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12月9日、ドヴォルザーク、マルタン、マンスリアン、民謡がもたらすケミストリー!

オランダの気鋭のアンサンブル、デルタ・ピアノ・トリオの演奏で、ドヴォルザークの4番のピアノ三重奏曲、「ドゥムキー」など、民謡を素材とした3作品... "Origin"。
CHALLENGE CLASSICS/CC72901

スイス(フランス語圏... )の作曲家、マルタン(1890-1974)が、アメリカのアイルランド系の支援者から委嘱された、アイルランド民謡による三重奏曲(1925)に、現代、アルメニアを代表する作曲家、マンスリアン(b.1939)の5つのバガテル(1985)、そして、チェコ、国民楽派、ドヴォルザーク(1841-1904)の4番のピアノ三重奏曲、「ドゥムキー」(1891)の3作品...

まず、耳を捉える、マルタンのアイルランド!アイルランド民謡の詩情溢れるメローさ、しっかりと取り込みつつ、ステップダンスの軽快さも見せて、魅了された!いや、思いの外、アイリッシュしている!続く、アルメニアのマンスリアン... ならではのアンビエントさ、シンプルさに、コーカサスの牧歌的な風景が浮かぶようで、じんわり聴き入ってしまう...

そして、ドヴォルザークの「ドゥムキー」。6楽章からなるスラヴ民謡集?ドヴォルザーク作品の中でも、その独特さ、際立っていて、ちょっとヤナーチェク味もあるのかも... いや、チェコならではの独特なトーンがツボ!で、フォークロワに基づいてのワイルドさが、次なる時代への新しい扉を開かせるよう... 近代はもうすぐそこに!が、感じられるあたり、なかなかに刺激的。改めて、民謡視点から聴いてみれば、おもしろい。

という"Origin"を聴かせてくれた、デルタ・ピアノ・トリオ。まず、3人の澄み切った響き!その響きが、民謡由来の作品の土着性をスっと昇華し、そこに現代性を生み出す妙!何だろう?時にポップで、クールで... "Origin"のテーマたるフォークロワを越えて洗練を感じさせる演奏に惹き込まれた!でもって、選曲の巧さ!

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