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さぶすクラシック日誌。2023年版!

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毎日、1タイトル、スポティファイでクラシックの新譜を聴いてみた。
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#ヴァイオリン

3月9日、"LOST IN VENICE"、18世紀、ヴェネツィアの風景を活き活きと蘇らせ、惹き込まれる。

古楽の名門音大、バーゼル・スコラ・カントルム出身者によるピリオド・アンサンブル、ヴァディム・マカレンコ(ヴァイオリン)率いるインフェルミ・ダモーレが、ヴィヴァルディらの協奏曲を奏でる、"LOST IN VENICE"。 eudora/EUDSACD2206 ヴィヴァルディ(1678-1741)のヴァイオリン協奏曲、ハ長調(RV 182)、ト短調(RV 320)、ホ長調(RV 263)の3楽章、アレグロ・ノン・モルト、そして、チェロ協奏曲、変ロ長調(RV788)、2挺のヴァイ

3月7日、ドレスデンのコンサート・マスター、ピゼンデルの器用にして花々しい音楽の数々...

コンチェルト・ケルンのヴァイオリニスト、平崎真弓が、コンチェルト・ケルンとともに、ドレスデンの宮廷楽団のコンサート・マスター、ピゼンデルのヴァイオリン協奏曲、ヴァイオリン・ソナタなどを弾く... BERLIN CLASSICS/0302808BC ヨハン・ゲオルク・ピゼンデル(1687-1755)。 ドイツ、ニュルンベルクの近郊、アンスバハ辺境伯領の小さな町、カードルツブルクのカントルを務めていた父の下に生まれたピゼンデル。幼くしてアンスバハの宮廷の聖歌隊に加わり、そこで、

3月1日、バッハって、多種多様なコンチェルトを書いていたのだなと... 今さらながらに、新鮮な思いにさせてくれる協奏曲集!

アメリカ出身のチェンバリスト、エリック・ミルンズが音楽監督を務める、カナダのピリオド・アンサンブル、ラルモニー・デ・セゾンの演奏で、多彩なソロ楽器による、バッハの協奏曲集。 ATMA Classique/ACD22853 2つのヴァイオリンのための協奏曲、ニ短調(BWV 1043)、1番のヴァイオリン協奏曲、イ短調(BWV 1041)、3番のチェンバロ協奏曲、ニ長調(BWV 1054)に、バッハ自身により編曲され、編曲された方のみが残り、原曲が失われてしまったコンチェルトの

2月20日、1775年、モーツァルト、19歳、ザルツブルクという街に収まりきらない才能がスパーク!ヴァイオリン協奏曲!

ゴットフリート・フォン・デア・ゴルツのヴァイオリン、クリスティアン・ベザイデンホウトが指揮するフライブルク・バロック・オーケストラの演奏で、モーツァルトのヴァイオリン協奏曲、3番、4番、5番。 APARTÉ/AP299 まず、おおっ?!となったのが、フライブルク・バロック・オーケストラの音楽監督のひとり、ゴルツの弾き振りではなく、フォルテピアノのヴィルトゥオーゾ、ベザイデンホウトが招かれ、ピアノを弾きながら指揮をしていること!いや、指揮者、ベザイデンホウトに興味津々!で、そ

2月4日、眼前に晴れ渡る地中海の風景が広がるかのよう... 18世紀、半ば、ロンドンで活躍したアグスのヴァイオリン・ソナタ!

ヴァンヴィテッリ四重奏団の演奏で、サルデーニャ島出身、ナポリで学び、18世紀半ば、ロンドンで活躍したヴァイオリニスト、アグスによる独奏ヴァイオリンと通奏低音のソナタ。 ARCANA/A531 ジュゼッペ・アグス(1722-98)。 サルデーニャ島、カリアリ(当時はサルデーニャ王国の首都... )に生まれたアグス。父は、カリアリの市のオーケストラのヴァイオリニストで、その父からヴァイオリンを学び始めた後、ナポリへと送られ、ナポリ楽派、全盛期の只中で学ぶ。1742年、音楽学校卒

1月29日、バロックにおける"通奏低音無し"のインパクト!テレマンのヴァイオリン尽くしの花々しさ!

