあうかもしれないから。触ってきたり、それ以上のことをされたり、それ以上のことを求められたり。そんなことが何度も何度もあって、私はやる人とやらない人の空気感の違いを感じるようになっていた。
著名人が亡くなったあとに性被害を訴える人が現れるパターンがよくある。あれはきっと生きている間には言えない関係性なんだろうとか、圧がかかるからだろうとかって思っていたけれど、あぁ悔しいっていうのもあるんだなと、自分がその立場になって分かった。私は今、すごくすごく悔しい。

映画界の性加害、パワハラなど超ドロドロの強欲問題があかるみになり、次は写真界もあるかなあと思っていたけれど、業界が狭いのかなかなかか荒れもせず、いつかは…と密かに願っていたけれどさっぱり無風、ついにその巨匠がお亡くなりになった。あぁ逃げ切りましたかと思った瞬間、ぐさりと悔しかった。

私の被害内容は、撮影の際に2人きりになったときに下半身をいきなり触られたというものだ。彼と私は4メートルくらい離れていただろうか、いきなり彼が近付いてきて言葉もなく触られた。この人は"やるだろうな"と思っていたけれど、私は固まってしまった。"やるだろうな"と思ってた理由は、メイクさんもアシスタントさんも部屋に入れなかったから。2人きりになりたがる人は怪しいことが多い。それに彼の他での色んな話を聞いていたから触るくらいはするだろうなと身構えていた。撮影後、そのことは周囲に言えなかった。言ってもなだめられるだけだと分かっていたから。彼が売れていないカメラマンならば、それなりの処罰や謝罪があるかもしれないけれど、あれだけの大御所だと「仕方ない」で「まぁ、まぁ」とされて泣き寝入りするしかない。写真は美しく素晴らしかったけれど、心はざらつき引っ掻き傷のような痛みを感じていた。裸になる人間を下に見る人は多くいた。色んなことで傷つけられてきたけれど、私は彼がしたことも忘れていない。無かったことにされたくはない、この事実があったことをここに書いておく。


この話はここまで。

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