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無職、父君から優しさと謙虚さと心強さを学ぶ。

先日、派遣のバイトから帰って自室に戻ると、机の上に「就職博」のチラシが置かれてあった。私ならこんなもの一瞥してすぐ捨てるので、おそらく家族の中の誰かだ。そしてそんなおせっかいを焼いてくるのは昔も今も我が父君のみだと分かった。

正直それを見た時私は最初、腹がたった。余計なことしやがって、と。俺は自分の力で再就職決めて見せるから要らんことするな、と。ただすぐさまこう思い返した。それだけ俺のことを心配してくれているのか、と。

父君に聞くと、「自分から動かないとチャンスは巡ってこない」と返ってきた。その言葉を聞いて、私はまた腹がたった。俺がこの3ヶ月何もしてなかった訳ないだろ、と。何度も面接に行ってることは知ってるだろ、と。ただすぐさまこう思い返した、それだけ俺のことが心配でたまらないのか、と。

正直私はかなりプライドが高い。謙虚に振る舞っているつもりだが、自分のことしか考えていない一面がかなり漏れ出す。こういう部分が就活や面接においても負の効果を働かせているのかもしれない。


ただ、新卒の会社を2ヶ月で辞めて、再就職に苦しんでいるこの3ヶ月間。かなり周りの優しさが分かるようになった。今まで通りに接してくれる家族。「早く就職決めろ」と言われつつも、決して追い込んでは来ない。友達も付かず離れずで連絡を寄越してくれる。そしてたまに私と遊んでくれる。

私はなんて恵まれた環境に居るのだろうか。確かにしんどい立場にはあるが、決して窮状ではない。ありがたい。

誰かが、「自分が落ち込んでいるときほど、周りの優しさに気付く。上手く行っている時は、自分のことしか考えないものだ。」と言っていたが、まさにその通りだと思う。この無職期間3ヶ月の私は、自分の傲慢さと周りの優しさに気付く仕事で忙しい。


とりあえず、今度の既卒、第2新卒就職博には行ってこようと思う。それを父君に伝えると、「そうか。そのほうがええ。」と返ってきた。明日も気張ろうと思う。

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