当代切ってのバロック・ヴァイオリンのヴィルトゥオーゾ、 エンリコ・オノフリが、自ら率いるイマジナリウム・アンサンブルとともに、テレマンの"通奏低音無し"のヴァイオリンのための作品の数々を弾く。 passacaille/PAS1126 メランテ氏(というのは"telemann"のアナグラム、"melante"で、イタリア人風の名前、ってことで、イタリア風気取った作品?)の4挺のヴァイオリンのための協奏曲、1番(TWV 40:201)に、メランテ氏の通奏低音無しのヴァイオリンに

1月27日、ヴァイオリンが器楽の花形としてブレイクした頃、17世紀... オスティナートに乗って、歌い上げるヴァイオリンの花々しさ!瑞々しさ!

バロック・ヴァイオリンのヴィルトゥオーゾ、グナール・レツボールのヴァイオリンと、彼が率いるアルス・アンティクヮ・アウストリアの演奏で、ビーバー、シュメルツァーら、17世紀のヴァイオリニストたちのオスティナートによる作品の数々... "ostinato"。 PAN CLASSICS/PC10444 バロックの鬼才ヴィルトゥオーゾにして、ザルツブルク大司教の楽長、ビーバー(1644-1704)のソナタ、2曲に、グダンスク出身でポーランド王の宮廷で活躍した?デーベル(1651-9

1月23日、スコルダトゥーラが引き出す、秘蹟の神秘さ... ビーバーの"ロザリオのソナタ"。

日本を代表するバロック・ヴァイオリン奏者、平崎真弓が、クリスティーネ・ショルンスハイム(チェンバロ)ら、豪華な面々による通奏低音とともに奏でる、ビーバーの"ロザリオのソナタ"。 passacaille/PAS1088 受胎告知に始まり、キリストの受難と復活、さらに聖母マリアの昇天と戴冠まで、聖母マリアとキリストの様々な秘蹟を、3つのパート、5曲ずつからなる、15曲のヴァイオリン・ソナタで綴り、最後、ヴァイオリン・ソロによるパッサカリアで締めるという、1676年頃の作品、ビー

1月22日、エキゾティックさを支点に、引き出される、表現の多様さ、豊かな色彩!ハーン、蝕明けの輝き!

しばらく演奏活動から離れていた、アメリカのヴァイオリニスト、ヒラリー・ハーンの復帰アルバム、"ECLIPSE"... ドヴォルザークとヒナステラのヴァイオリン協奏曲に、サラサーテのカルメン幻想曲。 Deutsche Grammophon/4862383 ドヴォルザーク(1841-1904)のヴァイオリン協奏曲(1879)に、ヒナステラ(1916-83)のヴァイオリン協奏曲(1963)、そして、サラサーテ(1844-1908)のカルメン幻想曲(1883)。それぞれ個性強めな3

1月19日、異才、コパチンスカヤが曝け出す、帝国の落日と中欧の諸相、やっぱ、ただならない!

ヴァイオリンの異才、パトリチア・コパチンスカヤが、鬼才、ファジル・サイのピアノで、ヤナーチェク、ブラームス(3番)、バルトーク(1番)のヴァイオリン・ソナタを弾く。 ALPHA CLASSICS/ALPHA885 チェコの奥、モラヴィア地方に生きたヤナーチェク(1854-1928)のソナタ(1914)に始まり、ハプスブルク帝国の帝都、ウィーンを拠点としたブラームス(1833-97)の3番のソナタ(1886-88)、そして、ハンガリーを深く探求したバルトーク(1881-194

1月9日、民俗的であることがカッコいい!ノルウェーの音楽の源泉を見つめる、"OPPHAV"。

ノルウェー、アークティック・フィルハーモニーのヴァイオリニスト、サンデル・ティングスタの演奏で、グリーグの2番のヴァイオリン・ソナタなど、ノルウェーの民俗音楽にインスパイアされた現代までの多彩な作品、4作品を取り上げる、"OPPHAV"。 SIMAX/PSC1385 ノルウェーを代表する、グリーグ(1843-1907)の2番のヴァイオリン・ソナタ(1867)に始まり、グリーグの国民楽派の系譜を受け継ぐ、ブルースタ(1895-1978)のヴァイオリン・ソロのための民謡組曲(1